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吉川晃司『キングダム』役づくりで1か月山にこもる 松橋Pが明かすストイックな顔

吉川晃司演じるホウ煖
吉川晃司演じるホウ煖 - (C) 原泰久/集英社 (C) 2024映画「キングダム」製作委員会

 原泰久の漫画を山崎賢人(※崎は「たつさき」)主演で実写映画化する『キングダム』シリーズの第4弾『キングダム 大将軍の帰還』(7月12日公開)で、主人公・信(山崎)や王騎将軍(大沢たかお)の前に立ちはだかる敵・ホウ煖(※ホウはまだれに龍)を演じる吉川晃司。前作『キングダム 運命の炎』のラストに登場し、本作では王騎将軍と因縁の戦いを繰り広げる。映画シリーズ4作の中で最強の敵として描かれるホウ煖に吉川をキャスティングした理由、吉川のストイックな役づくりについてプロデューサーの松橋真三が語った。

『キングダム 大将軍の帰還』キャラクタービジュアル20種【画像】

 紀元前・中国春秋戦国時代を舞台に、天下の大将軍になる夢を抱く戦災孤児の少年・信と、中華統一を目指す秦国の若き王・エイ政(吉沢亮※エイは、上に亡、中に口、下左から月、女、迅のつくり)を描く本シリーズ。吉川演じるホウ煖は、主人公・信ら秦国と敵対する趙国の総大将で、その身に神を宿す“武神”と畏れられる存在。三大天(※かつて中国全土に名を轟かせた最強武将。趙国を支える三人の大将軍)の一人であり、過去に馬陽の地で闘った王騎とは因縁の関係にある。

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 劇中、ホウ煖はほとんど言葉を発さず、佇まいのみで信らを圧倒するが、吉川の起用については「初めから吉川さんだなと思っていました」と松橋P。「ミュージシャンであり、アーティストである吉川さんっていういわゆる異分子、孤高の存在を本作に招き入れることが今回私がやらなきゃいけないことだなと思っていて。吉川さんは春秋戦国時代の歴史に詳しく大好きで。私としてはどうしても吉川さんにやっていただきたかったので、マネージャーさんには早めにお話しさせていただいて、マネージャーさんにも一生懸命口説いていただきました」とオファー時を振り返る。

 吉川に「どうしてもやってほしい」理由については、ホウ煖の人間離れした雰囲気を醸し出せるところが肝だったという。「ホウ煖って原作で言うと怪物的な存在として描かれていて、実際に原作通りに演じるのは到底難しいですが、同じような殺気とか雰囲気、“この人を怒らせたらヤバい”と思わせるような人でないとダメだと。以前に『るろうに剣心』で鵜堂刃衛(主人公・緋村剣心の宿敵)役でご一緒したときもそうでしたが、吉川さんは特別な存在だったのでぜひお願いしたいと思いました」

 その“怪物的”なホウ煖をどう演じるのか。撮影前には吉川と話し合いの場を設けたと言い、その結果、吉川は1か月もの間山にこもって生活することとなった。

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 「吉川さんと“ホウ煖ってどんな生き方をしていて、山の中でどんなことをやってるんだと思う?”というようなことを話しました。原作の雰囲気だけで言うと、1歩間違うと例えば野蛮な人間で熊と戦ってたりするのかな、といったイメージが湧きそうですが実際は多分そうじゃない。ホウ煖は求道者という、要は哲学の人なんじゃないか。だから生きる意味だったりを考える中で最強であることに重きを置いて、強くなることをひたすら突き詰めて武神という存在になっていくわけで。吉川さんは弓道をやられてるんですよ。弓道は精神統一がすごく大事で、心を無にしていって決まった型っていうのを何回も何回も繰り返しやるそうで。“そうすることで見えてくるものがあって、おそらくホウ煖も山にこもって同じようなことをしているんじゃないかな”という話をしてくださったので、“それで行きましょう”と」

 では、吉川は山の中ではどのように過ごしていたのか? 「いろんなものを遮断することで見えてくるものを探していたんじゃないかなと思います。王騎との戦いでは大きな矛を使うので、まずその矛を身体になじませる必要があった。山はトレーニングをするにも良い環境だったのでしょう。街中であんな巨大な矛を振り回していたら捕まっちゃいますからね。アクションの練習をする時には山から下りていただいてスタジオの中で練習を行うという生活を繰り返されていました。それは大沢さんがあんな風に仕上げてきているんだから自分もそれを超える勢いでなければという思いもあったと思います」

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王騎(大沢たかお)とホウ煖(吉川)の激突シーン

 ホウ煖が王騎と矛を交えるシーンでは軽量のものから重量のものまで複数の矛を用意して使い分けていたというが、練習するうちに矛が次々と壊れていったとも。

 「本物は30キロ近くあるんですけど、それは振る必要のない静止したとき用のものですね。そこから段階的に“こういうアクションの時はこれぐらいのもの”といったふうに、素材を分けながら作っています。多分20バージョンぐらいあったんじゃないかな。振り回しているうちに折れてしまうので。あとは息を合わせないと怪我をしてしまうので、お二人そろっての練習の場を設けました。矛が3メートルぐらいあるので上天井高が5メートル以上の場所でないと振り回せない。それが可能なスタジオを探してトレーニングをやっていました」

 スタジオと長野県での屋外ロケにより約2週間にわたって撮影を行ったという王騎VSホウ煖の死闘。まさにスクリーンで観てこそのド迫力のシーンに仕上がった。(編集部・石井百合子)

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