井浦新主演、日仏合作映画『徒花-ADABANA-』10月公開決定!永瀬正敏撮影によるキャラクタービジュアルも
俳優の井浦新が主演を務め、長編デビュー作『赤い雪 Red Snow』が国内外で高く評価された甲斐さやか監督の最新作、日仏合作映画『徒花-ADABANA-』が、10月18日に公開されることが決定し、出演の永瀬正敏が主要キャストを撮影したキャラクタービジュアルが発表された。
本作は、甲斐監督が20年以上をかけ構想し書き上げ、満を持して映画化したオリジナル作品。国家により、ある“最新技術”を用いて延命治療が推進された、そう遠くない現代を舞台に、一定の階級より上の人間たちが病に侵された時、全く同じ見た目の自分である“それ”が提供され、病の身代わりになってくれたら……という物語が展開する。タイトルの“徒花(あだばな)”とは、咲いても実を結ばずに散る花「無駄な花」を意味する。
主演を、プロットが出来上がる前から出演を熱望していたという井浦が、同じく、本作の世界に惚れ込んで参加を即決したという水原希子をはじめ、三浦透子、斉藤由貴、そして永瀬が共演に名を連ねる。脚本は甲斐監督が担当。『落下の解剖学』で第96回アカデミー賞編集賞にノミネートされたロラン・セネシャルと、『ドライブ・マイ・カー』を編集した山崎梓が編集を担当している。
また、写真家としても活躍する永瀬撮影によるキャラクタービジュアルは、「自分」と、すべての身代わりになってくれる、もう一人の自分の「それ」をデカルコマニー(転写)で演出したデザインに。自分と「それ」は一見同じの様で、全く同じではない。生き写し、完璧なコピーではない「それ」のビジュアルは、美しさと不穏さが同時に解き放たれたビジュアルに仕上がっている。(高橋理久)
井浦らキャスト、甲斐監督のコメント全文は以下の通り。
井浦新
甲斐さやか監督からこの映画の構想を初めて伺った時、身震いしたことを覚えています。
前作【赤い雪】に続き甲斐監督の描く新たなこの物語も、やはり無自覚に否応なく心に爪痕を残し、深いところまで沁み入ってくる。言語化し難い超オリジナルな世界観が広がっていて、台本の時点で既に唯一無二の素晴らしい作品でした。
だから主人公の新次を演じるならば、今まで培ってきた経験もフルで活かし、自分がまだ開いていない扉も全開にして挑む必要がある。全ての感覚をギラリと研ぎ澄ませながら、監督スタッフキャストの皆んなと摩訶不思議で無茶苦茶で奇怪な日々を過ごしました。撮影期間は苦しくて楽しくて最高に幸せでした。
私にとって甲斐組は至高の表現の遊び場です。 皆さん【徒花】の香りに酔いしれて下さい。公開される日が待ち遠しいです。
水原希子
この度、まほろ役を演じさせて頂き、井浦新さんをはじめとする俳優の皆様とお芝居を通じて、自分の未熟さを痛感しながら、たくさんの宝物を頂いた素晴らしい経験をさせて頂きました。
甲斐さやか監督が描く世界観は唯一無二で、『徒花-ADABANA-』は今の時代だからこそ、恐ろしくリアリティがあります。
井浦さんのシンジは本当に圧巻です。『徒花-ADABANA-』を楽しみにしていてください。
三浦透子
演出の際に選んでくださる甲斐監督の言葉がとても好きでした。観終わったあと、自分の心臓の音がより強く大きく聴こえたような気がします。今まで意識の外にあったものに、自然と目を向けたくなる、そんな感覚が残ります。必ず映画館で観ていただきたい作品です。
斉藤由貴
母という、この切なくも美しきもの
母という、この切なくも恐ろしきもの
愛という業を腕(かいな)に抱きしめ、ひっ抱え、弱さも狡さも鬼の残酷も身体の奥にひっ抱え
ただひたすらに、子のために、ただひたすらに、己の思いを遂げるために。
甲斐さやか監督のディレクターズステイトメントを拝読した時、監督の深き思いに胸打たれました。と共に、その透徹(とうてつ)した眼差しの向こうにある「この映画の完成形」に想いを馳せるというより、私はただ、追憶の物語の中に、母として無垢に存在していようと感じました。
今回、甲斐監督の世界に参加でき、心より光栄に思います。
永瀬正敏
甲斐さやか監督の独自で深いメッセージとビジョン、
明確なビジュアルイメージと人物設計、細部までこだわり抜かれた映像と音、、、
短い時間でしたが、再びその世界の中に身を置けた事、幸せでした。
そして今回は更に、演じ手と撮影(写真)二刀流で現場に呼んでいただいた事も感謝しかありません。
甲斐さやか(監督・脚本)
スピードが早すぎて、自分のことも見失いがちな現代。恐れずに自分と向き合い、
どう生きるべきかを改めて考えたい……そのような思いで書いた脚本に、
同じ思いを持つ最高の俳優と最高のスタッフが集結してくれました。
「徒花-ADABANA-」は、忙しい日々の中で、“私が失ったものは何なのか”という現代人の疑問に共鳴するものと信じています。是非、劇場でご覧いただきたいです。