朝ドラ「おむすび」阪神・淡路大震災を正面から描く
橋本環奈が主演を務め、9月30日から放送が始まる連続テレビ小説「おむすび」は、阪神・淡路大震災が起きた瞬間とその後を正面から描くと26日、NHK大阪放送局が発表した。あわせて、神戸編の新キャスト6名と番組ロゴも発表された。緒形直人、キムラ緑子、新納慎也、内場勝則、内海崇（ミルクボーイ）、岡嶋秀昭が出演。内海は朝ドラ初出演となる。番組ロゴのデザイン担当は大島慶一郎。
朝ドラ111作目の「おむすび」は、平成元年生まれのヒロインが、栄養士として、人の心と未来を結んでいくオリジナル作品。どんなときでも自分らしさを大切にする“ギャル魂”を胸に、平成・令和の荒波を突き進む主人公・米田結（よねだ・ゆい）を、NHKドラマ初出演となる橋本が演じる。脚本は、ドラマ「正直不動産」「ハコヅメ～たたかう！交番女子～」などの根本ノンジが手掛ける。
ヒロイン・結は、生まれてから福岡・糸島に移り住むまでの約6年間を神戸で過ごし、商店街にある理髪店を営む神戸の自宅で1995年1月17日を迎える。家族や周りの親しい人々と共に大きな震災に遭い、その経験が彼女の運命を大きく変えていく。2025年1月17日に阪神・淡路大震災発生から30年を迎えるにあたり、本作では正面から阪神・淡路大震災を描くこととなった。
制作統括の宇佐川隆史は「“朝ドラ”は、見た人の一日を元気にし、明日へと希望をつなぎ、人生を豊かにするもの。そんな“朝ドラ”で、真正面から震災を描いてもいいのか。きっと見ることが出来ない人もいるのではないか。制作チームの間で何度も話し合う中で、様々な葛藤がありました」と明かす。「それでもなお、阪神・淡路大震災からまもなく30年となろうとする今こそ、“朝ドラ”で震災を描く意味があるという結論にいたりました。かつて起こった出来事を、決して忘れないこと。そして今も被災されている方々の苦難を、他人事ではなく、自分事として感じてもらうこと。“朝ドラ”だからこそ、それが叶えられるのではないかと考えました。テレビの向こうで、かつての悲しみや辛い思いに寄り添い、未来への願いへとつながってほしいという、祈りにも似た強い覚悟で『おむすび』というタイトルをつけました」と続けた。
また、「事前にここまでドラマの内容を告知することについても、様々な意見がありました。しかし、不意に震災の様子を目にしてしまい、震災経験者の方々、さらには今も避難されている方々を傷つけてしまうことを、できる限り避けたいという思いから、今回、このような形で発表させていただきました」と経緯も明かした。
米田家と共に未曾有の災害を経験し、大きな傷を抱えながらも、たくましく生きていく神戸の人々を演じるのは、靴店店主・渡辺孝雄役の緒形をはじめ、総菜屋を営み結の友人の母でもある佐久間美佐江役のキムラ、神戸市職員・若林建夫役の新納、テーラー店主・高橋要蔵役の内場、小学校教師・大崎彰役の内海、整体師・福田康彦役の岡嶋。（清水一）