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「MIU404」「アンナチュラル」続編の可能性は?『ラストマイル』で拡大、シェアード・ユニバースのこれから

『ラストマイル』連続爆破事件の解決に奔走する舟渡エレナ(満島ひかり)&梨本孔(岡田将生)コンビ
『ラストマイル』連続爆破事件の解決に奔走する舟渡エレナ(満島ひかり)&梨本孔(岡田将生)コンビ - (C)2024 映画「ラストマイル」製作委員会

 ドラマ「アンナチュラル」(2018)、「MIU404」(2020)と同じ世界線で描かれる(シェアード・ユニバース)完全オリジナル映画『ラストマイル』が8月23日より全国公開。本作で、脚本家・野木亜紀子と再びタッグを組んだ塚原あゆ子監督が、ファン待望のビッグプロジェクト実現の経緯と、シェアード・ユニバースの行く先について語った。

「アンナチュラル」「MIU404」キャストがわちゃわちゃ!『ラストマイル』プレミア【画像】

みんなに会いたかった

初動捜査のプロ、4機捜の志摩(星野源)&伊吹(綾野剛)コンビも登場(C)2024 映画「ラストマイル」製作委員会

 ブラックフライデーセールが始まる前日、世界規模のショッピングサイト「DAILY FAST(デリファス)」の配送物が爆発する連続爆破事件が発生。デリファスの関東センター長・舟渡エレナ(満島ひかり)と、チームマネージャー・梨本孔(岡田将生)が事態の収拾にあたるなか、死因究明のスペシャリスト「不自然死究明研究所(UDIラボ)」や初動捜査専門の「警視庁刑事部・第4機動捜査隊(4機捜)」の面々は、それぞれの分野で事件解決に奔走する。

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 「MIU404」「アンナチュラル」のキャラクターが登場することが明かされると、ミコト(石原さとみ)や伊吹(綾野剛)&志摩(星野源)コンビとの再会を待ち望んでいたファンから歓喜の声があがった『ラストマイル』。「もちろん、初めからシェアード・ユニバース映画にしようと考えていたわけではないんです」という塚原監督が本作を手掛けることになったきっかけは、野木からの「あなた、映画やりなさいよ」という言葉だった。

 「そのころ、私も『コーヒーが冷めないうちに』(2018)で映画を撮ってはいたんですが、野木さんから『もっとやってみなさいよ。(脚本は)私が書くから』という言葉をいただいて。自分としては『えーっ』という感じでしたが、そこからどんな映画をやる? と話が転がっていったんです」

 しかし、ヒットメーカーでもある塚原監督と野木のコンビであっても、オリジナル映画の企画を通すのは至難の業。塚原監督は「そこで、私たちにしかできなくて、本当に観たいと思える作品を実現する時に、切れるカードはないかと考えた時に出てきたのが、(『MIU404』『アンナチュラル』の)みんなに会いたいなっていう本音でした」と振り返る。

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 「本当に彼らじゃないと描けないんだというものがない限り、中途半端な気持ちでパート2をやるわけにはいかないと思っているんです。それでも、みんなに会いたいという気持ちは持ち続けていた。そんな時に『ラストマイル』なら警察も出てくるし、爆破事件ならご遺体も出てくるので、みんな出てこられるでしょうとなった」

 続編を渇望するファンの声が絶えない両ドラマだけに、かつて生み出したキャラクターに助けられる形で『ラストマイル』の企画は大きく前進したと言えそうだ。「もちろん、最終的に企画が許可された理由は私たちにはわかりません。ただ、私と野木さん、(プロデューサーの)新井(順子)さんの3人でやる映画に対して前に進む力が働いたのは『MIU404』『アンナチュラル』のファンの皆さんに、ドラマをたくさん楽しんでいただいた結果。そうした全てを含めて、お祭り企画のようにみんなで楽しみたいなっていう思いもありました」

ゲストキャラも楽しんで

刈谷&毛利コンビの刑事ぶりも見どころ(C)2024 映画「ラストマイル」製作委員会

 あくまで物語の中心は、デリファスの本部。事件の謎を追いながら、社会の血管ともいえる流通網の維持に尽力するエレナたちのドラマでは、おなじみのメンバーが登場する際も、何より必然性が優先された。

 今回は「アンナチュラル」から西武蔵野署所属の毛利刑事(大倉孝二)、「MIU404」から警視庁捜査一課の刈谷刑事(酒向芳)がバディとなってメインキャラクターを務めるが、塚原監督は「連続爆破事件が起きて、主に動くのは捜査一課になるので、必然的に刈谷さんと案内役の毛利さんがメインキャラになりました。“機捜”はそういう体質の組織ではないので」と明かす。

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 「物語上に必要なキャラクターを召喚していく感じだったと思います。『アンナチュラル』のメンバーが出てきても、ミコトの家は登場しないから(弟の)秋彦は出ないとか。六郎くんも、ドラマから6年後と考えると、年齢的にまだUDIラボの職員にはなれなくて、東央医大の研修医という設定になっています」

 また本作には、「MIU404」で4機捜を相手に虚偽通報事件を起こした高校生、勝俣奏太(前田旺志郎)のように、過去のゲストキャラクターも登場。塚原監督は「勝俣くんのほかにも、ドラマのキャラクターが登場しています。ほかに誰が出るかは発表されていないので、“隠れミッキー”のように楽しんでもらえたら」と明かす。

みんなの人生を壊したくない

変わらぬUDIラボの面々の姿に続編も期待してしまう。(C)2024 映画「ラストマイル」製作委員会

 『ラストマイル』によってさらに拡大したシェアード・ユニバースの世界。変わらないミコト(石原さとみ)や伊吹(綾野剛)&志摩(星野源)コンビの姿に、どうしても続編を期待したくなるファンも多いはずだ。

 「パート2の可能性も含めて、時がくれば作りたいという思いはあります」と語る塚原監督だが、「ただ、無理に作ってしまうと前作を壊すことにもなりかねない。私にとって、今もみんなのことを好きでいてくださるファンの皆さんへの敬意を持つことが一番大事なことなので、それは絶対にしたくないんです」と複雑な胸中を明かす。

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 「ふとした時に伊吹と志摩はどうしているかな……なんてことも思ったりします。彼らとはそういう関係なので、『あの人たち、まだ元気かな』みたいな感じで、視聴者の皆さんと一緒にみんなの人生を覗けるタイミングがくればやりたいし、イザとなれば腹をくくってやると思いますが、そのタイミングを逃すと、やってはいけない方向性の続編になってしまうと思うんです」

 それでも塚原監督は、続編への扉は閉じたわけではないと語る。「ドラマを撮影している時は、約10話で完結するように必死でやっていましたからね。自分の中で扉は閉じたとも言えるし、それでも、彼らの人生は続いているとも言えるというか。難しいんです。ただ、私がもう一度参加させていただけるのであればいつでも。でも、扉を無理矢理こじ開けるようなことはしたくないので、作品を壊さないように実現できるベストな舞台がそろったら、それが映画でもドラマでも必ずやらせていただきたいと思います」(編集部・入倉功一)

映画『ラストマイル』は全国東宝系で公開中

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