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「べらぼう」新之助&うつせみ、まさかの展開…井之脇海と小野花梨が裏側を明かす

第12回より新之助(井之脇海)とうつせみ(小野花梨)
第12回より新之助(井之脇海)とうつせみ(小野花梨) - (C)NHK

 横浜流星主演の大河ドラマ「べらぼう~蔦重栄華乃夢噺~」(毎週日曜NHK総合よる8時~ほかで放送中)のが23日放送・第12回では、女郎の恋は御法度とされる吉原で惹かれ合う浪人・小田新之助と女郎のうつせみが足抜け事件後に再会を果たし、吉原の俄(にわか)祭りの最中に急展開を迎えた。新之助を演じる井之脇海と、うつせみ役の小野花梨が本エピソードの裏側を語った。

【画像】「べらぼう」新之助&うつせみ、愛の歴史

 本作は貸本屋から身を興し、喜多川歌麿、葛飾北斎、山東京伝、滝沢馬琴、東洲斎写楽らを世に送り出し、江戸のメディア王として時代の寵児となった蔦屋重三郎(横浜)を主人公にしたストーリー。大河ドラマへの出演は、井之脇は本作と同じ森下佳子が脚本を手掛けた「おんな城主 直虎」(2017)のほか「平清盛」(2012)、「いだてん~東京オリムピック噺~」(2019)に続いて4作目。小野は初となった。

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 3月2日放送・第9回「玉菊燈籠恋の地獄」では、新之助とうつせみが吉原を脱出しようとするも追手に捕まり、離れ離れに。それ以降も、新之助はうつせみを身請けすることをあきらめず、うつせみも身請けされてからの生活のために蔦重(横浜)に和算書(算術書)を借りたりと二人の思いは変わらないことがうかがえた。その二人が、第12回で念願の再会を果たし、俄祭りの最中に大門を出るという急展開を迎えた。

 井之脇は第12回の台本を読んだ感想について「9回まではいかにも森下(佳子)さんの脚本だなって。でも12回を読んだ時は“あれ、これ本当に森下さんの脚本なのかな”って思いました」と意外な印象をもったことを明かす。

 「もちろんそれは悪い意味ではないです。ちゃんと二人が希望の中に消えていくように描かれていて、それを読んで、これはまだ何かあるなって思ったんです。森下さんの作品に出させてもらってきたからこその予感です。希望の中に消えていく二人……でも、これは大丈夫かなって(笑)」と台本を分析したと振り返る。

 井之脇は「12回の二人の再会とその後の展開は、すごくよかったと思います。台本を読む時はいつも新之助目線で読むんですけど、“新之助、よかったね”って心から思いました。この展開だときっと豊かな生活はできないと思うけれど、一番大切な人と障壁なく一緒に暮らせるようになる。それはとても素敵なことだし、この時代ではあり得ないことだと思うので」と感動したという。

 第12回は、9回から数年の歳月が経過している設定。井之脇は「きっとその間もうつせみを思い続けていて……例えば、蔦重にうつせみの様子を尋ねるシーンが出てくるんです。一途に数年間思い続けていた新之助が、会えないかもしれない人と会えた時の、言葉にできない湧き上がる感情みたいなものを丁寧に演じられたらと思いました」と役へのアプローチに触れる。また、「うつせみの存在に気配とか第六感のようなものが働いて、あれだけ周囲に人がいる中でも見つけ出してしまう。その時に湧いてくる感情を思い浮かべながら大切に演技しました」とも。

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 小野も12回の二人のシーンに感動したといい、「うつせみはお客さんの名前を腕に彫られたり、足抜けをして折檻されたり、花魁の中でも闇的な部分を担わせていただいたと思っていましたが、あのシーンをいただいたことによって、すごくホッとしました。」と笑顔を見せる。

 小野は「私自身、うつせみの幸せを心から望んでいたんだなと台本を読んで思いました。うつせみが新様としっかりと再会できて、光の先へ進むことによって、ホッとした視聴者の方も多いと思います。私も本当に嬉しかったです」と思いがけない展開に喜びを爆発させる。

 撮影中、演出と話し合いを持ったそうで、小野は「月日が経っての再会で、女郎が出ていくことを絶対に許されない門を新之助さんと一緒に出ていく……。現実的に考えると、きっとたくさんの恐怖とか、“また見つかったらどうしよう”“この先の生活をどうしよう”とか、いろんな思いがうつせみの中で交錯したと思うんです。でも、監督は“ここはそういうネガティブなものを出さなくて大丈夫。幻想的であっていいし、豊かであっていいし、希望に満ちていていいんだ”と言ってくださいました。そんな監督の演出も含めて、すごく嬉しかった。大好きなシーンです」と感無量の様子だった。(取材・文:名鹿祥史)

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