『マッドマックス:フュリオサ』新キャラ・ジャック、当初は名前がなかった…前田真宏が語るキャラクター秘話
映画『マッドマックス』シリーズ最新作『マッドマックス:フュリオサ』に「additional story contributor」として参加したアニメーター・前田真宏がメールインタビューに応じ、本作で初登場する警護隊長ジャック(トム・バーク)のキャラクター設定にまつわる秘話を明かした。
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本作は、『マッドマックス 怒りのデス・ロード』(2015)でシャーリーズ・セロンが演じた義手の女戦士・フュリオサの復讐の旅を描く前日譚(たん)。前田は『怒りのデス・ロード』でコンセプトアート&デザインを務め、当初アニメ映画として同時進行していた『フュリオサ』の企画、シナリオ、デザインを開発していた。
ジャックは、ウェイストランドの砦(=シタデル)を支配するイモータン・ジョーに仕える警護隊長で、砦・弾薬畑・ガスタウンを結ぶウォー・タンクの運転手。孤高の主人公・フュリオサ(アニャ・テイラー=ジョイ)の良き理解者でもあり、彼女を全面的にサポートする存在だ。
物語の重要人物であるジャックだが、前田は「ジャックという名前は当初無く、単に役名『Praetoriani』と呼んでいました」と告白。Praetoriani(プラエトリアニ)は、ローマ帝国で組織された皇帝を守る精鋭部隊のことである。
レザージャケットを羽織ったジャックのビジュアルは、どこかシリーズの主人公・マックスを彷彿させる。ジャックのデザインについては、前田も「ジョーの親衛隊の長で、もっとも強力なウォー・リグを任されている、という事なので全身レザーのレーシングスーツにプロテクター、重武装といった姿を考えると、自然とマックスに近づきました」と語っている。
ちなみに、ジャックは「肌の色を黒くする」という案もあったそうで、「自分は気に入っていたのですが」と振り返った前田。「もちろん、トム・バークさんのジャックはすごく良かったです。感情を内に秘めた静けさ。フュリオサとのリレーションもいやらしくない。互いに影響し合い、信頼しているバディなんですよね」と太鼓判を押している。(編集部・倉本拓弥)
映画『マッドマックス:フュリオサ』は全国公開中
前田真宏初の作品集「雑 前田真宏 雑画集(仮)」は2024年内発売予定(価格:6,000円+税、編集:株式会社カラー、発行:光文社)