小栗旬x松坂桃李x池松壮亮x窪塚洋介『フロントライン』公開決定 豪華客船で新型コロナ集団感染、事実に基づき映画化
世界的大流行を引き起こした新型コロナウイルスを事実に基づく物語として、日本初のオリジナル脚本で映画化した『フロントライン』が、2025年6月に劇場公開されることが決定した。国内で初めて集団感染が発生した豪華客船「ダイヤモンド・プリンセス」が横浜港に入港した2020年2月3日から、乗客全員の下船が完了した2月21日までを描く作品で、主演は小栗旬、共演に松坂桃李、池松壮亮、窪塚洋介が名を連ねる。企画・脚本・プロデュースは、「白い巨塔」「救命病棟24時」「コード・ブル -ドクターヘリ緊急救命-」などの人気医療ドラマを手がけた増本淳。監督は『かくしごと』の関根光才が務めた。あわせて、キャスト4名の姿を捉えたビジュアルと、本編シーン・メイキング、インタビューで構成された先行特別映像が公開された。
【動画】未知のウイルスに挑む男たち…『フロントライン』先行特別映像
舞台は、日本で初となる新型コロナウイルスの集団感染が発生した豪華客船「ダイヤモンド・プリンセス」。乗客乗員は世界56か国の3,711名。横浜入港後の健康診断と有症状者の検体採取により10人の感染者が確認されたことで、日本が初めて治療法不明の未知のウイルスに直面することとなった。対応にあたったのは、災害医療を専門とする医療ボランティア的組織の災害派遣医療チーム(通称:DMAT)。専門的な訓練を受けた医師、看護師、医療事務職によるチームで、地震や洪水などの災害対応のスペシャリストだが、未知のウイルスに対応できる経験や訓練はされていなかった。
小栗は未知のウイルスに立ち向かうDMATの指揮官・結城英晴(ゆうき・ひではる)役、松坂は厚生労働省から対策本部に派遣された役人・立松信貴(たてまつ・のぶたか)役。池松は地元・岐阜に家族を残して横浜に駆けつけたDMAT隊員の真田春人(さなだ・はると)、窪塚は結城の“戦友”とも呼べる過去を持つ仙道行義(せんどう・ゆきよし)役を務める。
増本プロデューサーは、300ページを超える取材メモから、今まで知られることのなかった船内の複数のエピソードを丁寧に脚本にまとめ上げた。企画のきっかけは「クルーズ船に乗船した医師との会話」だったと振り返り、「その医師が語ってくれた船内の実態は、世の中に知られていないことばかりで、驚くべきことや涙なくしては聞くことのできないエピソードの連続でした」と証言。「この知られざる愛と勇気の物語を一人でも多くの人に共有してもらいたい」と本作にかける想いを明かした。
小栗は、本作出演を決めた理由を「当時自分が知らなかった(新型コロナウイルスと)戦った人たちがいるという物語に非常に引き込まれましたし、映画として作るべきものだなと感じた」とコメント。「日常を取り戻したこの状況の中で、忘れてはいけないかなり大きな出来事だなと思うし、それを映画として届けられるという事は僕たちにとっても挑戦的だった」と本作が意味する“チャレンジ”についても言及した。
松坂は「映像化して形に残すという事に参加する意義があるなと思い、お話をいただいた時に是非やらせてください、という思いがあった」と当時の思いを告白。池松も「自分がフロントラインに行って何が出来るかわからないけれど、少しでもあの時にあった事を追体験するべき」と続けた。
また、小栗とドラマ「GTO」(1998)で共演している窪塚は「旬が声をかけてくれて、新型コロナウイルスの話なんだけど興味があるかって。ちょっと警戒したんだけど台本に感銘を受けて、これはぜひやりたい」と出演は小栗からのオファーだったことを明かしている。
関根監督は「未知のウイルスがもたらす『パンデミック』というものについて、2020年以前の私たちはほとんど無知であり、その衝撃に、私たちは人生が静止するかのような経験を共にしました。全人類が共有することになる出来事というのは、私たちが生きている間あと何回起こり得るでしょうか? その最初期に起きたとあるクルーズ船での『クラスター』、それもこの初めて経験する恐ろしい事態に突然放り込まれ、立ち向かうことになった最初の医療従事者たちや様々な人々の葛藤や愛の実話を、増本淳さんのオリジナル脚本で映画化する……稀有で、挑戦的で、私たち皆が共有すべき作品になると思いました」とコメント。「もし次にパンデミックが起きた時、私たちは一体どうするのか……知られざる物語から紐解ける何かが、きっとあると思います」と呼びかけた。
本編鑑賞後のキャストコメントは以下の通り。(編集部・倉本拓弥)
小栗旬 (結城英晴役)
すごく力のある映画でした。全員が主役の映画になっており、参加できたことを誇りに思います。どのエピソードも実話をベースにしたものなので、とてもドラマチックでした。
松坂桃李 (立松信貴役)
撮影時は船内がどんな風に描かれていくのかわからないまま、緊張感だけは絶やさずに現場に臨んでいました。何が起きているのかわからない。これは当時、実際に関わっていた人々の誰しもが感じていた感情だったのだと思います。 観た方の中に記憶として残り、この映画を心の中で持ち続けられるような作品になってほしいです。
池松壮亮 (真田春人役)
ダイナミックな映像と人間ドラマが調和し、社会性とエンタテインメント性の両方を備えた素晴らしい映画に仕上がっていました。今作の制作に関わった全員の努力と献身に、そしてあの時この世界を支えてくれた全ての医療従事者の方々の勇気と献身に、心から敬意を表したいと思いました。
窪塚洋介 (仙道行義役)
手前味噌ですがとても素晴らしい作品でした。皆で乗り越えたコロナ時代がまだ生々しいので、登場人物たちそれぞれ色んなシーンでたくさんの思いが溢れて涙に変わりました。何気ないカットにも心が震えることも多かったです。