実写『シティーハンター』鈴木亮平、上京時に新宿で伝言板探し 思い募らせたどり着いた“大人な冴羽リョウ”役
漫画家・北条司の代表作を実写化したNetflix映画『シティーハンター』。4月25日の配信スタートから大きな話題を呼ぶ本作の公式資料では、その熱演が称賛されている冴羽リョウ役・鈴木亮平の長年にわたる実写化への思いと、原作愛にまつわるエピソードが明かされている。
東京・新宿を拠点に、裏社会のトラブルを解決する一流のスイーパー(始末屋)・冴羽リョウの活躍を描く「シティーハンター」。鈴木も長年の原作ファンであり、公式インタビューで「小学校の時にアニメ『シティーハンター』の再放送を観たのがきっかけです。これは面白いなと思い、原作の単行本をおこづかいで1巻から少しずつ買い集めました。人生で初めて買ったCDはサントラの『dramatic master II』です。当時聴き込んだし、いまだによく聴きます」と語っている。
「シティーハンター」をきっかけに「アニメの世界の中に入りたいなと思い、声優になりたいと思っていました」という鈴木は、それから実写映画の世界に惹かれて俳優の道へ。上京した17歳のころ、新宿東口で駅員に「伝言板、どこですか?」と真顔で尋ね、「伝言板はない」と言われ大きなショックを受けたというエピソードも資料で紹介されており「俳優になればあの世界に入れるかなとも思いました。表現する楽しさに目覚めさせてくれたきっかけとして、ずっと特別な思いを持っている作品です」と思い入れを明かしている。
鈴木の思いは消えることなく、2011年にブログで「日本版シティーハンター、冴羽リョウ、マジでやりたいなぁ」「31才くらいでやりたいなぁ」とつづっていたほど。インタビューでも「ブログに書いたことはうっすらと覚えています。昔から『いつか冴羽リョウを演じたい』とはよく言っていました」と振り返る。
それから、2015年に雑誌企画で原作者の北条と対面を果たし、翌2016年にはNHK「SWITCHインタビュー 達人達(たち)」で冴羽リョウ声優・神谷明と初対面。徐々に思いを積み上げながら、ブログ更新から10年以上を経てNetflixでの実写化にこぎつけた。
体型だけでなく「あごの輪郭線」郭にまでこだわる肉体改造や、海外での実銃訓練、ミニクーパーを運転するためにマニュアル免許を取得するなど、全力を注いで撮影に臨んだ鈴木。40代にさしかかってからのリョウ役となったが「リョウの年齢については、原作で『30歳なのか40歳なのかわからない』というようなセリフがあるんですよ。僕は30歳くらいなのかなと思って読んでいました。でも自分が30歳のときだったら、こういう大人な冴羽リョウはできなかったかもしれません」と告白。
また神谷とのシネマトゥデイにおける対談でも「シリアスだけでもダメだし、コミカルだけでもダメ、色気も少しないとダメ。今までやってきたものがすべて必要だったなと思います。その意味で、ある程度年齢を重ねないと表現できない人物だったのかな」と、まさに満を持してのタイミングだったことを明かしている。(※冴羽リョウの「リョウ」は正式には漢字・けものへんに寮のうかんむりなし)(編集部・入倉功一)