『ジョーカー2』海外で賛否真っ二つ ベネチア映画祭で初披露
第81回ベネチア国際映画祭
ホアキン・フェニックス主演のDC映画『ジョーカー』の続編『ジョーカー:フォリ・ア・ドゥ』が現地時間4日、第81回ベネチア国際映画祭で世界初披露された。上映後に12分間に及ぶスタンディングオベーションが起こった本作。現地で作品を鑑賞した海外批評家やメディアの評価は、賛否両論となっている。
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腐敗したゴッサムで罪を犯した主人公・アーサーは、アーカム州立病院で裁判を待つ日々を送っていた。事件以降、理不尽な社会の代弁者として民衆に祭り上げられたジョーカーは、悪のカリスマとして絶大な人気を獲得しはじめ、ゴッサムではジョーカーに関するメディアの報道やジョーカー擁護派の動きが日々激化していく。
前作は、第76回ベネチア国際映画祭で最高賞となる金獅子賞を受賞。その年の米アカデミー賞では、ホアキンが主演男優賞を獲得するなど、彼の怪演が批評家からも高く評価された。続編では、新たにレディー・ガガが謎の女性“リー”役で加わり、両者の共演が早くも注目されている。
The Wrap のウィリアム・ビッビアーニ氏は、ホアキンのジョーカー再演について「素晴らしく才能があり、アーサー自身が理解していない新たな一面をもたらした」と高く評価し、「レディー・ガガともマッチしている。彼女のハーレイ・クインの解釈は、歴代のハーレイに逆行するものがある」と続けている。また、Deadlineのデッド・ハモンドは「素晴らしいミュージカルが再び狂気の世界へと誘う」と本作の重要要素となる音楽に注目し、「楽曲、ダンス、コメディー、暗黒、アニメーション、ドラマ、暴力など、これぞミュージカルだ。今までにないミュージカルだ」と評している。
一方で、続編に対して否定的な声もみられる。米大手 The Hollywood Reporter のデヴィッド・ルーニー氏は「2時間15分の映画にしては、ストーリーがやや薄く、時に退屈さも感じる。続編はストーリーの基盤がしっかりしているというより、むしろ思いつきで製作されている」とやや辛口な評価。IndieWireのデヴィッド・エーリッヒ氏は「『ジョーカー2』はわざと悪い映画として作られている気がする。ファンを怒らせ、それ以外を退屈させるために作られた生気のない煽り映画。レディー・ガガの無駄使いは、ジョーカーのいかなる犯罪よりもひどい」と厳しい言葉を並べている。
米大手映画批評サイト Rotten Tomatoes の批評家スコアは60パーセント(5日18時現在)となっており、前作の69パーセントをやや下回るスタート。前作のオーディエンススコアは89パーセントと高数字だったため、海外ファンの評価も気になるところ。北米では10月4日、日本は1週間後の10月11日に劇場公開される。(編集部・倉本拓弥)