ベン・アフレック、『ジャスティス・リーグ』辛い再撮影を回顧「もう絶対に繰り返したくない」

DCエクステンテッド・ユニバース(DCEU)でバットマンを演じたベン・アフレックが、『ジャスティス・リーグ』(2017)の再撮影で味わった苦い経験、バットマンとして過ごした時間を、米GQのインタビューで振り返った。
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『ジャスティス・リーグ』は、DCEUを率いてきたザック・スナイダー監督が身内の不幸で途中降板し、『アベンジャーズ』のジョス・ウェドン監督が後を継ぎ、再撮影・編集を加えて映画を完成させた。しかし、その内容はスナイダー監督の構想とは全く別物で、後にスナイダー監督が4時間にわたるディレクターズカット(通称:スナイダーカット)を発表したほど。アフレックは2023年、ウェドン監督が指揮をとった再撮影を「人生最悪の経験だった」と The Hollywood Reporter で告白しており、「劣悪なことばかりで、心が折れました」「ホテルに戻ると、窓から飛び降りたくなった」などと赤裸々に語っていた。
GQの取材で、当時の状況を尋ねられたアフレックは「かなり飲んでいた」と回顧。「あの時のような経験は、もう絶対に繰り返したくない」と断言し、「それが本当に苦痛だった理由はたくさんある。目的や理解、期待がズレていた部分が多かった。正直に言うと、当時の自分も何か素晴らしいものを提供できていたわけではなかった。自分自身にも、大きな失敗があったと思っている。そのプロセスの中で、そしてその時期の自分自身に」と明かした。
「当時のつらい経験の原因は、もっと別のところにあった。自分は毎日、すごくネガティブな気持ちを仕事場に持ち込んでいた。だから、作品に対してポジティブなエネルギーを注げていなかった。別に、トラブルを起こしたわけでもない。現場に行き、仕事をして、帰るだけ。でも、それだけでは物足りなかった」
また、アフレックは「歳をとり、壊れ、心に傷を負ったブルース・ウェイン」というキャラクター像に手応えを感じていたが、DCユニバース全体がダークな“大人向け”路線に偏ったことでスタジオとの相違が生まれてしまったとも語っている。
「僕の息子でさえ、当時は怖くて映画を観ることができなかった。それを見たときに『これは問題だ』と思った。監督は大人路線を突き進みたくて、スタジオはもっと若い観客を取り込みたいと思っていた。互いに目指すものが食い違っていた。本当に最悪なパターンだった」
DCユニバースは現在、ジェームズ・ガン&ピーター・サフランによって新たに構築され、新たなバットマン映画の企画も進んでいる。ユニバースが一新される前に公開された『ザ・フラッシュ』(2023)でバットマンを再演したアフレックだが、スーパーヒーロー映画への復帰ついては「そのジャンルをもう一度やりたいとは思っていない。あの経験が悪かったからではなく、今まで魅力を感じていたことに、もう興味が持てなくなってしまった」と否定的な姿勢を示している。
それでも、バットマンとして過ごした時間は、アフレックにとってかけがえのないものとなった。「本当に楽しい時間だった。バットマンの映画を作るのは大好きだった。『バットマン vs スーパーマン ジャスティスの誕生』(2016)も本当に好きだった。『ザ・フラッシュ』に少しだけ出演したこともよかった。『スーサイド・スクワッド』でヴィオラ・デイヴィス(アマンダ・ウォラー役)と1~2日だけ仕事をしたのも楽しかった」と振り返っている。(編集部・倉本拓弥)