「光る君へ」隆家がカッコよすぎる!問題児から英雄へ、華麗なる変身に沸く
吉高由里子主演の大河ドラマ「光る君へ」(NHK総合・日曜午後8時~ほか)の1日放送・第46回では1019年(寛仁3年)に起こった歴史的事件「刀伊の入寇」が描かれ、竜星涼演じる大宰権帥・藤原隆家の勇姿が「かっこよすぎる」「まるで別人」と視聴者をくぎ付けにした。
第46回「刀伊の入寇」は、大宰府に赴いたまひろ(吉高)の周明(松下洸平)との20年ぶりの再会、そして異国の賊が九州を襲来した「刀伊の入寇」で采配を振るった隆家、2つのエピソードを軸に展開した。
初めてまひろと隆家が言葉を交わすことになった本エピソード。太閤・道長(柄本佑)にまひろを手厚くもてなすように言付かっていたという隆家は、政庁でまひろを歓待。もともと隆家がこの地にやってきたのは目の病を治すためで、周明の師匠である目の名医のおかげで無事に回復したという隆家は「目が治ってから違う世が見えてきた」「富なぞいらぬ。仲間がおれば」「ここは気取らずにいられる場所だ」と晴れやかな表情。武者の平為賢(神尾佑)によると「隆家さまはこの地の力ある者からの賂もお受け取りにならず、何事にも自らの財を用いられる身ぎれいなお方で、それを皆がお慕いし、懐いている」といい、人望も厚い様子。
気心の知れた様子の周明とまひろを隆家が「周明もすみにおけぬな」「お前も共に泊まるか?」とひやかすチャーミングな場面もあったが、夜の宴では思いやりあふれる一面も。「源氏物語」を書き終え、長年惹かれ合っていた道長にも別れを告げ、生きる気力を失っているまひろを詮索することなく「大宰府にいたいだけおれ。いくら夫がいた場所が見たいからといっておなごがこんなところまでやってくるのは何かわけがあるのであろう」と慮った。
かつて「長徳の変」で花山院(本郷奏多)の牛車に矢を放った“問題児”だった隆家の見違えるような姿に、SNSでは「隆家、生まれ変わっておる」「別人のよう」「めっちゃイキイキしてる」「なんと立派になって…」「貴族が超向いてなかったんだ」「とても伊周と兄弟とは思えない」と驚きや歓喜の声に沸いた。
そして、何と言っても「刀伊の入寇」での勇姿。本作で唯一の合戦シーンとなる同シーンでは髭もじゃルックでワイルドに変身した隆家が自ら出陣し、異国の賊に立ち向かう姿に「かっこよすぎる」「すっかり体育会系になってる」「完全に武将」「頼もしい」と魅了される視聴者が続出し、鏑矢で応戦する姿には「(矢を)今度こそ正しく使ってる」といった声も。
なお、隆家の武装について、風俗考証を担当する佐多芳彦は「刀伊の追討へ向かう藤原隆家、平為賢らが大鎧の下に着ているのは水干(すいかん)で、袴を長めにはき、脛当は付けていません。水干の丸い襟は、上級貴族の正装である束帯(そくたい)にも見られる朝廷の制服の特徴の一つであり、これはこの当時の武官たちの標準的なスタイルになります。また、平安時代中期にはまだ脛当はなかったと考えられるため、「光る君へ」では脛当は使用していません」と公式サイトのコラムで説明。また異国の賊が恐れおののいていた鏑矢に関しては「放つと先端付近に付けられた鏑(かぶら)という鳴器から音が鳴る矢の一種で、音声信号のやり取りによって、味方への連絡や合戦の合図などで使用されていました。刀伊の入寇に際しても鏑矢が放たれたのですが、その音響を初めて聞いた刀伊がこれに驚き、混乱したという逸話がありますので、武者たちには鏑矢を装備させています。ちなみに、鏑矢の先端に付いているYの字の金具は雁股(かりまた)といいます。また、敵への攻撃などに使用する通常の矢は、征矢(そや)といいます」と話している。(石川友里恵)