コッポラ監督の新作『メガロポリス』が大コケ…168億円の私財を投じるも興収6億円弱しか上げられず
全米ボックスオフィス考
先週末(9月27日~9月29日)の全米ボックスオフィスランキングが発表され、フランシス・フォード・コッポラ監督が1億2,000万ドル(約168億円)の私財をなげうって作り上げた新作映画『メガロポリス(原題) / Megalopolis』が興行収入400万7,797ドル(約5億6,000万円)しか上げられず、6位デビューとなった。(数字は Box Office Mojo 調べ、1ドル140円計算)
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コッポラ監督が構想40年を経て完成させた『メガロポリス(原題)』は、近未来のアメリカが舞台の哲学的なSFローマ叙事詩。自由に形を変える新たな建築素材を使い、ユートピアを作ることを目指す建築家シーザー(アダム・ドライヴァー)の姿を追う。5月に第77回カンヌ国際映画祭でお披露目となったが商業的な成功は難しそうだと配給会社を尻込みさせ、本国アメリカでの公開がなかなか決まらなかったことも話題となった。
結果、大コケとなってしまったが、カンヌ映画祭の公式会見でコッポラ監督は「お金は重要ではない」「普通、人は死ぬ前に『あれをやっておけばよかった。これをやっておけばよかった』と思うものだろうが、わたしが死ぬ時は『わたしは自分が作りたいと思った映画を全て作った』と自分がやったことを考えるのに忙しすぎて、死んだことにも気づかないだろうよ」と巨額の私財の投入に後悔はないと語っていた。シネマスコア社による出口調査に基づく観客評価は「D+」と低く、映画館上映での巻き返しは厳しそうだが、後にカルト化する可能性はなくはないだろう。
このほか初登場組では、批評家及び観客から圧倒的な支持を得ているドリームワークス・アニメーションの『野生の島のロズ』が興収3,579万150ドル(約50億円)で1位、インドのアクション『デバラ・パート1(原題) / Devara Part 1』が興収560万ドル(約7億8,000万円)で4位、再上映の宮崎駿監督作『ハウルの動く城』が興収210万9,935ドル(約3億円)で10位だった。『デバラ・パート1(原題)』はテルグ語で3時間弱という長尺、さらには『メガロポリス(原題)』の半分程度の公開規模だったが、『メガロポリス(原題)』を上回った。(編集部・市川遥)
9月27日~9月29日の全米ボックスオフィスラキングは以下の通り。()は先週の順位。
1(初)『野生の島のロズ』
2(1)『ビートルジュース ビートルジュース』
3(2)『トランスフォーマー/ONE』
4(初)『デバラ・パート1(原題) / Devara Part 1』
5(3)『スピーク・ノー・イーブル 異常な家族』
6(初)『メガロポリス(原題) / Megalopolis』
7(5)『デッドプール&ウルヴァリン』
8(4)『ネバー・レット・ゴー(原題) / Never Let Go』
9(19)『マイ・オールド・アス(原題) / My Old Ass』
10(初・再上映)『ハウルの動く城』