三谷幸喜監督『スオミの話をしよう』に瀬戸康史・宮澤エマ・戸塚純貴出演!ミュージカルシーン交えた予告編公開
三谷幸喜監督・長澤まさみ主演の映画『スオミの話をしよう』(9月13日公開)の新キャストとして瀬戸康史、宮澤エマ、戸塚純貴が出演することが発表され、併せて主要キャストが集結したポスタービジュアル、並びにミュージカルシーンを交えた予告編が公開された。
三谷監督にとって『記憶にございません!』(2019)以来5年ぶりの監督作品となる本作は、行方不明となった大富豪の妻・スオミ(長澤)の失踪を知った一癖も二癖もある現在の夫と元夫たちが事件の解決に向け奔走するミステリー・コメディー。元夫役には、血の気の多い庭師・魚山に遠藤憲一、怪しげなYouTuber・十勝に松坂桃李、情に厚い警察官・宇賀神に小林隆、かなり神経質な刑事・草野に西島秀俊。そして現在の夫で身勝手な芸術家・寒川に坂東彌十郎がふんする。
4月期TBS火曜ドラマ「くるり~誰が私と恋をした?~」も記憶に新しい瀬戸が演じるのは、草野の有能な部下・小磯杜夫(こいそ・もりお)。三谷作品には大河ドラマ「鎌倉殿の13人」(2022)をはじめ、舞台「23階の笑い」(2020)や「笑の大学」(2023)などに出演。本作では癖の強い5人の夫たちに相対し、振り回されながらもスオミの行方不明事件を解決すべく奔走する役どころに挑む。
ドラマ「マウンテンドクター」(カンテレ・フジテレビ)が始まったばかりの宮澤は、ある時はスオミのママ友、ある時はインテリアコーディネーターなど、スオミの行く先々に現れる神出鬼没な女・ 薊(あざみ)に。三谷作品には大河ドラマ「鎌倉殿の13 人」や映画『記憶にございません』、ドラマ「誰かが、見ている」(2020)、舞台「日本の歴史」(2018~2019)や「オデッサ」(2023)などに出演している。
朝ドラ「虎に翼」も話題の戸塚は、寒川の世話係・乙骨直虎(おっこつ・なおとら)に。三谷が脚本を手掛ける舞台「ヴァンプ・ショウ」の再々演の際に三谷の目に留まり、“若手で僕が今一番注目している方”と言われるほどの期待とラブコールを受けて、三谷演出作品初参加。身勝手な寒川に翻弄され、絶妙な表情を見せる。
ポスタービジュアルは、写真家・操上和美の撮りおろし。ドレスアップした男たちと薊の背後に、その表情を巡り見る者によってさまざまな解釈が生まれるであろうドアップのスオミの姿が。予告編には、スパンコール煌めくドレスと、サングラス×ブラックタキシードに身を包んだスオミと夫たちのミュージカルシーンも。三谷監督が“最後まで楽しい映画にしたい”と発案し、メインキャスト全員が歌って踊る超豪華なミュージカルシーンが完成。スオミ役の長澤をメインボーカルとして、キャスト全員で歌うミュージカルナンバーのタイトルは「ヘルシンキ」。作詞を三谷監督自ら手掛け、映画『ザ・マジックアワー』(2008)以降すべての三谷映画の音楽を手掛けてきた荻野清子が作曲を担当。クランクイン一か月以上前から歌稽古とダンスの特訓を重ねたという、長澤のパワフルな歌声は必聴。
瀬戸、宮澤、戸塚、三谷監督のコメント全文は下記の通り。(編集部・石井百合子)
瀬戸康史(小磯杜夫役)
舞台では何度も三谷作品に出演させていただいていますが、映像作品は初めてでした。今回の作品は殆どのシーンを長回しで撮影するというやり方で、ほど良い緊張感と三谷さんの脚本の可笑しさ、演者の皆さんの面白さに笑いを堪えながらの撮影でした。最初台本を読んだ時、僕が演じた小磯はとても難しい立ち位置にいる役だと感じましたが、三谷さんの演出が入ると自然とカラダが動くというか、いつものように三谷さんに良い意味で遊ばれ、そんな不安も自然と消えていきました。そして試写会では内容を知っていても大爆笑してしまいましたね。是非多くの方にご覧いただきたいです。
宮澤エマ(薊役)
私は三谷さん作・監督の『記憶にございません!』が初三谷作品、初映画出演でしたので当時は緊張やプレッシャーと戦いながら毎日撮影に挑んでいました。その後、舞台や映像作品で三谷組に参加させて頂く機会も増え、今回の『スオミの話をしよう』は以前よりは落ち着いて撮影に臨めるかと思いきや、今までのどの作品よりも乗り越えるハードルが多く、現場で頂く演出にやはり、悩み続ける日々でした。三谷さんのアイデアはどこから浮かんでくるのか分かりませんが、絶対に応えたい! という気持ちのもと、スタッフ、キャストが一丸となり本当に笑いの絶えない現場でした! 私は今回謎多き女性、薊を演じています。唯一無二の三谷ワールドをのびのびと生きる薊を楽しんで観て頂ければ幸いです。
戸塚純貴(乙骨直虎役)
スオミというワードは人生で初めて聞きましたので調べたら自分の好きな事がたくさん当てはまる憧れの国でした。撮影に入った当初は、大好きで尊敬している方の作品だからこそ、その方の作品に出た人ってだけでは終わりたくない、せっかくいただいたこの貴重な機会、自分にしかできない表現を全て出そう、と決めていました。長澤まさみさんの現場での気遣いはいつにも増してありがたく、大先輩方の胸をお借りして気負わず自由に演じさせていただきました。演出という武器を使って真剣にみんなを笑わせにかかってくる三谷さん、同じ目線でいてくださり、話しやすい環境を作ってくださる三谷さん、現場で台本が急に変わったりする三谷さん。台本にない要求を耳元で囁く三谷さん。恋愛ドラマでもなく、バイオレンスアクションでもなく、ミステリーでもシリアスでもなく、混沌ではなく、「三谷幸喜」というジャンル。撮影ではお互いのお芝居に笑わずにはいられない、素晴らしいキャストと最高のスタッフが集結した「スオミの話をしよう」を僕自身も映画館で観るのを楽しみにしていますし、たくさんの方に観ていただきたい映画です。
三谷幸喜(監督と脚本)
●ミュージカルシーンに関して
今作は一度原点に戻って、思い切り演劇的な映画を作ってみよう、限りなくワンシチュエーションに近いセリフ劇をやりたいと思ったところが出発点です。全体が舞台劇に近い作りなので、エンディングはカーテンコールという意味で、出演者が歌って踊るかつてのMGMミュージカル風の形式にしたいと思いました。クランクイン一ヶ月以上前から、長澤さんには歌稽古とダンスの特訓。その他のキャスト陣も時間が許す限り、稽古を重ねました。踊っている姿がイメージできない西島さんや松坂さん、遠藤さんや彌十郎さんが必死に踊りの稽古をしている姿は、それだけで感動的で、本当に申し訳ないけれどそれだけで笑ってしまうんです。長澤さんの圧巻のパフォーマンスとキャストそれぞれの個性が輝くダンスで、ミュージカルシーンは間違いなく今作の注目シーンとなりました。多幸感溢れるきらびやかなシーンを、ぜひ映画館の大スクリーンでご覧頂きたいです。
●瀬戸康史さん、戸塚純貴さん、宮澤エマさんに関して
瀬戸さんとエマさんは、今、僕の作品のテイスト、テンポ感を一番分かってくれている俳優さん。二人がいることで、他の俳優さんたちも“こんな風にやればいいんだ”ということが伝わったと思うので、僕にとっては、貴重な存在のお二人です。戸塚さんにお願いした乙骨役は、実は最後までなかなか決まらなかった役です。そんな時、僕が30年近く前に脚本を書いた「ヴァンプ・ショウ」(1992年初演/2022年再々演)という舞台の再々演を見に行ったら、当時古田新太さんがやられていた役を戸塚さんが演じられていて、それが素晴らしかったんです。この人はなんて面白いんだ! と思い、そこからすぐにお願いしました。スオミとスオミを愛する5人の夫、そして彼らを取り巻くこの3人の絶妙な掛け合いは必見です!