サモ・ハンのアクションに込めたファン心 谷垣健治が明かす『トワイライト・ウォリアーズ 決戦!九龍城砦』裏話
アクション監督の谷垣健治が24日、都内で開催された香港映画『トワイライト・ウォリアーズ 決戦!九龍城砦』の公開記念舞台あいさつに出席した。ジャッキー・チェン作品を自身のルーツと明言し、過去には「国籍は日本だけど、映画国籍は香港」と発言していた谷垣監督だが、この日はそのジャッキーともゆかりが深く、本作にも出演するサモ・ハンとの仕事をにこやかに振り返る一幕があった。この日は映画ライターのギンティ小林も登壇した。
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1980年代の香港を舞台にした本作は、香港に密入国した青年が、黒社会の組織に敵視されながらも、九龍城砦で出会った仲間と友情を育む様を描くクライムアクション。香港黒社会のルールに抗い九龍城砦に逃げ込んだ密入国者・陳洛軍(チャン・ロッグワン/演:レイモンド・ラム)と彼の出会った仲間たちが、それぞれの思いを胸に争いに身を投じる。
谷垣は「サモ・ハンにアクションをどのように指示されていたのか」と聞かれると「サモ・ハンに指示なんかしないですよ」と笑顔で撮影を回顧。「サモ・ハンはアクション監督をやっている人です。『こんな感じで』とお願いすると、とりあえず言ったことをやってみてくれる感じです」とサモ・ハンとのやり取りを振り返る。
ギンティから「サモ・ハンは殺陣の覚えは速いんですか?」と聞かれると、これにも爆笑しつつ、「だって、もう何十年もやっている人ですよ」と、サモ・ハンがどんな難しいリクエストにも迅速で的確に対応してくれると紹介。現在73歳にして現役ぶりを発揮しているサモ・ハンだが、谷垣は、アクションをつける上で一つだけ注文を受けたことも明かした。
谷垣は「蹴りの時はひざより高い蹴りのシーンは作らないでくれ」とサモ・ハンにお願いされたとのこと。「足がもう上がらないって言うんです。あとはなんでもやりますって。そこは僕もファンですから……。で、僕がやってほしいと思うことを色々とやってもらいました。蹴技もあるけど、サモ・ハンの刀も見たいし、棒術も見たいって」と殺陣を指示する際、自分がファンとして見てみたいことをサモ・ハンにできるだけお願いするようにしていたと回顧。
谷垣は「『狭いところだと長い棒が生かせると思うんで……』とか色々理屈をつけるんですけど、単純に棒術を見たかっただけ」と嬉しそうにコメント。その後もサモ・ハンとの撮影を嬉しそうに述懐していた。(取材・文:名鹿祥史)
映画『トワイライト・ウォリアーズ 決戦!九龍城砦』は全国公開中