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タランティーノ監督、酷評された『ジョーカー2』を大絶賛「オタクにクソ食らえと言っている」

クエンティン・タランティーノ監督
クエンティン・タランティーノ監督 - Vittorio Zunino Celotto / Getty Images

 クエンティン・タランティーノ監督がポッドキャスト番組「The Bret Easton Ellis Podcast」に出演し、特にアメリカで酷評が多く、興行的失敗作のらく印を押された映画『ジョーカー:フォリ・ア・ドゥ』を大絶賛した。

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 前作『ジョーカー』(2019)はファンを熱狂させて社会現象化し、製作費5,500万ドル(約81億円)で世界興行収入10億7,895万8,629ドル(約1,618億円)を上げる特大ヒットを記録した。前作でオスカーに輝いたホアキン・フェニックスに加え、レディー・ガガも出演する続編の製作費は2億ドル(約300億円)に大幅アップしており、宣伝費を考慮に入れると興収4億5,000万ドル(約675億円)が赤字回避ライン。しかし、まもなく公開1か月となる現在までの世界興収は、2億137万5,139ドル(約302億円)にとどまっている。(数字は Box Office Mojo 調べ、1ドル150円計算)

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 実際にIMAXシアターに足を運んだというタランティーノ監督は「本当に、本当に、気に入った。本当に。すごく。つまり、めちゃくちゃ気に入った」と大絶賛。「(映画自体を楽しむというより)映画製作のやり方に感銘を受けることを期待して観に行ったんだ。知的エクササイズみたいな感じで、映画としては成立していないものなんじゃないかと思ったけど、その価値は認められると思ったから。それに僕はニヒリストだから、映画として成立しない映画やある程度までならめちゃくちゃな映画も楽しめる。だけど、この映画は知的エクササイズなんかじゃなかった。本当に夢中になってしまった。ミュージカルシーンが大好きだった。本当に夢中。それがよりありふれた楽曲な時、より良かった。『For Once in My Life』の歌詞を今までにない形で聴いている自分に気づいたよ」といい意味で期待を裏切られたと明かす。

 理由なく人を殺し続ける殺人鬼カップルの逃避行を描き物議を醸した、タランティーノ監督原案の『ナチュラル・ボーン・キラーズ』(1994)からの影響も見て取ったとのこと。「あれは僕が観たいと夢見た『ナチュラル・ボーン・キラーズ』だった。ミッキーとマロリー(『ナチュラル・ボーン・キラーズ』の殺人鬼カップル)を生み出した男として、彼らがやったことがすごく気に入った。彼が取った演出が大好きだ。つまり、映画全体がミッキー・ノックスの熱に浮かされた夢みたいな」とミュージカルである正当性を説明した。

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 「そして何よりも、本当に面白いと思った」というタランティーノ監督は、ガラガラのIMAXシアターで大笑いしたと明かす。「(他の客がほとんどいなかったから)笑い声で人を邪魔せず済んだよ。他の人は笑わないだろうなというところでも笑っていたから」。主演のホアキンの演技についても、「これまでの人生で観た中でもベストの一つ」とたたえた。

 さらに、監督・脚本のトッド・フィリップスの大胆さを称賛。「ジョーカーがこの映画を監督したんだ。コンセプト全体がそうだし、彼がああいう風にスタジオの金を使ったことさえも──まるでジョーカーがやりそうなことでしょ? そして彼がくれた大きなサプライズは、ハハ! びっくり箱だ。彼は握手のジェスチャーとして人々に手を差し出し、その手を取った人々はビリビリっと感電させられるわけだ。彼は、コミックオタクにクソ食らえと言っている。彼は、映画の観客にクソ食らえと言っている。彼は、ハリウッドにクソ食らえと言っている。彼は、DCとワーナー・ブラザースの株を持つ全員にクソ食らえと言っている」と語り、「トッド・フィリップスがジョーカーなのさ。これはジョーカーの映画であり、彼がジョーカーなのさ」と続けていた。(編集部・市川遥)

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