ADVERTISEMENT

アカデミー賞受賞のパレスチナ人監督、消息不明 イスラエル人入植者に襲撃される

今年3月のアカデミー賞授賞式に出席していたハムダーン・バラール監督(左)
今年3月のアカデミー賞授賞式に出席していたハムダーン・バラール監督(左) - Monica Schipper / Getty Images

 第97回アカデミー賞で長編ドキュメンタリー賞を受賞した映画『ノー・アザー・ランド 故郷は他にない』(2024)のメガホンを取ったパレスチナ人のハムダーン・バラール監督が現地時間24日、イスラエル占領下のヨルダン川西岸でイスラエル人入植者から襲撃を受け、イスラエル兵に連行された後、消息不明となっていると、CNNほか各メディアが報じた。

【画像】アカデミー賞を受賞した『ノー・アザー・ランド 故郷は他にない』

 『ノー・アザー・ランド 故郷は他にない』は、ヨルダン川西岸のパレスチナ人居住地区の様子を記録するパレスチナ人青年と、イスラエル人ジャーナリストが育む友情を記録したドキュメンタリー。第74回ベルリン国際映画祭では最優秀ドキュメンタリー賞&観客賞をダブル受賞したが、イスラエル擁護の姿勢を示すベルリン市長などから激しい非難を受けた。同作は、いまだに米国配給が決まっておらず、監督たちはニューヨークやロサンゼルスで自主上映を行っていた。

ADVERTISEMENT

 共同監督のユヴァル・アブラハームは自身のXで、「ハムダーン・バラール共同監督が、入植者の集団によって暴行を受けました。激しく殴られ、頭と腹部を負傷し、出血しています。彼が呼んだ救急車には兵士が押し入り、彼を連れ去りました。それ以来、彼の消息は不明です」と報告。ユダヤ系非暴力団体の活動家らも被害に遭い、覆面をした10人~20人の入植者集団が活動家たちを石や棒で攻撃したり、車の窓を割り、タイヤを切り裂いたとの目撃証言もある。

 国際ドキュメンタリー協会(IDA)は、報道を受けてVariety経由で声明を発表。「バラールの即時釈放を要求し、彼の家族と地域社会に対して、彼の健康状態、所在、拘束の正当な理由を明らかにするよう求めます」と強く訴えている。(藤田良太)

  • mixiチェック
  • このエントリーをはてなブックマークに追加
  • ツイート
  • シェア
ADVERTISEMENT