「ウルトラマンアーク」最終話、意外だったシュウの行動 戸塚有輝&金田昇が明かすクライマックス秘話【ネタバレあり】
18日、特撮ドラマ「ウルトラマンアーク」がついに最終話を迎えた。光の使者“ルティオン”と一体化した主人公・飛世ユウマと、彼が所属する「SKIP」(怪獣防災科学調査所)星元市分所のメンバーの活躍を描いてきた本作。ユウマを演じた主演の戸塚有輝と、彼のバディとなった石堂シュウ役の金田昇がインタビューに応じ、最終2話(第24話、第25話)の裏話を明かした。(以下、最終話までのネタバレを含みます)
「ここにいたい」という気持ちが強くなっていった(金田)
2024年7月6日放送の第1話から、半年間かけて全25話がオンエアされたテレビシリーズ。「あっという間でした。『ウルトラマンアーク』は1話で完結するエピソードが多く、(物語が)すごくリズミカルに進むので、気がついたら『終わってしまうんだ……』という気持ちでした」(戸塚)、「全25話で『ウルトラマンアーク』の物語自体がしっかり完結してはいるものの、やはり終わってほしくないという気持ちもすごくあるというのが正直な感想です」(金田)と共に寂しさをにじませる。
全25話の物語では、ウルトラマンアークの戦いはもちろん、SKIPに入所したばかりのユウマと、地球防衛隊・宇宙科学局から特別調査員としてSKIPに派遣されたシュウが、バディとして絆を深めていくさまが描かれた。序盤こそシュウを「石堂さん」呼びするユウマだったが、シュウからの提案で「シュウさん」と名前で呼ぶようになったりと、エピソードを重ねるごとに二人の距離は縮まっていった。
金田は、シュウの心情が大きく変化したのはテレビシリーズの折り返し地点(第16話)だったと振り返る。「なぜ自分がSKIPにいるのかも掴みきれないままの状況が続いていた中、宇宙科学局の特別調査員としてSKIPに隠し事がほぼなくなった辺りから、シュウの『私はここにいたい』という気持ちが強くなっていったと思います。最終話に近づくにつれて、みんなとの関わり方も柔らかくなりましたし、リンさん(夏目リン/演:水谷果穂)からも普段とは違うツッコミが飛んできたり、SKIPの一員としてみんなで行動しているんだということをすごく実感しました」
ユウマとして振り返らないのがいい(戸塚)
第1話放送前に実施したシネマトゥデイのインタビューでは、戸塚が同い年の金田について「彼が今何を考えているのか? 思っていることが手に取るようにわかります」と語っており、バディとして絶大な信頼を寄せていた。最終話を迎えた戸塚は「僕らの関係性は日々グレードアップして、さらに金田くんのことを理解している自信があります」と打ち明け、金田も「最終話を迎えて、(戸塚が)すごく凜々しく、主役としての雰囲気を漂わせている。そこから彼の進化を感じます」と互いの成長を褒め合った。
第24話「舞い降りる夢幻」(1月11日放送)では、トリゲロスとの戦いを経て瀕死のユウマが、夢幻獣ギルバグに立ち向かった。ユウマは、SKIPメンバーの前で振り返ることなくウルトラマンアークに変身。シュウたちはユウマが変身したアークの後ろ姿を見守っていた。
いわゆる“正体バレ”の瞬間となった同シーンについて、戸塚は「ユウマとして振り返らないのがいいですよね。演じていて、僕も後ろを見たかったのですが、辻本(貴則)監督から『振り返らないで』という指示があったので、前を向いたまま(変身しました)」と撮影当時を回顧。シュウとして、ユウマの背中を見守っていた金田も「本当に『ユウマ、行かないでくれ』という気持ちだけで演じていました」と振り返った。
自然と決まった“別れ”のシーン
そして、最終話となった第25話「走れ、ユウマ!」では、ルティオンの故郷へと向かうユウマと、地球に残るシュウの“別れ”が描かれた。旅立つユウマを、シュウが強く抱きしめるという涙を誘う演出も印象的だった。
戸塚は「ハグすることは脚本上に書いてあったのですが、どうやってそこに持っていくのかは、テストを行っていく中で、僕たちの間で自然と決まっていきました」と別れのシーンの裏話を告白。物語のラストを飾る重要なシーンであっただけに、キャストや辻本監督もより一層緊張感をもって臨んでいたという。
また戸塚は、シュウがユウマを抱きしめる行動は「すごく意外なことだった」と話す。金田は「普段のシュウなら、抱き寄せるようなことはしないはずです。でも、あの瞬間、それを可能にさせる心の動きがシュウにはあったんだと思います。なので、違和感なく演じることができました」とシュウとしての解釈を明かした。
そして、エンドロールではSKIPの怪獣ホットラインに1本の電話が入る。相手の声は聞こえないものの、シュウたちの反応を見る限り、地球に帰還したユウマであることがうかがえる。「シュウさんがすごくユウマのことを考えてくれているんだと思ったのは、最終話のラストに電話が来るところで、めちゃくちゃ嬉しそうにしているシーンなんです」(戸塚)
テレビシリーズは完結したが、「ウルトラマンアーク」の物語は終わらない。2月21日には初の劇場版『ウルトラマンアーク THE MOVIE 超次元大決戦!光と闇のアーク』が公開される。劇場版では、“宇宙賢者”ディグル星人サスカル(竹中直人)によって、ユウマに究極の試練が課せられ、ウルトラマンアークに似た謎の巨人「ギルアーク」が襲いかかる。(取材・文:編集部・倉本拓弥)