『スオミの話をしよう』長澤まさみの“一人二役”に仕掛け 三谷監督が裏側明かす
三谷幸喜監督が19日、自身のXに投稿した『スオミの話をしよう』(9月13日公開)の撮影日誌「1年前のスオミの話をしよう」で、主演・長澤まさみの“一人二役”の裏側に触れている。
三谷監督が舞台「紫式部ダイアリー」(2014)、ドラマ「わが家の歴史」(2010)、大河ドラマ「真田丸」(2016)&「鎌倉殿の13人」(2022※語り)などで組んできた長澤まさみを主演に迎えた本作。三谷監督が映画で女性を主人公にするのは『ステキな金縛り』(2011・深津絵里主演)以来。長澤は大富豪の妻で、ある日突然失踪するスオミを演じる。現在の夫(坂東彌十郎)と元夫たち(西島秀俊、松坂桃李、遠藤憲一、小林隆)が集結し、「誰が一番スオミに愛されていたのか」とマウント合戦を展開する中、彼らの思い出の中のスオミがまるで別人であることが浮かび上がっていく。
そんな謎めいた役どころに挑んだ長澤だが、劇中ではスオミの母・時枝役も担っている。登場するのは中学時代のスオミのエピソードで、三谷監督は“普通にやっても面白くない”ことからある仕掛けを仕込んだ。公式Xでは「CGで合成するのだが、普通にやっても面白くないので、母親の方がスオミよりも一回り小さいという設定にしてみた。VFXスーパーバイザーの田中貴志さんと撮影監督の山本英夫さんが、色々と撮り方を工夫してくれる。僕はアイデアを出すだけで後はお任せ。なんだか申し訳ない気分だが、きっと面白いシーンになると思います」とその裏側に触れている。本シーンは、帝京大学八王子キャンパスで撮影された。
三谷監督は2023年12月に行われた東宝ラインナップ発表会で「長澤さんの一番すてきな部分、コメディエンヌとしての輝きも含めて、今現在の長澤さんの魅力をすべておさめたかったというのが僕のひとつの目標でもありました」と話していたが、その言葉通り本作では長澤の魅力が爆発。5人の夫がスオミに抱くイメージがそれぞれ全く異なるという設定もあり、夫たちの回想シーンではスオミが対峙する相手によって姿を変えて登場する。シックなチャイナドレス、ボディコンシャスなパンツスタイル、ガーリーなワンピース、コンサバティブなできる女風、ラフなジャージ姿、サバゲースタイル、三つ編み&セーラ服など、アッと驚く“七変化”で魅了する。(編集部・石井百合子)