『劇場版カードキャプターさくら』25周年記念で舞台あいさつ!丹下桜、久川綾が決めゼリフ披露
1999年8月21日に公開された『劇場版 カードキャプターさくら』と、併映された短編作品『CLOVER』の公開25周年記念舞台あいさつが10日に新宿ピカデリーで行われ、主人公の木之本桜を演じる丹下桜、ケルベロスを演じる久川綾が登壇し、25周年を迎えた思いを語った。
講談社の雑誌「なかよし」で1996年より連載された超人気コミックを基にした本作は、カードキャプターさくらとなった木之本桜が、封印が解かれるとこの世に災いをもたらすという“クロウカード”の起こす事件を解決しながら回収していく物語。観客動員数50万人以上を記録した劇場版第1弾となる本作は、香港を舞台に、さくらが最大のピンチに立ち向かうさまを描いている。
映画上映後、観客の前に立った久川が「会場の皆さん、こにゃにゃちはー」とあいさつすると、丹下も「はにゃーん」とそれぞれのキャラクターのセリフを披露してみせて会場は大盛り上がり。「初めて観た人は?」という司会者の質問には多くの人が手を挙げており、丹下も「思ったよりいらっしゃいましたね。ありがたいことですね」と笑顔。さらに「当時、観ていた人は?」という質問にも負けず劣らず多くの人が手を挙げるなど、往年のファンから、新規ファンまで、幅広い観客が来場。
そんな会場に向かって「25年前には、まさか25年後にも舞台あいさつができるなんて夢にも思っていませんでした」と感慨深い様子を見せた丹下は、「それだけこの作品には、かわいさ、やさしさ、あたたかさ、夢と魔法とひたむきさと、何かそういう色あせないもの、今見返しても大事だな、素敵だなと思うものがギュッと詰まっていて、本当にいい作品だなと思っております」としみじみ。久川も「昨日観たのに、昔のアニメのような感じがしない……とは思いつつ、テレビはブラウン管だし、携帯やスマホが出てこない、(大好きなさくらをビデオで撮ることに喜びを見いだす大道寺)知世ちゃんのビデオカメラが大きい! ちょっとしたところに時代は感じても、さくらの気持ちとか、人の心は普遍的なところを描いているから、25年前とは思えない」と変わらぬ良さを感じているようだった。
主人公のさくらは、後の物語では同級生の李小狼(リ・シャオラン)と互いに思いを寄せるような関係性となるが、本作の段階ではまだその片りんがなく、「その当時は、李くんとクロウカードを取りあっているライバルでしたね」と指摘する丹下。久川も「さくらの思いは緒方恵美(が声を担当した月城雪兎)に行っていて。気持ちはそっちにはにゃんだったもんね」と返すと、会場からは拍手が。
さらに丹下が「だから李くんのご実家にも行ったというのは、あの当時はその思いに気付いてなかったということでスッと行けたんだと思うんですよ」と付け加えると、久川も「あんな(厳格な)お母さんがいたらどうする?」と笑う。丹下は「本当にその前に会っておいて良かったなと。この映画にサブタイトルつけるとしたら『カードキャプターさくら ドキドキ、ご実家訪問ではにゃん!』とかですかね。あの時期に行けて良かった」と冗談めかしてみせて、会場を沸かせた。
そしてこの日は浅香守生監督からのメッセージも届いた。「この作品は、わたしがはじめて関わったテレビシリーズで、初の劇場作品でした。記憶に残っているのは、舞台の香港に5日間の取材に行ったことで、映像で出たところはほぼ実在しています。25年前なので今もあるかわかりませんが。また25年前となると、お客さんの中には生まれていない方もいらっしゃるのではないでしょうか? 初めての方も、小さなお友だちも、ヘビーユーザーの方も、大きな……も、楽しんでいただけますと、監督は喜びます」
そして最後のあいさつで「25年たっても色あせない映画。でもおうちにはBlu-rayがあったりDVDがあったりするのに、わざわざ足を運んでくださってありがとうございます。わたしも丹下も何かとちょこちょこ会ってはいるんですが、それでもこうやって『さくら』で同じ空間を過ごせるのはうれしいです。やはり最後にもう一回だけ」と切り出した久川は、「会場のみんな、えらいおおきにな。これからも『カードキャプターさくら』応援したってな、ほなな!」とケロちゃんのフレーズで呼びかけて会場は大盛り上がり。
続く丹下も「今日は皆さん、暑い中ようこそお越しくださいました。今はまだ午前中なんですよね。これからランチをしたり、ショッピングをしたり、楽しい1日を引き続きお過ごしください。ずっとずっと『カードキャプターさくら』を愛してくださって、応援してくださってありがとうございます」と感謝し、「汝の有るべき姿に戻れ! クロウカード!」とさくらの決めゼリフを披露。会場からは大きな拍手が送られた。(取材・文:壬生智裕)
『劇場版 カードキャプターさくら』は全国公開中