ボブ・ディラン映画に出演の日本人女優話題

ティモシー・シャラメがボブ・ディラン役で主演を務める映画『名もなき者/A COMPLETE UNKNOWN』(公開中)に出演している初音映莉子。日本での映画公開は約6年ぶりとなる本作では、シャラメやエドワード・ノートンらを相手に堂々たる演技を披露。そんな初音の女優としてのキャリアをあらためて振り返ってみた。
初音映莉子『名もなき者/A COMPLETE UNKNOWN』場面写真
本作は、2016年にノーベル文学賞を受賞したボブ・ディランの無名時代からスターとなるまでの5年間に焦点を当てた伝記ドラマ。初音が演じたのは、名もなき若者だったディランの才能を見抜くフォークシンガー、ソングライターのピート・シーガー(エドワード・ノートン)の妻トシ。ゆくゆくは愛憎半ばの複雑な関係と化していくディランとシーガーを見守る存在だ。出演シーン自体は多くないもののSNSでは「セリフは少ないけど大事な役」「すごい女優さんになってた!」「存在感かっこよかった!」と揺るぎない存在感に魅了されたファンが多数。日本での映画公開は『WE ARE LITTLE ZOMBIES ウィーアーリトルゾンビーズ』(2019)以来とあって驚きの声も上がっている。
初音は、伊藤潤二の同名漫画を映画化した『うずまき』(2000)や山内ケンジ監督の『ミツコ感覚』(2011)、角田光代原作の『月と雷』(2017)などで主演。2017年放送のTBSドラマ「コウノドリ」シーズン2では、 出生前診断で「21トリソミー陽性」と診断された妊婦役でゲスト出演。「純情きらり」(2006)や「おひさま」(2011)などの朝ドラ、「ジョジョの奇妙な冒険」シリーズの荒木飛呂彦の短編集が原作の舞台「死刑執行中脱獄進行中」(2015)などにも出演している。
村上春樹のベストセラー小説をトラン・アン・ユン監督が映画化した『ノルウェイの森』(2010)では松山ケンイチ演じる主人公の先輩・永沢(玉山鉄二)のお嬢様な恋人ハツミがはまり役に。プレイボーイの恋人への哀しさ、怒りを静かにたぎらせる役どころで爪痕を残した。2013年に日本で公開された映画『終戦のエンペラー』でハリウッドデビュー。岡本嗣郎のノンフィクション小説を原作に、終戦直後の日本に降り立ったマッカーサー元帥(トミー・リー・ジョーンズ)から太平洋戦争の責任者追究を命じられたフェラーズ准将(マシュー・フォックス)のかつての恋人役に抜擢され話題を呼んだ。(石川友里恵)