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ゆりやんレトリィバァ「自分の殻を破ってくれた」ダンプ松本役 とことん嫌われる覚悟にリスペクト

ゆりやんレトリィバァ
ゆりやんレトリィバァ

 Netflixシリーズ「極悪女王」で、1980年代に日本を震撼させた悪役レスラー・ダンプ松本を演じているお笑い芸人のゆりやんレトリィバァ。劇中では、心優しい少女・松本香がダンプ松本に変化していくさまをリアルに演じた。ダンプを演じたことで多くの勇気をもらったというゆりやんが熱い胸の内を語った。

【動画】ゆりやんレトリィバァ、小道具も使って読者にメッセージ

45キロ減量からの40キロ増量、プロレスのトレーニング

「極悪女王」よりダンプ松本に変貌を遂げる前のゆりやんレトリィバァ

 1970年代に巻き起こった女子プロレスブームの火付け役となったビューティ・ペアに憧れ、プロレス界の扉を叩いた松本香が、クビ寸前だった状況を打破するために悪役を目指し、世間を震撼させるヒール・ダンプ松本へと転身していく姿を描いた本作。

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 ゆりやんは、マネージャーに「何かいいことありましたか?」と聞くのが日課だったという。ある日、同じことを電話で聞くと「白石和彌さんがNetflixで監督する『極悪女王』という作品の主役のオーディションの話があります」という答えが返ってきた。

 当時ゆりやんは約3年かけて45キロ減量をしてスリムになったことが話題になっていた。当然ダンプ松本を演じるためには、相当な増量と、プロレスラーになりきるためのトレーニングが必須になる。

 本作で40キロ増量したゆりやんは「正直体重を増やすと言っても、ただ食べるだけではダメで、筋トレとか栄養管理もしっかりやらないといけない。正直できるのかなって」と当初は大きな不安があったというが「世界で活躍したい」という思いを公言していたゆりやんにとって世界に配信される「Netflix作品」で主演という魅力は大きかった。

 「減量についてくださったトレーナーさんに相談したとき“一緒にやってみましょう”と声を掛けてくださったのが大きかった。その言葉に勇気づけられてオーディションを受けさせてもらったんです」

 オーディションでも「本当にチャレンジできるのか」ということは丁寧に説明を受けたというが、ゆりやんの意思は固かった。肉体改造は、クラッシュ・ギャルズ長与千種が立ち上げたプロレス団体「Marvelous」(マーベラス)のプロレスラーたちが週3~4で立ち会いトレーニングを監修したという。「わたしは本当に何もできなかったので、最初はでんぐり返しから練習しました。同じレスラー役の子たちと、まさに合宿を行っているみたいに毎日練習しました。個人差があるので、自分が追いつけなくて涙を流したこともありました」

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「リバウンドちゃうねん!見とけよ!(笑)」

ダンプ松本に変貌後のゆりやんレトリィバァ

 過酷ながらも仲間と練習に取り組む時間は、青春を謳歌しているような日々だったという。一方でジレンマもあった。芸人として人前に出ることで、減量した体重が日に日に増えていくことに対して、厳しい意見が寄せられたことだ。

 「作品に入っていることは公表できないじゃないですか。徐々に体重が増えていくと“なんだよ、結局リバウンドかよ”なんてめっちゃ言われました。そのときは“アホ! リバウンドちゃうねん! 見とけよ2024年9月、びっくりすることになるから”と心の中で思っていました」

 しかし実はそんな思いは、ゆりやんにとっては本当に小さいことだったようで「毎日撮影現場が楽しくて、これまで体験できないようなことをずっと経験できていました。言葉にはしづらいのですが、ネガティブなことなんて全く考える時間もないぐらい充実していたんです」と当時を振り返る。

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ダンプ松本を演じて得た初めての経験

「極悪女王」配信直前イベントよりダンプ松本とゆりやんレトリィバァ

 ゆりやんと言えばコントなどで、違う人格の人間を面白おかしく演じることがあるが「コントのときは、怒りも悲しみも涙も喜びも全部誰かの真似をしている感覚があるのですが、ダンプさんに関しては演じているとか、真似しているのではなく、自分自身の内側から感情が湧き出る感じ。人生で初めての経験でした」と演じることを超えた感覚に陥った。

 またゆりやんは、芸人ということもあり、これまであまり内にある感情を人前で表現することがなかったという。「出さないというよりは、出し方が分からなかったという方が正しいのかもしれません」と語ると「でも『極悪女王』でダンプさんを演じたことで、自分の中の殻を割ってもらえたというか、すべてをさらけ出すことができた気がします」と変化を述べていた。

 「ダンプさんが生まれてきてくれて本当に嬉しかった」と語ったゆりやん。稀代のエンターテイナーとして日本中を震撼させたダンプ松本。そんな特別な存在を体感したことで、芸人として感じることも多かった。

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 「自分が輝くためにすべきこと……というのは理解できますが、人に嫌われる、怖く見せるということに向かっていくことには大きな葛藤があったと思うんです。そんななか、あそこまでヒールに徹して人を怖がらせるためにやり切るのには相当な覚悟があったと思うんです。それができたのはダンプさんだけだと思うし、フィールドは違いますが、本当に尊敬しかないです」

 ダンプ松本が生まれたのは1960年11月11日。ゆりやんは1990年11月1日生まれ。ゆりやんは「生まれた日の数字の並びもすごく近くないですか? 子供のころのお写真も見せていただいたのですが、めっちゃわたしと似ているんです」と笑うと「練習を見学に来てくださったときも“ゆりやんだけにあげる”ってお団子とかTシャツとか漫画をくれて……本当に大好きです”とラブコール。

 撮影を終え、現在は32キロ減量したというゆりやん。先ごろハリウッドスターを目指して渡米することも発表されたが、ゆりやんにとってダンプ松本は「背中を押してもらえるどころか、背中を突き破って前に進めてくれるぐらい大きい存在」だとリスペクトを口にしていた。(取材・文・撮影:磯部正和)

Netflixシリーズ「極悪女王」は9月19日世界独占配信

Netflix「極悪女王」ゆりやんレトリィバァインタビュー 衝撃の髪切りデスマッチ!撮影の裏話が盛りだくさん! » 動画の詳細
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