「おむすび」書道部・風見役の松本怜生、挫折しそうに…半紙400枚で自主練を繰り返す
放送中のNHK連続テレビ小説「おむすび」(総合・月~土、午前8時~ほか)で、主人公・米田結(橋本環奈)が憧れる書道部の先輩で、書道の腕は全国トップレベルの風見亮介を演じている松本怜生。朝ドラ初出演の松本が、小学生以来の書道で上手く書けずに挫折しそうになったという役づくり秘話や、「一発勝負だった」という第8回(9日放送)の横断幕に字を書くシーンの舞台裏を明かした。
朝ドラ・111作目の「おむすび」は、平成時代のギャルが栄養士となり、現代人が抱える問題を食の知識と“コミュ力”で解決しながら、縁や人をむすんでいくオリジナル作品。福岡・神戸・大阪を舞台に、平成から令和の荒波をたくましく突き進むヒロインを、NHKドラマ初出演となる橋本が演じる。脚本を手掛けるのはドラマ「正直不動産」「ハコヅメ~たたかう!交番女子~」などの根本ノンジで、主題歌はB'zの「イルミネーション」。語りはリリー・フランキーが担当している。
松本が演じる風見は、結(橋本)が所属する書道部の先輩で、結にとって憧れの存在。書道のイメージを一新するような書家を志しているというキャラクターだ。(清水一)
Q:出演が決まったときの気持ち
もちろん、どの作品においても、出演させていただけることは本当にありがたいことですが、やっぱり朝ドラは、他の作品とは違う思い入れがあるなと思いました。特に、今のようにスマートフォンがない時代から、朝起きて、学校に行く前にテレビで朝ドラが放送されているというのは、自分にとっては、日常の当たり前の風景の一つだったので、出演が決まってやっぱり嬉しかったです。でも、朝ドラだからと特に意識するのではなく、ここまでの撮影も、求められていることに一心に食らいついたという感じです。
Q:演じる役・風見亮介について
結が憧れる書道部の先輩で、書道の腕は全国トップレベル。そこに付け加えるとすれば、優しくて、余裕があって、そして格好いい。
風見は凄く余裕があって優しい性格の持ち主ですが、ちょっと格好いい台詞が多い役柄なんです。言い方を間違えるとポエムっぽく聞こえるというか、ナルシストっぽく聞こえちゃうかも…みたいな(笑)。「風見だから、言っていても普通だよね!」と聞こえるように、上手い塩梅で台詞を発すること、そのときの表情や声は研究しました。いかに自然にこの台詞を言えるかを考え、少しキザに思える台詞でも天然っぽく見えたり、「風見だから」と思ってもらえるように、プロデューサーさんにも相談しながら頑張りました。
書道部のエースという役柄ですが、書道は小学生のとき以来でした。久々に練習させてもらいましたが、本当に上手く書けなくて挫折しそうになりました。今回、書道指導の先生がついてくださって、日帰りで大阪まで練習に来ていました。それで納得できるものができなくても、大阪で連日練習させてもらうわけにいかないので、持ち帰ってやるしかありません。習字セットを買って、半紙も400枚くらい買いました。先生にいろいろ聞いてはメモをして、家に持ち帰って練習して…の繰り返しでした。全国トップレベルという設定なので、そこは一番頑張りました。
Q:第8回の横断幕に字を書くシーンについて
一番大変でした。経験させてもらえたことが、もう本当に貴重だなと思うくらい。実際に書道をしている方の中でも、なかなか経験したことがないんじゃないかと思うようなことをさせていただいたので、自分でもよくやったなと思います。
練習で初めて横断幕に「一致団結」と書いた時は、後半につれて足が震えてしまい、これは練習しなければいけないと思いました。大筆は家では実際に書きようがないので、形や足の運び方を家で何度もエアーで練習しましたね。
本番当日は一発勝負だったので、とても新鮮でした。緊張はせず、「何とかなる!」と思ってやりました。本当にあれに限っては、いくら練習しようが上手く書ける時と書けない時があるというような確率だったので、緊張していられなかったというほうが正しいです。当日はたくさん人がいたんですけど視界に入らず、もう白い布しか目に入りませんでした。
本番当日に出来上がった横断幕が、一番上手く書けたんですよ。それができたのは、先生がいろいろと教えてくださって、最後に良いコンディションで本番を迎えられたことが、大きかったのかなと思っています。
Q:視聴者へのメッセージと見どころ
自分が好きなことに対して真っすぐに、正直に、大切に生きる。それがモットーの作品だと思います。それを象徴するのが“ギャル”だと思っていて、ギャルの自分らしさだったりポジティブなところだったり、自分の「好き」に向かっていく姿が、朝から視聴者の方々に、勇気や前向きな気持ちを与えるような作品だと思っているので、そういうところを感じてもらえたら嬉しいです。