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『トイ・ストーリー2』記者会見

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ジョン・ラセター
『トイ・ストーリー2』
(配給:ブエナ ビスタ インターナショナル ジャパン)
会見日:2月21日
帝国ホテル


前作に引き続き、またしても全米で驚異的なヒットを記録した『トイ・ストーリー2』。大事な人形キャスパーと一緒に日本にやってきた、ジョン・ラセター監督の記者会見は、日本語吹替版でウッディを演じた唐沢寿明を交えてのフォトセッションもあり、大いに盛り上がった。

 
Quick Time4.0以上
ファイルサイズ5.5M

『トイ・ストーリー』の製作アイディアについて。
A もともとウッディのインスピレーションを与えてくれたのが、小さい頃から大事にしているこの人形のキャスパーだった。古いおもちゃを持ちながらも、お誕生日に新しいおもちゃをもらうと、ちょっと古い方がおざなりになってしまうことってあるよね。そこから、話を思いついたんだ。バズのような新しいオモチャがだんだんと出てきて、ウッディの方は古いスタイルのオモチャになってしまう……っていう感じにね。キャスパーもウッディも頭の部分が固くて、身体の部分が柔らかく、紐を引っ張ると声が出るというところが共通 しているよ。
それからキャスパーの左手は、僕が小さい時に取れてしまったことがある。それを僕は自分で縫い付けたんだけど、『トイ・ストーリー2』でもウッディの手がもげてしまうシーンがあるよね。そこでアンディが最終的に縫うわけだけど、そのアイディアは僕の経験が基になっている。このように、我々ピクサー社の方では、自分達の生活に忠実に、自分達の心の奥底を探求しながら、自分たちのアニメーションを作っていくということを心がけているのです。
今回のパート2の話はいつ頃から考えていたのですか?
A 続編の話を頂いたとき、ピクサー社としては本当によいストーリーとユーモア、アクション、そして心温まる―――そういう要素がある作品であれば、作りたいと思った。前作と同じような感じの作品にはしたくなかった。もともと今回のアイディアは、自分の経験や自分の子供たちからヒントを得ている。私の事務所にもたくさんのオモチャが置いてあって、僕の5人の子供のうち長男を除いて4人は、事務所のオモチャで遊びたがるんだ。もちろん、子供のことは大好きだし、子供たちが僕のオモチャで遊ぶのが嫌だというわけではないよ。
だけど、ちょっと気になる(笑)。その時に、僕は考えたんだ。僕は『トイ・ストーリー』から一体なにを学んだのだろう? オモチャというのは、遊んでもらうためにあるのではないか? 実際にオモチャが生きていれば、子供たちと一緒に遊びたいと思うはず。
それがレアでプレミアがついたオモチャになると、ガラスケースの中にずっと入れられてしまい、一生子供達に触ってもらえない、遊んでもらえない。それはオモチャにとっては、一体どういう人生なんだろうと。そして、これはすごいアイディアだぞ!と思った。その次の瞬間には、ウッディがレアなオモチャだったら……ということを考えていたよ。
この映画のテーマは?
  この映画のもう一つの重要なテーマは、オモチャにとって最悪の瞬間というのは、持ち主だった子供が大人になってしまい、オモチャなんかいらないと考えるようになったときだ。そういう感情的なことも、映画の中に取り込みたいと思った。
そして映画の中でウッディは、自分の将来について考える。それは、私達が大人になっていくにつれて、いつ頃死ぬ のだろうかと考えるのと同じだと思う。
映画の中でウッディは、いろいろなことを勉強したと思う。その中の一つが、自分の将来がどうなるかなんて誰にもわからない。自分でコントロールできないことは考えずに、今を楽しんだ方がいいということ。この映画を観た友達がくれた手紙に、こんなことが書いてあった。
「“昨日”というのは過去のこと。“明日”というのはまだ見ぬ世界だからわからないかもしれないけれど、“今日”は素晴らしい贈り物だ」。それが今回の映画のテーマなんだ。
オモチャに対するこだわりというのは、なにか過去の経験に基づいているのですか?
A 子供の頃、キャスパー以外に好きだったオモチャに、車のレーシングカーとGIジョーがあった。車はまだ持っているが、GIジョーは母に捨てられてしまったんだ。多分その時にGIジョーを失った悲しみがバネとなって、今こうしてたくさんのオモチャを集めているんだよ(笑)。
一作目と同じ俳優を声優として起用していますね。
A 2の話をした時に、皆さん喜んですぐにOKしてくれました。それは続編だからということではなく、今回のストーリーが非常に優れたものであるということで、承諾してくれたのです。
気に入っているシーンは?
A 全部好きだから、一つだけ選ぶのは難しい……。強いて言えば、ジェシーがウッディに自分のつらかった過去を告白するシーンだね。とても感情があふれているし、ジェシーは今回の映画ではとても重要な役割を果 たしているキャラクターだ。
続編を作るに当って、僕はぜひ女性をキャラクターの中に入れたかった。とても独立心があり、皆に好かれていて、いい性格の女性というのは、あまり他の映画では出てこないんじゃないかと思う。
それに奥さんからも、強い女性をちゃんと描くまでは家に帰って来なくていいよって言われちゃったんだ(笑)。この映画の二人の女性プロデューサーも、ぜひ女性のキャラクターを入れようという話をしていたしね。ピクサー社としては、子供だけ、男性だけというのではなく、10代、20代、そしておじいちゃんやおばあちゃんまで、幅広い年齢層に見てもらいたいと思った。
日本語吹替え版の唐沢寿明について
A 日本語吹替版の方がすばらしいから、英語版の方しか見てない人は、もう一度観なくちゃいけないよ!
デジタル上映について。
A 多分、このことは初めて話すのでスクープになるかもしれない。
日本でもデジタル上映をするといことは、すでに決まっている。
それはどういうものかというと、フィルムではなく、デジタルの状態で映画館で上映するんだ。
一年前にデモ版を見た時には、僕はアゴが外れるほど驚いたよ! デジタルの映像を見た時に、まさに“完璧だ”と思えた。今までのフィルムの状態だと“うん、いいな”という感じで、“完璧だな”という気持ちにはなかなかなれなかった。
実際に皆さんがデジタルの映像を映画館で見るということは、僕達がピクサー社のモニターで見ているのとまるっきり同じ状態で見てもらえるということになる。監督としては、やはり新しいテクノロジーを駆使したものを皆さんに見てもらいたい。
初日から何ヶ月も後に見た人でも、初日と変わらない映像で見ることができる、それをどの方にも体験してもらいたいと思ってるんだ。フィルムというのは、傷がついたり、ゴミがついてしまったりして、初日から何ヶ月も経つと、どうしても映像が僕にとっては首をかしげるような状態になってしまう。だけどデジタルならいつでもベストの状態だから、デジタル上映というのは自分でもとても楽しみにしているんだ。ぜひ、日本の皆さん、楽しみに待っていてください。本当にすばらしい映像だからね!


『トイ・ストーリー2』
1999年度作品
配給:ブエナビスタインターナショナル ジャパン
2000年3月11日より
http://www.disney.co.jp/toystory2/
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