木村拓哉『グランメゾン・パリ』公開に感慨 鈴木京香は涙
木村拓哉が30日、都内で行われた映画『グランメゾン・パリ』初日舞台あいさつに登壇し、本作の料理監修に参加し、10月4日に亡くなった料理評論家の服部幸應さんに感謝の気持ちを述べる一幕があった。
本作は、木村がフランス料理のシェフ・尾花夏樹を演じたドラマ「グランメゾン東京」(2019)の劇場版。尾花や早見倫子(鈴木京香)ら仲間たちが、ミシュランガイドの三つ星に認定された東京のレストランに続いてパリで新店舗「グランメゾン・パリ」を立ち上げ、フランスでアジア人初の三つ星を獲得しようと奮闘するさまを描く。この日は木村のほか、鈴木、及川光博、沢村一樹、正門良規、塚原あゆ子監督、料理監修の小林圭シェフも登壇した。
トーク中、沢村が、木村の撮影中の料理の腕前について「料理をする手が(小林シェフと)同じだった。20年くらい料理の番組をやっていたからどこか半分料理人になっているところがあるのでは」と「SMAP×SMAP」の人気コーナー「BISTRO SMAP」(ビストロスマップ)を引き合いに木村に料理の話題を振ると、木村は感慨深げな表情で、服部さんら同番組で出会った料理人たちとのエピソードを回顧。
その中で木村は「20年以上バラエティーで料理を作っていて、その時に自分に肉、魚介への向き合い方を教えてくだっていた方にもこの作品でサポートしていただけたんです。この間お亡くなりになった服部さんもサポートしてくれていました」と切り出し、「この作品も試写で見て下さり、『素晴らしい』と言っていただきうれしかった」と服部さんに感謝の気持ちを述べていた。
鈴木も本作の公開に感慨深げで、本作の撮影期間に体調不良の時期があったことを振り返りながら、「体調に不安があった時に、キャストの皆さんに気を使ってもらいながら撮影を進めた映画でした。今日、そんな仲間とこの場に立てていることが誇らしい」と話して涙を見せた。すかさず沢村がハンカチを差し出し、これに及川が「俺がしようと思っていたのに」と悔しがって笑いを取った。
終盤には小林圭シェフが用意したエッフェル塔型のケーキも登場。木村はパリでの撮影を振り返り、「撮影込みでのパリ訪問だったんですけど、伺ったタイミングがファッションウィークの期間。パリの街自体の鼓動が高くなっている気がして刺激的でした。歴史的建造物が背後に当たり前のようにあるのもうれしかった」としみじみとコメント。その上で初日を迎えた心境について、「ずっとこの作品を仲間たちと作ってきて、その時間を客席の皆さんにバトンタッチする時期が来たんだなって思います。少し寂しい気持ちもありますが、皆さんがこの作品を劇場で受け取ってくれていると思うとうれしいです」と話していた。(取材・文:名鹿祥史)
映画『グランメゾン・パリ』は公開中