「べらぼう」蔦重が瀬川に“最悪”な贈り物…鈍感野郎に総ツッコミ

横浜流星主演の大河ドラマ「べらぼう~蔦重栄華乃夢噺~」の2月23日放送・第8回では終盤、蔦重こと蔦屋重三郎(横浜)が幼なじみの花魁・瀬川(小芝風花)にある贈り物をする場面が描かれ、どこまでも鈍感な蔦重へのツッコミと共に、瀬川の切ない心中に思いを巡らす視聴者の悲鳴が上がった(※一部ネタバレあり)。
第8回のタイトルは「逆襲の『金々先生』」。花の井(小芝)が五代目・瀬川の名跡を襲名し、その名が載った蔦重の細見「籬(まがき)の花」は西村屋(西村まさ彦)や鶴屋(風間俊介)ら地本問屋に約束した通り、倍の売り上げを達成。一方、偽板づくりの罪で捕らえられた鱗形屋(片岡愛之助)は早くも放免となり、蔦重が取材に奔走した青本を完成させ、蔦重を揺るがすこととなる。
冒頭では艶やかでいて貫録たっぷりの花魁道中を披露した瀬川。一方、蔦重は細見がバカ売れし、「細見で人が来るんじゃなく、みな瀬川を見に来てくれている」「おれは何をすればあいつに報えんのか」と瀬川への恩をしみじみ。花の井が瀬川を襲名したのはすべて蔦重のためで、口では「吉原を救うため」と言っていても、幼いころから思いを寄せる蔦重を支えたい一心によるものだった。人の心の機微に聡い平賀源内(安田顕)は早々から花の井の思いに気づいており、蔦重に「いっそ瀬川を身請けしてやりゃあどうだい」と切り出してみるものの、蔦重いわく売れっ子の瀬川の身請けには莫大な金が必要であり、「できるわけねえでしょ」と一蹴。
今まで惚れた女はいないのかと蔦重の恋愛事情を探る源内に、蔦重は「いねえっすね」と即答。「吉原もんはその手の心根抜かれちまうんですよ」「女郎には死んでも手ぇ出してはなんねえってたたきこまれましたし」「誰かをてめぇのもんにするなんて考えたこたない」と正論を並べ、源内はげんなりしたのか「空しい話だねえ」とつぶやき、「そうっすねえ」とあっけらかんと返す蔦重に小声で「おまえさんじゃねえよ…」とぼやいていた。
“恋のキューピッド”として活躍する源内の願いもむなしく、どこまでも鈍感な蔦重。女郎の幸せは身請けよりマブだろうという半次郎(六平直政)に、「マブかぁ、あいつ(瀬川)にはいなさそうだな」という蔦重に「鈍感の極み」「お前だろ!」「あんたって人は…」とツッコミが寄せられていたが、極めつけが、鱗形屋の復活を知って蔦重の身を案じた瀬川が血相を変えて九郎助稲荷に赴く場面。
瀬川は、鱗形屋の復活により蔦重の地本問屋の仲間入りは帳消しになるのではないかと危惧していたが、蔦重は吉原のおやじたちが対抗策を考えてくれているといい、瀬川に「今までおまえが助けてくれたからおやじさんたちもこうなったんだよ。ありがとな」としみじみ感謝。「別にあんたを助けるためにやったわけじゃ…」と照れくさそうな瀬川に「これもらってくんねえか?」と「女重宝記」と題した本を渡した。
蔦重はこともあろうに、瀬川には名のある武家や商家に身請けされて幸せになってほしいといい、この本を読めば身請け後に暮らしていくために必要な知識を学べると嬉々として語る。すると瀬川は哀しそうに笑い、「重三にとってわっちは女郎なんだね…」「ばからしゅうありんす」とうなだれた。
前の場面では盲目の富豪・鳥山検校(市原隼人)が瀬川に「初回は(言葉を交わせず)座っているだけだから退屈だろう」と粋な贈り物をしたこともあり、蔦重の鈍感さが浮き彫りになる格好に。蔦重は様子のおかしい瀬川に「なんか、あいつ怒ってね?」「なんか俺したか?」と首をかしげていたが、一部始終を見守っていた九郎助稲荷(声:綾瀬はるか)が視聴者を代弁するかのように「ばーーーーーか! 豆腐の角に頭ぶつけて死んじまえ」「せーの! このべらぼうめ」と盛大なツッコミ。
SNSでも「おい!」「蔦重、ズレてる」「大トンチキ野郎!」「お前が幸せにすんだよ」「残酷なやさしさ」「しばきたい!」「マジで野暮」「わかってないなぁ」「そんな残酷なこと…」「超鈍感野郎!」と蔦重へのツッコミで沸き、九郎助稲荷に「もっと言ってやれ!」「同意しかない」「ありがとう!」「視聴者全員の気持ちが一つに」と激しく共感が寄せられた。(石川友里恵)