仲野太賀、池松壮亮が明かす監督からの厚い信頼「太賀が来ると和む」
俳優の仲野太賀が20日、都内で行われた映画『本心』の公開記念舞台あいさつに主演の池松壮亮、三吉彩花と共に登壇。池松から、当初予定されていた役が撮影前に変更されたことが明かされた。
【動画】仲野太賀のウソがヤバすぎる?映画『本心』舞台あいさつ
石井裕也監督がメガホンをとった本作は、作家・平野啓一郎の同名小説を実写化したミステリードラマ。自らの意思で死を選んだ母・石川秋子(田中裕子)の気持ちを知りたいと願う石川朔也(池松壮亮)が、母親をAIでよみがえらせる。
10代の頃から交流があるという池松と仲野は、2026年放送予定のNHK大河ドラマ「豊臣兄弟!」で豊臣秀吉(池松)・秀長(仲野)兄弟役で共演することが決まっている。『本心』では、朔也や三好彩花(三吉)に興味を抱くアバターデザイナー・イフィーを演じており、池松は「ばっちばちでしたね。“豊臣兄弟”で三好さんを取り合うみたいなことですから」とつぶやくが、仲野は「う~ん全然違います……。基本的には穏やかな感じでした」と池松のジョークをバラして会場の笑いを誘った。
本当の話に戻ると、池松は「太賀は石井組(の常連)だし、太賀が来ると和むでしょ。あの日が一番楽しかった。みんな明るかった」と仲野が参加した2日間の撮影を回顧。また、水上恒司演じる朔也の幼なじみ・岸谷役について、「水上くんが決まる前に、太賀は岸谷をやることになっていたじゃない。(その後)イフィーをどうするか……となったときに“困ったときの太賀”と石井さんの中でなっている。途中で役、変わったもんね」と知られざる秘話を打ち明ける。
仲野は「そうですね……。はっきりキャスティングされている感じじゃなかったじゃないですか。(全員の役が)決まっていたというより、(石井監督が)いろんなパターンを考えていらした」と説明し、「スケジュールを本押さえされない、台本も渡されないまま、どうやら(自分も)出るらしいという噂を壮亮くんから聞くみたいな」と裏話を披露。池松は「こっそり俺が(情報を)送ったもんね」と自白するが、「でも、オファーすることは決まってたのよ。やってくれることも石井さんの中で決まってたの」と自らフォローしていた。
「あんまりないキャスティングの経緯」と振り返る仲野は、「本当にわたしたち参加するの? というのがずっとありながら、ギリギリで決着した記憶がありました。だから、イフィーという役をやることに、かなり不安はありました。つかみどころのない役だし、朔也とのバランスというか、まったく違う人間(同士)だけど、通じるものが根底にあるような役は僕としては挑戦でした」と、紆余曲折あったものの、与えられた難役を演じ切り、充実した表情を見せていた。(錦怜那)