多部未華子、ピクサー重鎮から絶賛に「少しは調子に乗りたい」 『インサイド・ヘッド2』チームが来日
俳優の大竹しのぶと多部未華子が18日、都内で行われた映画『インサイド・ヘッド2』(8月1日公開)来日スペシャルイベントに登壇。来日したケルシー・マン監督、ピクサーのチーフ・クリエイティブ・オフィサーであり本作のエグゼクティブプロデューサーのピート・ドクター、『モンスターズ・インク』など数多くの作品に携わるプロデューサーのマーク・ニールセン、キャラクターデザインを手掛けた日本人主要スタッフの村山佳子が来日し、サプライズとして大竹の誕生日祝いが行われた。
本作は思春期を迎えた少女ライリーの頭の中の感情たちを描き、第88回アカデミー賞長編アニメ映画賞を受賞した『インサイド・ヘッド』(2015)の続編。続編ではヨロコビ、カナシミ、ムカムカ、ビビリ、イカリに加え、高校入学という転機を迎えるライリーの新たな感情としてシンパイ、イイナー、ダリィ、ハズカシが現れる。
大竹は前作に続いて日本版声優として、ライリーの頭の中の感情カナシミの声を続投。多部は新たに出現するオレンジ色のシンパイの声を担当。それぞれキャラクターのカラーに合わせた衣装で登壇した。多部は「前作を映画館で観て、すごく素敵な作品だと思っていたんです。今回、とても緊張しながらシンパイを演じました。この作品に携われて幸せでした」と感想を述べる。作品の魅力について「ライリーの感情は自分も、誰もが経験するような感情ばかり。それがグサグサと心に刺さり、共感ばかり。どれも大切な感情。どの感情も自分らしさに繋がる。大人になった私でも共感できる作品でした」と話す。
大竹も「あれから9年も経っていたとは思えず……。今回録音する時に私の中にちゃんとカナシミが生きていたのが嬉しかったです。最初の作品よりもライリーが大人になっていて、私自身もとても感動しました」と主人公の成長を振り返る。日本版の出来栄えについてはピートが「最高でした。英語バージョンよりも良いかもしれません」と大絶賛し、大竹は嬉しそうな表情。マン監督も「お二人に声をやっていただいて光栄でした。私たちの作品に対する思いをしっかりケアして素敵に演じてもらえたと思います」と話すと、多部も「褒めてもらえたので少しは調子に乗りたいと思います」と笑顔を見せた。
二人はマン監督に九谷焼の皿をサプライズでプレゼント。職人に特別に依頼し、映画のキャラクターの絵付けをしたといい、マン監督は感激しきり。さらに、マン監督は前日17日に67歳の誕生日を迎えた大竹にプレゼントを贈呈。カナシミの色を表現したバラの花束と、カナシミのレコーディング中の写真を入れた思い出ボールを贈ると、大竹は「お誕生日は嬉しくはないんですけど……」と苦笑いしつつ、サプライズに感激していた。
マン監督は「自分のいろんな部分をこの作品に込めました。ライリーは10代。この年頃になってくると、ものすごく自意識が強くなっていく。それゆえに新しい感情が出てきて自分を責めたりもするのですが、ライリーはそんな気持ちに対処し、最終的には自分を愛することを学んでいく。そういうことを作品に込めています」と本作を紹介。ピートも「前作と今作と作っている中で、これは自分たちへの贈り物だと感じました。日本の観客にとってもこれが素敵な贈り物になればいいなと思います」と呼び掛けた。(取材・文:名鹿祥史)