「相棒」右京が謎のキノコで昏倒、薫は“わんこ”化…新たな強烈エピソード誕生【ネタバレあり】
6日に放送されたドラマ「相棒season23」(テレビ朝日系・毎週水曜よる9時~)の第4話「2つの顔」では、謎のキノコを巡るシリアスな物語の中で、特命係の杉下右京(水谷豊)がキノコで昏倒し、亀山薫(寺脇康文)たちがキノコの名前の言いづらさで混乱するさまがコミカルに描かれた。SNSでは「お笑い寄りになってたけど、笑える相棒も大好きです」「ギャグテイスト強めで面白かったな」といった反響が寄せられたほか、薫がキノコの名前を言い間違えた「ピスタチオ」が一時トレンドにあがっていた。(以下、第4話の内容に触れています)
【画像】右京さん、キノコの毒でバッドトリップ…“笑撃”の第4話
廃ビルで、複数の前科を持つ加納達夫(山口馬木也)と、管理をしていた高齢男性・沖田の死体が発見された。沖田は心不全とされたが、加納は絞殺。捜査一課は仲間割れや口封じの線で捜査をはじめるが、右京は加納の背中に生えていた見慣れない光るキノコが気になる。
キノコ仙人と呼ばれる専門家の大学教授・漆原誠一(斉藤洋一郎)によると、そのキノコは南米で発見された、門外不出の幻のキノコ「ペスタロチオプシス・トニトルス」。同じく研究者の教授・信岡利三(久保酎吉)によれば、プラスチックを分解して土に還す能力があるかもしれないキノコで、その技術は莫大な利益を生み出すという。
加納は、環境保護団体代表の肩書を持ち、漆原や信岡とも面識があった。会社のアルバイト・相場ユウ(中尾暢樹)は、加納は環境保護を騙って金持ちから金を引き出す悪人で、3か月前にアマゾンに出かけており、そこでキノコを獲ってきたのかもしれないと証言した。
その言葉通り、加納はペスタロチオプシス・トニトルスを密漁しており、漆原と信岡の両方に売ろうと話を持ち掛けていた。2人はライバル関係で、ともに国の科学研究費助成事業にエントリーしており、援助金10億円をめぐって対立している。2人のどちらかが殺したのか?
だが、右京は重大なことに気づき、鑑識に保管してあるペスタロチオプシス・トニトルスを確認した直後、昏倒してしまった。薫の必死の呼びかけで目をさました右京は、自身が毒を受けたことで事件の真相にたどり着く。実はこのキノコ、空気中にも微量に存在するプラスチックに反応して、検出できない毒の胞子を出し、人を死に至らしめる力があった。沖田の死因は心不全ではなく、現場で加納が格闘の末に割ってしまったペスタロチオプシス・トニトルスの毒によるもの。「トニトルス」は現地の言葉で「雷」の意味だった。
右京と薫はそれらを相場に説明していた。彼の正体は、ペスタロチオプシス・トニトルスを生物兵器に利用しようとしているエルドビア共和国の工作員で、加納に買い取りの申し出を断られたため、格闘の末に彼を絞殺し、キノコを奪った犯人だった。なお、エルドビアは「相棒」おなじみの南米にあるとされる架空の国で、映画1作目『相棒-劇場版- 絶体絶命!42.195km 東京ビッグシティマラソン』で初出。「科捜研の女」にも登場したことがある。
半グレかと思われた加納は、兵器利用について「そんなこと、未来の地球が許さない」と断り、別れた子どもに「せめてまともな地球を残したい」という思いで環境保護団体を立ち上げたのだという。キノコを違法に入手しようとした研究者たちといい、ペスタロチオプシス・トニトルスの効能といい、「まさに2つの顔だ」「タイトルの意味が深いな」という声が多くあがっていた。
また、何より2面性が感じられたのは、そんなシリアスな展開の中で繰り広げられるコミカルなやりとり。右京がキノコの確認をさせてほしいと鑑識の益子(桑栄/田中隆三)を何度も拝み倒す姿は「珍しい!」「手を合わせる右京さんの図W」と話題になった。さらに、こてまり(森口瑤子)に料理上手とおだてられてまんざらでもない薫の妻・美和子(鈴木砂羽)に、「不吉な予感しかしない……」というツッコミも見られた。
キノコの名前に関するやりとりの数々は、今回のクスッとポイントだ。薫は「ピスタチオ」、伊丹(憲一/川原和久)は「ペドロアンドカプリシャス」と言い間違え、 内村(完爾/片桐竜次)刑事部長と中園(照生/小野了)参事官、捜査一課の芹沢(慶二/山中崇史)や出雲(麗音/篠原ゆき子)はこぞって「早口言葉みたいなキノコ」としか言わない。
さらに、ピスタチオと連呼する薫に「引っ張られそう」「子どもですか」と耳を押さえる右京の様子は楽しい。ラストシーン、思わず「ピスタチ……」と言いかけ、言った言わないの攻防戦の末に、再度「子供ですか!」とツッコむ右京。懲りずにピスタチオを連呼する薫に「亀山くん、ハウス!」と右京は言い、薫は「わん!」と素直に返す。そんなところまで阿吽の呼吸の2人を、「完全わんこの薫ちゃん笑」「愛しいぞ」「相変わらずの特命係」とファンは温かく見守っていた。
次回は、右京が大好きなのに霊感がなくて見られないと言い張っている幽霊がらみ。「感無し右京さんと感あり亀ちゃんどうなるか楽しみ~~~!」「来週も楽しそう。ユニークな回が続くなぁ」とあるが、13日は放送休止。きっと楽しいだろう幽霊城での特命係の冒険は、20日まで心待ちにしていよう。(文・早川あゆみ)