三谷幸喜監督『スオミの話をしよう』興収30億視野の好スタート!「オリジナル作品が力を持つことが日本映画の底上げに」
三谷幸喜監督5年ぶりとなる新作映画『スオミの話をしよう』(公開中)が13日に全国公開され、TOHOシネマズ六本木ヒルズにて初日舞台あいさつが開催された。配給の東宝が30億円を狙える好スタートを切ったと発表すると、三谷監督は「この映画はオリジナル作品です。オリジナルの映画が力を持つことが日本映画の底上げになります」と力説した。舞台あいさつには主演の長澤まさみをはじめ、西島秀俊、松坂桃李、瀬戸康史、遠藤憲一、小林隆、坂東彌十郎、戸塚純貴、宮澤エマも登壇した。
本作は、三谷幸喜監督の映画『記憶にございません!』以来、5年ぶり9本目となるオリジナル長編映画。著名な詩人・寒川しずお(坂東彌十郎)の妻・スオミ(長澤まさみ)が行方不明になったことで、現夫である寒川の豪邸にスオミの4人の元夫たちが集結し、誰が彼女に最も愛されていたのか、マウント合戦を繰り広げる。
この日、全国372館で全国公開された本作は、15時までの動員と土日の座席予約数を考慮すると、興収30億円を狙えると配給の東宝は発表した。三谷監督は「最初の段階で『目指せ30億』というのがあったのですが、それが狙えるということはすごいことなんです」と客席に言葉を投げかけると「なぜかというと、この作品はオリジナルで、ベストセラー原作の映画化でもない。ドラマのスピンオフでもないし、皆さんお分かりだと思いますがアニメでもないんです」と発言し、会場を笑わせる。
さらに三谷監督は「できればもっと多くの人に観てもらいたい。オリジナルの映画が力を持つことが、多分日本映画を底上げしていくんだと思います」と力説し、「おじいちゃんおばあちゃん、家族でも楽しめる作品になっていると思います」ともアピール。
主演を務めた長澤も「今回の作品は、撮影をする前に1か月近くみんなで稽古を重ねたという、ほかではちょっとないような映画になっています。その稽古のなかで作ってきた関係性が、映画にたくさん詰まっています」とチームワークの良さを強調すると「まだわたし自身が客観的に映画を観ることができていないので、映画館に足を運ぼうと思っています」と大スクリーンで作品を観ることを誓っていた。(磯部正和)