2024年洋画、異例の結果に!1位は『インサイド・ヘッド2』アニメがトップ3独占【洋画興収年間ベストテン】
2024年洋画興行収入の上位10作品が文化通信社より発表され、第88回アカデミー賞長編アニメ映画賞を受賞したディズニー&ピクサー映画『インサイド・ヘッド』の続編『インサイド・ヘッド2』が興行収入53億円を記録し、本年度トップを獲得。今年は、上位3作品が全てアニメーションという異例の結果となった。(集計期間は2023年冬~2024年冬、文中の数字は一部推定)
8月1日に初日を迎えた『インサイド・ヘッド2』は、初週こそ8億円超えスタートの『僕のヒーローアカデミア THE MOVIE ユアネクスト』に後塵(こうじん)を拝し、国内動員ランキングで2位スタートだったが、初日からの4日間累計成績は動員57万人、興収7億円を突破。だがその後もほぼ落ちのない興行を成績をキープし、翌週に1位を奪還すると、2週連続で首位。9週連続でベストテン入りを果たした。
イルミネーション製作の人気アニメ最新作『怪盗グルーのミニオン超変身』は2位にランクイン。7月19日に初日を迎えた同作は、初日から3日間の成績が動員51万人、興収6億8,100万円。国内動員ランキングでは初週2位デビューとなったが、翌週も勢いは衰えずに首位を奪還。最終的に8週連続のベストテン入りとなった。
ウォルト・ディズニー・カンパニーの創立100周年記念作品として公開されたアニメーション映画『ウィッシュ』は、3位にランクイン。2023年12月15日に日本公開された同作は、初日から3日間で動員43万4,000人、興収6億1,200万円を記録し、国内動員ランキングで1位初登場。8週連続でベストテンに入った。
配給会社別に見ると、ウォルト・ディズニー・ジャパンが3本(『インサイド・ヘッド2』『ウィッシュ』『デッドプール&ウルヴァリン』)。ワーナー・ブラザース映画も3本(『ウォンカとチョコレート工場のはじまり』『ジョーカー:フォリ・ア・ドゥ』『マッドマックス:フュリオサ』)。東宝東和(『怪盗グルーのミニオン超変身』)、ビターズ・エンド(『オッペンハイマー』)、東宝(『ゴジラxコング 新たなる帝国』)、ソニー・ピクチャーズ エンタテインメント(『ヴェノム:ザ・ラストダンス』)がそれぞれ1本ずつ。
中でも日本での公開が危ぶまれていた『オッペンハイマー』を配給し、日本公開を実現させた独立系の映画会社ビターズ・エンドが注目だ。同社は近年、『パラサイト 半地下の家族』『ドライブ・マイ・カー』『PERFECT DAYS』など最終興収10億円を超えるヒット作を次々と手がけており、今後の動向にも注目が集まる。
だが、全体を見ると今年は興収100億円に迫る洋画作品が1本もなく、邦画に比べるとややさみしい状況だとも言える。今年の洋画・邦画を合わせたベストテンランキングでも、上位すべてを邦画が占めており、9位と10位にようやく洋画首位の『インサイド・ヘッド2』『怪盗グルーのミニオン超変身』が登場する状態。やはり2023年にハリウッドで行われた全米俳優組合、脚本家組合のストライキによって大作映画が公開延期となったことも影響があったように思われる。しかし、2025年は『ジュラシック・ワールド・リバース(原題) / Jurassic World Rebirth』(7月全米公開予定、日本公開時期は未定)や2024年から公開延期となっていた『ミッション:インポッシブル/ファイナル・レコニング』(2025年5月23日公開)などの大作が次々と公開される予定。来年は洋画復権となるか、注目したい。(取材・文:壬生智裕)
【2024年洋画作品別興収 上位10作品】(最終興収の数字は一部推定)
1:『インサイド・ヘッド2』53億6,000万円
2:『怪盗グルーのミニオン超変身』45億3,000万円
3:『ウィッシュ』36億1,000万円
4:『ウォンカとチョコレート工場のはじまり』23億7,000万円
5:『デッドプール&ウルヴァリン』21億1,000万円
6:『オッペンハイマー』18億7,000万円
7:『ゴジラxコング 新たなる帝国』17億2,000万円
8:『ヴェノム:ザ・ラストダンス』15億円(見込み)
9:『ジョーカー:フォリ・ア・ドゥ』11億6,000万円(見込み)
10:『マッドマックス:フュリオサ』10億円