「光る君へ」惟規が涙を誘った3つのこと 急転直下の悲劇に激震…
吉高由里子が紫式部(まひろ)役で主演を務める大河ドラマ「光る君へ」(NHK総合・日曜午後8時~ほか)の13日放送・第39回は、高杉真宙演じる藤原惟規をメインにしたエピソードが展開。乳母のいと(信川清順)が「上向いてまいりましたよ。ご運が……」とうれし涙を流したのち、急転直下の悲劇に衝撃が走った(※ネタバレあり)。
~以下、第39回のネタバレを含みます~
ネクラで気難しい性格ゆえにこじらせる姉のまひろ、真面目過ぎるゆえにソンをしがちな父・為時(岸谷五朗)、そして母まひろとの仲が険悪な姪の賢子……KYながらも家族思いで、視聴者の間でも屈指の「癒やしキャラ」として愛されていた惟規。前回の次回予告で為時の「惟規ぃぃぃ」という慟哭が聞こえたため、ついに“その時”が訪れるのかと沈痛な悲鳴が上がっていたが、第39回「とだえぬ絆」では惟規が越後守に任ぜられた父を見送るために越後に向かう道中で病に倒れ、あっけなく逝ってしまった。
視聴者の涙を誘ったのは、主に三つのこと。本人いわく「そんなにまじめに働いていたわけでもないのに」従五位下に大出世した惟規。その吉報を誰よりも喜んでいたのが乳母のいとで、惟規のために赤い束帯を用意していたと言い「いつかこういう日が来ると思って密かにご用意しておりました」と涙を流し、惟規と熱い抱擁を交わした。その矢先の悲劇だったため、惟規の訃報を受けて泣き崩れるいとにもらい泣きし、その胸中を慮る視聴者が続出。SNSは「無理…」「いやだー!」「これからという時に…」「突然すぎて」「あっけなさすぎる」「早すぎるよ」「さっきまで元気だったのに…」「フラグ回収早すぎる」「史実だから仕方がないけど辛すぎる」「もう惟規に会えなんて」「うそでしょ」と涙の感想であふれた。
二つ目は、惟規が為時に支えられながら息絶え絶えで詠んだ辞世の歌。それは「都にも恋しき人の多かればなほこのたびはいかむとぞ思ふ」(都にも恋しい人がたくさんいるゆえ何としても生きて帰りたい)という惟規の家族への思いが込められたものだった。最後の一文字を書けないまま力尽き、「辞世の句じゃん…やだよ…」「親より先に逝くつらさ…」と残された為時にも同情が寄せられた。
三つ目は、惟規が結んだ母娘の絆。賢子(南沙良)の裳着の儀ののち、惟規はかつてまひろが裳着を迎えた際には為時との仲が最悪だったことを思い返し、「賢子の母は姉上だけなのだから」「きっと……みんなうまくいくよ」とまひろを励ました。裳着の儀ではまひろには一切礼を言わず、「母上と同じ道を行きたくはございませぬ」とかたくなに宮仕えを拒んでいた賢子だったが、惟規を亡くし号泣する母を目にすると、その悲しみを推しはかるかのように抱き寄せ、惟規を悼んだ。
父・為時に賢子の実父が左大臣・道長(柄本佑)であることをサラリとばらしたり、道長に姉のことを託したりと視聴者が「次は何を言い出すのか」とヒヤヒヤしながらも、どこまでも家族思いだった惟規。“嫌な”予感はあったとはいえ、あまりにもあっけない最期にショックを受けるファンが続出し、その“ロス”は計り知れないものがある。(石川友里恵)