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『室井慎次』“眉間のシワ”ビジュアル誕生秘話 宣P語る

眉間のドアップ!
眉間のドアップ! - (c)2024 フジテレビジョン ビーエスフジ 東宝

 社会現象を巻き起こした大ヒット作『踊る大捜査線』の人気キャラクター、柳葉敏郎ふんする室井慎次といえば、“眉間のシワ”を思い浮かべる人も多いのではないだろうか。今回、12年ぶりに再始動する「踊るプロジェクト」の最新映画『室井慎次 敗れざる者』(公開中)のポスタービジュアルは、まさにこの“眉間のシワ”を大きくフィーチャーした大胆なデザインとなっているが、このユニークなビジュアルはどうやって誕生したのか? その背景について調べてみた。

柳葉敏郎本人の眉間【インタビューカット集】

 一般的に日本の映画作品は製作委員会の幹事会社(テレビ局だったり、映画会社だったり、その他会社だったりと作品によってケースバイケース)が主導し、タッグを組む各企業と協力しあいながら宣伝活動を行うのが一般的。今回の「踊るプロジェクト」最新作『室井慎次 敗れざる者』『室井慎次 生き続ける者』の場合、『踊る大捜査線』シリーズの生みの親である、亀山千広プロデューサー(現在は株式会社BSフジ代表取締役社長)が配給の東宝などと連携しながら宣伝活動を行っている。本作の宣伝プロデューサーを務める東宝の江上智彦氏は「やはり亀山プロデューサーといえば数々の作品を大ヒットさせてきたレジェンドの方なので。東宝サイドとしても、最初は亀山さんとどうやってやり取りするのか、手探りなところもありましたが、いざプロジェクトが動き始めたら、他の作品と変わらず、例えば20代のプロデューサーとやり取りをするのと同じような感じで。亀山さんともいろいろな意見を出し合いながら、やり取りをさせていただきました」と振り返る。

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 ポスタービジュアルに関しては、3回に分けてリリースされる。アートデザインは、これまでの『踊る』シリーズを全作品手掛けたデザイナーが担当したということで、シリーズを通じての世界観・デザインの統一感を感じさせる。

室井慎次

 『室井慎次 敗れざる者』第一弾ビジュアルは『踊る』シリーズではお馴染みの、照準をイメージしたスコープマークのビジュアルで展開。それまでのシリーズの流れにある作品である、ということを強く印象づけている。それと同時に、2部作の後編となる『室井慎次 生き続ける者』は白を基調に、そして前編の『敗れざる者』は黒を基調としたデザインにすることで、本作が2部作であることなども打ち出した。

 そして続く第二弾ビジュアルが室井慎次のトレードマークである“眉間のシワ”をフィーチャーしたデザインとなる。当初はクリント・イーストウッド作品のような、モノクロで渋いタッチのビジュアル展開はどうか、という案もあったというが、亀山プロデューサーの「『踊る』らしいポップで楽しいコメディー感は出したい」という提案もあり、第2弾ビジュアルはコミカルな方向でいくことを意識したという。

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 そこで宣伝プロデューサーの江上氏がデザイナーと相談していく中で、室井のトレードマークであるオールバックと眉間のシワをフィーチャーするのはどうか、という案が浮かび上がった。前作の映画『踊る FINAL』から12年という歳月を経て、当然ながら室井も年齢を重ね、白髪もうっすらと混じり始めている。彼自身、警察を辞め、故郷・秋田県で養子を引き取り、彼らとともにのどかな生活を送っているといった変化もあった。そんな男の時間の流れを雄弁に表すのは、まさに室井の“眉間のシワ”であろうということで、思い切って“眉間のシワ”をどアップで見せるビジュアル案を思いつく。なおかつ、地面からニョキニョキ、と室井が浮かび上がるようなこのビジュアルはどことなくユーモラスでもあり、まさにポップで楽しい、という宣伝プランにも合致する。亀山プロデューサーからも「おもしろい」と賛同を得て、このビジュアルでいくことになった。

 だが顔の一部だけしか見せない、という遊び心あふれるデザインを俳優サイドがすんなりと許可を出すものだろうか。そこで柳葉の事務所に実際に企画を提案したところ「皆さんが真剣に考えていただいたものですから、お任せします」という返答が。すんなりとオッケーを出したというのも、やはり柳葉サイドの『踊る』シリーズへの全幅の信頼感、というものもあったからだろう。

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 そうした流れで決まった“眉間のシワ”のポスタービジュアルだが、それをチラシサイズにすると、ちょうど顔の部分が等身大サイズとなっている。室井と秋田で一緒に暮らす少年、森貴仁を演じた齋藤潤もX上で「映画『室井慎次』宣伝チームの皆様よりチラシを使用した正しい写真撮影の仕方を教えていただきました」というコメントとともに、おでこのあたりにチラシをかざして、室井慎次になりきった姿を投稿していたが、「これは本来ポスターとして考えましたから、チラシサイズにしたらたまたまサイズがピッタリだったということ。本当は狙い通りですと言いたいところなのですが、これはたまたまです(笑)」(江上プロデューサー)

 今後も映画館に設置されている室井さんの名言集付きの顔ハメパネルや、今後も、室井さんの目にフィーチャーしたアイマスクやユニークなスマホスタンドなど、『踊る』ならではの遊び心あふれるグッズ展開も行われる。(取材・文:壬生智裕)

『室井慎次 敗れざる者』10月11日(金)全国公開
『室井慎次 生き続ける者』11月15日(金)全国公開

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