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堺雅人、8年ぶり映画主演!井川遥と35年越しのラブストーリー『平場の月』2025年秋公開

映画『平場の月』より
映画『平場の月』より - (C)2025 映画「平場の月」製作委員会

 堺雅人が8年ぶりに主演を務める映画『平場の月』が、2025年秋に公開されることが決定した。原作は、第32回山本周五郎賞を受賞し、第161回直木賞にノミネートされた朝倉かすみによる同名小説。様々な人生経験を積んだ中学時代の同級生同士が、中学生以来、35年振りに再会し、離れていた時を埋め心を通わせていくストーリーで、井川遥と共演する。

【画像】前作は高畑充希と新婚夫婦役だった堺雅人

 映画『DESTINY 鎌倉ものがたり』(2017)以来の映画主演となる堺が演じるのは、妻と別れ、地元に戻り印刷会社に再就職し、慎ましく、平穏に生活する、どこにでもいるような主人公・青砥健将。近年の強烈なキャラクターから一転、等身大の実年男性を演じる。

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 一方、井川は、その青砥が中学生時代に想いを寄せていた須藤葉子に。夫と死別し、今はパートで生計を立てているが、中学の時に感じた大人びた線の太さを残しつつも、どこか儚く、切なさを感じる女性を演じる。50歳にして初めて、自然に惹かれ合うようになった2人は、やがて未来のことも話すようになるのだが……。

 監督は、『花束みたいな恋をした』(2021)の土井裕泰。脚本を『ある男』(2022)の向井康介が担当し、原作では断片的な回想として描かれていた中学時代の初恋の記憶を、映画では掘り下げ、35年越しのラブストーリーを繊細に綴る。

 堺は、本作について「オファーをいただき、原作を読みましたが、原作小説の世界が素晴らしく、豊かなので、ぐいぐいと引き込まれ、何度も何度も読み返しました」と絶賛。大学の演劇研究会の先輩にあたるという土井監督について「ずっとご一緒したかったので、今回念願叶ってとなります」と喜びを明かした。

 対する土井監督も「堺さんは、原作や台本もボロボロになるまで読み込んで、情報をすべて取り込んでいるが、最後は削ぎ落して、そのまま立っている感じがします。現場で堺さんのお芝居を見て、青砥ってこういう人なんだと教えられるような、青砥をわかっていくことが多いです。青砥という人が堺さんの中にあると思いますが、こちらの要求にも柔軟に対応してくれ、堺さんと役を作っていくのが本当に楽しいです」と相思相愛ぶりを見せた。(高橋理久)

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堺、井川、朝倉(原作者)のコメント全文は以下の通り。

堺雅人(青砥健将 役)

青砥役のオファーをいただき、原作を読みましたが、原作小説の世界が素晴らしく、豊かなので、ぐいぐいと引き込まれ、何度も何度も読み返しました。今回、原作に登場する場所で撮影し、いち原作ファンとしては聖地巡りのような、本当に夢のような日々が始まったなと感じています。
僕が演じる青砥は井川さん演じる須藤あっての青砥だと思っています。撮影が始まり、役としての井川さんと出会って、須藤の横にずっといたいなという気持ちが強くなりました。また、土井監督は大学の演劇研究会の先輩にあたり、ずっとご一緒したかったので、今回念願叶ってとなります。土井監督は物腰が柔らかく、丁寧に説明してくださり、役者が伸び伸びと動けるようにしてくださる印象です。これから撮影が続きますので、監督のおっしゃった通りに動きたいと思っています。

井川遥(須藤葉子 役)

須藤は青砥と再会したことによって、そこから慎ましやかだけれども気持ちが少しずつ膨らんでいく。この2人を応援したくなりました。私自身、この年齢になったからこそわかる気持ちが原作の中に溢れていて、温かさや切なさも同時にあるこの本を愛おしく感じました。
今回、私が演じる須藤は自分の弱さを見せまい、寄り掛かることをよしとしない覚悟を持って生きている人です。須藤の芯の強さ、意地らしさ、今ささやかな幸せを噛みしめている感じ、それら彼女の持っているものを大切に演じたいと思いました。堺さんは懐が深く、温かくて包み込んでくれるような方です。年齢を重ねてまたご一緒できること楽しみにしていました。土井監督とは今回2作目になりますが、大変嬉しく思っています。その役の持っているもの、滲み出てくるものなど丁寧に教えてくださるので、監督についていきたいと思います。

朝倉かすみ(原作者)

「平場の月」はわたしにとって初めての映像化作品になります。
もちろん映像化というものへの関心はありました。それは著作が異なるメディアで展開されるのを観てみたい、という圧倒的なミーハー魂と、わたしがひとりで書いたものを、わたしではない人たちがチームを組んで表現したらどんなふうになるのだろう、という純然たる好奇心の混ざり合ったものでした。
ミーハー魂は、「ピッタリ!」のキャストやスタッフを妄想させ、好奇心は、わたしが紙やモニタなどの平面に文字で描いたシーンが立体となったときの驚きや喜びを想像させました。シーンといっても具体的なものではなく、わたしが書くときに大事にしている三つ(ディティールと、実感と、イノセンス)が感じられるかどうかがポイントでした。
そんな我儘すぎるあれこれが、どんどん「ほんとう」に-それはもう思った以上に「ほんとう」に-なっていく不思議を、今、味わっている最中です。

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