唐沢寿明、鈴木保奈美と地上波33年ぶりで「いずれラブストーリーを…」
俳優の唐沢寿明が9日、六本木のテレビ朝日本社で行われたテレビ朝日系木曜ドラマ「プライベートバンカー」記者会見に出席、地上波ドラマでの共演としては1992年放送の「愛という名のもとに」以来となる鈴木保奈美について「あの時と同じ」と信頼を寄せている様子だった。この日は共演者の上杉柊平、土屋アンナ、MEGUMI、安井順平、吉田ウーロン太、夏木マリ、橋爪功も出席した。
本ドラマのモチーフとなるプライベートバンカーとは、富裕層を相手に資産管理や資産形成の助言を行うスペシャリストのこと。本作は、富豪たちの資産や利益を守るためなら何でもやる“悪魔的”なスゴ腕プライベートバンカー・庵野甲一(唐沢)が、相続争いや愛人問題、裏金疑惑など、資産家一族に渦巻く“金”にまつわる数々の問題に、卓越した金融スキルと、予測不能の多彩な手段で鮮やかに打破していく痛快マネーサスペンスドラマだ。
今回のイベントは、庵野が依頼を受ける資産7,000億円の大富豪・天宮寺家のセットで使用されている美術をステージに持ち込んだ中で行われ、登壇者たちも劇中衣装で登壇した。現時点で撮影は1か月半くらいだという唐沢は「セリフなどはけっこう大変なんですが、撮影現場は和やかな感じで、うまくいっていると言っていいのか、崩壊していると言っていいのか不思議な感じです」と冗談めかした。夏木の“大盛り”とも言うべきヘアスタイルを指して「昨日も(夏木)マリさんとご一緒させていただいたんですが、どうしてもこの髪型が僕にかぶっちゃうんですよ。しかも髪型が日に日に大きくなる。最初にお会いした時もすごいなと思っていたんですが、撮影で会うたびに徐々に大きくなって。これは計算なのか」とコメントすると会場は大きな笑いに包まれた。
夏木が「やはり資産7,000億円ですから。このくらいのヘアメイクを呼んでるんじゃないですか」と笑い飛ばすと、鈴木も「みんな言いたい放題言っているのに、全然怒ることもなく。なんていい方なんだろうと、毎日感動しています」と笑顔で付け加えた。
そして唐沢と鈴木に、あらためて地上波ドラマとしては33年ぶりの共演となったことについて質問がおよぶと、「この上なく光栄でございます」と鈴木が語ると、唐沢も「いずれラブストーリーをやりたいですね」と語り、「ただ最終回までに、少しは僕も頭をでかくしていきたいなと思います」とジョーク交じりに付け加えた。
そしてあらためて鈴木との共演について「保奈美さんとはもう30年も経つのかというくらい、あの時と同じ感じ。久々に会っても、久しぶりとは感じない」と唐沢が語ると、鈴木も「相変わらず顔が小さいし、手も小さいし」と笑顔。すると唐沢が「当時はまゆ毛をもう少し太めに書いていたんですよ。トレンディー俳優でしたから。今はいい歳なんで、少し薄めにしています」と冗談めかして、会場を沸かせた。
そんな唐沢が役者を志そうと思ったきっかけとなったのは、小学校低学年の頃にテレビで橋爪の芝居を見たことがきっかけだったという。唐沢はそのときの思い出について「テレビで橋爪さんが、ものすごく嫌らしい人の役を演じていたんです。それを見て僕は本当にイライラして。涙を流しながら怒っていたらおふくろが来て。『あんた何泣いてるの。テレビじゃない』って。そうか、テレビなのかと思った時に俳優ってすごいなと思った。橋爪さんにこの話をしたら『あの時は嫌な役ばかり演じていたからな』って一発で切られました」と笑いながら振り返った。
そしてこの日は特別企画として、本物のプライベートバンカーであるX氏と中継をつなぎ、その裏側について質問をぶつけるコーナーも行われた。株や不動産といった資産運用だけでなく、遺産争いの仲介や、興信所、弁護士の紹介など、身の回りの相談事も請け負うというX氏。「人はいくらくらい資産を持つともめるんですか?」というMEGUMIの質問には「10億くらい」。「日本にプライベートバンカーは何人くらいいる?」には「まわりを見てもそんなに独立してやっている人がいないので、50人いるかどうか」と答えた。
さらに唐沢の「仕事のモチベーションは?」という質問には「資産を持っている方は、持っているほど孤独で不幸という方が多い。そういう方々の心を少しでも和らげたいというのがモチベーション」など、なかなかその実態が分からない職業ということで、登壇者たちも興味津々で、次々と質問をぶつけていた。
最後に、唐沢は「僕もプライベートバンカーという職業を知らなかったので、資産のある方はこんなことに巻き込まれるのかと、新たな発見がありました。ご覧になる方も、こんなことがあるのかと、そういう感じで見ていただけら」と作品をアピールした。(取材・文:壬生智裕)
ドラマ「プライベートバンカー」は1月9日より、テレビ朝日系にて毎週木曜よる9時放送
※9日は初回拡大スペシャル