「光る君へ」まひろの“スンッ”となる娘・賢子を演じるのは?
29日放送の吉高由里子が紫式部(まひろ)役で主演を務める大河ドラマ「光る君へ」(NHK総合・日曜午後8時~ほか)第37回で、まひろの娘・賢子を演じた梨里花。母の愛情に飢え、寂しさや怒りを爆発させる熱演で注目を浴びた梨里花のキャリアを振り返ってみた(※一部ネタバレあり)。
第37回「波紋」から、子役の福元愛悠からバトンタッチするかたちで10歳の賢子役を担った梨里花。第37回ではまひろが土御門から里帰り。父・為時(岸谷五朗)や従者の乙丸(矢部太郎)、乳母いと(信川清順)は、絹や米、菓子などどっさり土産を持参したまひろとの久々の再会を喜んでいたものの、すっかり宮中での暮らしに染まっていたまひろは酒に酔った勢いで延々と自慢話。「中宮様のご出産に立ち会えるなんてこれまでで一番胸が熱くなったわ~」と浮かれるまひろを、為時は「もうよい、それくらいにしておけ」と制止し、惟規(高杉真宙)も飲み過ぎだとハラハラ。気まずい空気が流れた。
そんなまひろに「酷すぎでは…」「この酔っぱらい方はやばいよ」「空気が読めてない」「気まずい」「まひろと実家の温度差やばい」「まひろ、みんなドン引き!」「まひろ、大概に」と視聴者からツッコミが相次ぐ一方、賢子との険悪な関係に、朝ドラ「虎に翼」で初期の寅子(伊藤沙莉)と娘の優未(竹澤咲子)を重ねる声も。また、まひろへの不満を呑み込むかのように表情を硬くする賢子に「賢子がスンッとなってしまった」と「虎に翼」で度々登場した擬態語「スンッ」(本音を隠し、すましたニュアンス)を用いる声もあった。
しかし、そんな賢子の我慢も限界に。まひろが再び土御門に戻ることを告げられると「いったい何しに帰ってこられたんですか。内裏や土御門での暮らしを自慢するため? いとや乙丸も変な顔をしていました」と激怒。「母上はここよりあちらにいる方が楽しいのでしょう?」「嘘つき! 母上なんか大嫌い!」と不満をぶつけ、母子の溝は決定的なものに。「母上が嫡妻ではなかったからわたしはこんなに貧しい家でくらさなければならないのでしょう」と言ってはいけない言葉も出てしまった賢子だが、「そうなるわな」「すれ違い…」「これは切ない…」「寂しいんだよね」「ほんとは甘えたいんだろうな」「反抗期かな」と同情が集まった。
為時いわく、まひろが不在の時は「書物が友」だったという孤独な賢子の胸の内を迫真の演技で演じて見せた梨里花は、現在14歳。2023年から女子中学生雑誌「ニコラ」専属モデルとして活躍中。2歳のときから子役として活躍し、近年ではドラマ「六本木クラス」(2022・緒形直人演じる元刑事の娘役)や今年1月期に放送された「院内警察」(HLHS(左心低形成症候群)を患う少女役)などに出演。2023年放送のフジテレビ深夜ドラマ「もう一度パパと呼ばれる日」ではEXILE NAOTO演じる主人公の娘役に抜擢。2022年の朝ドラ「ちむどんどん」ではヒロイン(黒島結菜)の親友・前田早苗(高田夏帆)の幼少期を演じた。大河ドラマへの出演は2021年放送の「青天を衝け」(茂姫役)以来2度目となる。
賢子は、表向きはまひろと亡き藤原宣孝(佐々木蔵之介)の娘ということになっているが、実の父は道長(柄本佑)。成長した賢子を、南沙良が演じる。(編集部・石井百合子)