新垣結衣、歩み寄ろうとする気持ち「大事にしたい」
女優の新垣結衣が29日、都内で行われた主演映画『違国日記』(6月7日公開)公開直前イベントに共演の夏帆、瀬田なつき監督と共に出席。「言葉を大切にしている」本作で演じたキャラクターの印象的なセリフを挙げながら、そこから得た学びについて語った。
本作は、累計販売数180万部を突破するヤマシタトモコの同名コミックを、映画『ジオラマボーイ・パノラマガール』などを手掛けた瀬田なつき監督が実写映画化。人見知りな小説家の高代槙生(新垣)と、その姪・田汲朝(早瀬憩)、対照的な2人が家族とも異なるかけがえのない関係を築いていくさまを追う。
この日のイベントは最後方の観客も顔が確認できるような小さな会場。新垣は映画を鑑賞したばかりの観客に向けて「いつもの舞台あいさつ以上に近い。しっかりとお顔が見えます。その分、わたしの顔も見えていると思うと恥ずかしいですね」と照れ笑い。
映画出演のオファーが届く前から原作を読んでいたという新垣は「漫画のファンだったので、出来上がった作品を客観的に見ることはなかなか難しいですね」とつぶやくと「でも最初に観たときから心が洗われたような気持ちになりました」と語る。
新垣演じる槙生は、どんな相手に対してもフェアな視点で向き合う小説家。新垣は「自分に対しても誰かに対しても正直で嘘がない」と位置づけると「だからこそ、出会ってすぐ朝ちゃんはちょっと寂しい思いをしてしまうのですが、彼女なりにどんな人も尊重する姿勢が、人となりに出ていると思います」とキャラクターの魅力に触れる。
本作で新垣は瀬田監督とたびたび相談しながら作品を作り上げていったといい、「何巻もある原作を映画の尺に収めるのはすごく難しい。特に言葉を大切にしている作品だと思ったので、しっかり話をさせていただきました」と述懐。「わたしが不安に思っている部分も、丁寧に聞いてくださいました。疑問に感じた部分が一緒だなと感じたとき、とても安心できました」と監督に感謝を述べる。
新垣いわく「言葉を大切にしている作品」という『違国日記』。特に印象に残ったセリフについて新垣は「わたしはあなたの気持ちを理解できないし、あなたもわたしの気持ちは理解できない。それは違う人間だから」という言葉を挙げると、「槙生はそこで『一緒にいられない』を選ぶのではなく『歩み寄ろう』と行動するんです」と説明。「わたし自身もこうした気持ちを大事にしたいなと思っています」と自身にとっても気づきになる言葉だったという。
新垣は、SNS上で夫婦に関する憶測投稿騒動が起こり、夫である星野源がパーソナリティを務めるラジオ番組で憶測を全面否定後、初の公の場への登場となった。(磯部正和)