「少年と犬」高橋文哉&西野七瀬W主演で映画化!
馳星周の直木賞受賞小説「少年と犬」が高橋文哉と西野七瀬のW主演で実写映画化され、2025年春に全国公開されることが決まった。「少年と犬」は、飼い主を亡くし岩手県釜石からさまよってきた1匹の犬・多聞(たもん)が、南の方角を目指して日本を縦断する中で、傷つき、悩み、惑う人々と心の交流をするさまを描いた6つのエピソードから成る短編連作小説。原作の複数のエピソードにオリジナルの要素を加え、映画『ラーゲリより愛を込めて』の瀬々敬久監督が映画化する。
物語は、東日本大震災から半年後の宮城県仙台、職を失った青年・和正(高橋)が震災で飼い主を亡くした多聞と出会うところから始まる。多聞は和正とその家族に瞬く間に懐き、一家にとって無くてはならない存在となるが、常に“南の方角”を気にしていた。そんな中、家族を助けるために危険な仕事に手を染めた和正はやがて事件に巻き込まれ、その混乱の最中に多聞は姿を消してしまう。時は流れ、多聞は滋賀で悲しい秘密を抱えた女性・美羽(西野)の下で過ごしていた。多聞と過ごすことで、徐々に平和な日常を取り戻してく美羽の前に、多聞の後を追ってきた和正が現われる。こうして2人と1匹の新たな生活が始まるが、痩せ細った体で傷ついた人々に寄り添いながらもたった一匹、“南の方角”に向かって歩き続ける多聞には、一人の少年と誓った約束があった……。
震災後の貧困に苦しむ生活の中、家族ために被災地で窃盗団のドライバーとなった中垣和正(なかがき・かずまさ)役は、「仮面ライダーゼロワン」で主演を務めて以来、数々のドラマに出演し、今年だけで4本の出演映画が公開されるなど飛ぶ鳥落とす勢いの高橋だ。大の犬好きだという高橋は、「人生を一緒に過ごしてきた犬と映画を撮影できることを本当に嬉しく思いました。多聞役のさくらと撮影前にコミュニケーションを取って撮影に挑んだのですが、わんちゃんにしか出せない生のお芝居、そこに中垣和正としてリアルに向き合う楽しさを感じることが出来ました」と撮影を振り返っている。
ある秘密を抱えてデートクラブで働く須貝美羽(すがい・みわ)役は、乃木坂46を卒業後、女優としての活躍が目覚ましい西野。「今まで経験したことがない感情になる場面が多く、想像しながら考え抜いたものを体現していくことに、日々楽しんで向き合っていました」とコメントしている。監督は瀬々敬久、脚本は林民夫、企画・プロデュースは平野隆と、『糸』『ラーゲリより愛を込めて』の製作陣が再結集して新たな感動作を世に送り出す。キャスト、監督、プロデューサー、原作者のコメントは以下の通り。(編集部・市川遥)
高橋文哉/中垣和正役
この作品のお話を頂けたことを本当に嬉しく思いました。
僕自身生まれた時から実家に犬がいて、犬と共に生きてきたと言っても過言では無いほど犬が大好きで、人生を一緒に過ごしてきた犬と映画を撮影できることを本当に嬉しく思いました。
多聞役のさくらと撮影前にコミュニケーションを取って撮影に挑んだのですが、わんちゃんにしか出せない生のお芝居、そこに中垣和正としてリアルに向き合う楽しさを感じることが出来ました。
瀬々組には初参加でしたが、瀬々監督のこだわりを持って繊細に描く人間模様に惚れ惚れしながら、ドキドキとワクワクを持ってお芝居することが出来ました。
西野七瀬さんとは初共演でしたが、お芝居にすごく真っ直ぐな方で美羽と和正として共に向き合えたことを光栄に思います。
多聞と出会い自分を見つめ直し自分の正義と向き合い、人生を模索する二人と1匹の織り成す掴みきれない空気を楽しみに公開までお待ち頂けたら嬉しく思います!!
西野七瀬/須貝美羽役
今まで経験したことがない感情になる場面が多く、想像しながら考え抜いたものを体現していくことに、日々楽しんで向き合っていました。
瀬々敬久監督や高橋文哉さん、スタッフの皆さんと意見を交わしてパターンを試しながら撮影することもできました。ぜひ楽しみに待っていていただけたらと思います。
監督:瀬々敬久
犬の名前は多聞です。仏法の守護神の一つ、多聞天から来ています。馳星周さんが描いたこの不思議な物語を、「こんな悲しい話があります」とお坊さんが語る法話や、辻々で流浪の民が語った説教節のように、生きることの悲惨と喜びを伝える映画に出来ないか、そう思い挑みました。主演の高橋文哉さんと西野七瀬さんが、そのしなやかな感受性で物語を全身で受け止め、今を生きる私たちの映画にしてくれました。
原作者:馳星周
多聞は多くを聞くと書く。
犬は人の言葉に耳を傾け、寄り添ってくれるのだ。
犬に語りかけることで心を救われた者がどれほどいることだろう。
犬は無条件の愛の手本として、神様が人間に遣わしてくれた生き物だと心から信じている。
この映画を通じて多くの人がそのことに共感してくれることを切に願う。
企画・プロデュース:平野隆
『ラーゲリより愛を込めて』のスタッフを再結集して、前作と同様、観客の皆さまの魂に訴える作品を作りたいと思っていました。
高橋文哉さん、西野七瀬さんにお願いしたのは2人が“愛おしさ”を多くの人々の印象に残せる役者さんだと思ったからです。
そしてこの映画にはもう1つの愛おしいものがあります。
現在編集中ですが、スクリーンの上にお二人と多聞という名の犬が映る時、私は思わずスクリーンを抱きしめたくなります。
何故タイトルが『少年と犬』なのか? それがこの原作の魅力であり、この映画の魅力であると思います。