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マリー・ジラン
『ラスト・ハーレム』
(20世紀フォックス)
会見日:2月24日
都内・赤坂 キャピトル東急ホテル
フランスの人気女優、マリー・ジランの新作は、今世紀初頭のオスマン・トルコのハーレムを舞台にした『ラスト・ハーレム』。数奇な運命をたどるひとりの少女サフィエを、その美貌と大胆な演技で見事に演じている。日本ではランコムのCMでもおなじみだ。 |
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Quick Time4.0以上
ファイルサイズ5.5M
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Q |
サフィエとマリーさん自身に共通
点はありますか? |
A |
どんな役でも、演じるときは自分自身がある程度投影されるものです。私とサフィエとの共通
点はたくさんありますが、私がいちばん好きなところは、ものすごく強い部分と弱い部分を合わせ持っている点です。最初は無垢だった彼女が、やがて成熟した女性になっていくわけですが、彼女にはハーレムで生きていく他に選択肢がなかった。ハーレムという閉ざされた世界の中で、彼女は戦って、生き残っていくしか道がなかったのです。ですが、彼女の底辺にあるのは優しさだと思います。 |
Q |
出演するまでのプロセスを教えてください。 |
A |
最初にシナリオをもらって読んだときに、すぐこの世界に引き込まれました。サフィエの人生、運命といったものに、とても興味を持ったのです。
そして「この役をやってみたい」という気持ちが強くなり、監督から電話をいただいたときに、そのことを伝えました。
監督は、サフィエは東洋的な世界にいても説得性のある人でないといけないので、イタリア人やトルコ人の中でもキャストを探しているということでした。ですが、結果
的に監督は、私をサフィエ役に選んでくれました。 |
Q |
撮影中のエピソードを聞かせてください。 |
A |
今回はとてもバタバタとしていました。というのも、クランクインの一週間前に、トルコ政府が建物の使用許可をキャンセルしたため、急遽セットで撮影することになってしまったのです。
トルコのテレビ局のスタジオを使わせてもらったのですが、あるシーンのために4日間撮影すると次の日はトルコの番組のために一日提供するとか、そういう風に毎日が即興的でした。
またある時は、午後の4時から同じスタジオでお料理番組が入っていて、10分前ぐらいになっても撮影はあとワン・シーン残っていたんです。こちらは急いで撮影を済ませてしまおうとやっていると、その後ろではすでに番組のためのセットを組み始めていたりしていました。 |
Q |
役作りについて。 |
A |
まず、トルコ語を覚えるのが大変でした。それから、本を読んでオスマン・トルコの歴史や文化について勉強し、当時の女性の立ち居振る舞いなどに関しては、専門家に話を聞きました。
ハーレムというのは階級制度が厳しく、いくつかのヒエラルキーに別
れています。ですから、新人が上の階級の女性に対して接する時の所作なども、いろいろと決まりがあるのです。たまたまトルコ人の共演者の祖母が、ハーレムにいた経験があるというので、写
真を見せてもらったり話を聞かせてもらったりすることができ、大変参考になりました。また、現存している歴史的な建造物の中に身を置くことによって、そういう気分に浸るということもよくやりました。 |
Q |
サフィエと宦官ナディールの恋について。 |
A |
彼らの関係は、恋愛としてはとても不可思議なものです。ラストシーンをご覧になった方はおわかりだと思いますが、彼らの恋愛に未来はないということが歴然としています。そして、それは彼ら自身の目を見てもわかるでしょう。
彼らは自分達でも、この愛に未来がないということをわかっているのです。去勢された宦官は、ハーレムの女性の教育的な役割を果
たす人々。
そのナディールとサフィエが恋に落ちるということは、肉体的な関係を持つこともできないし、サルタンにバレれば殺されて当然のタブーです。ですから、彼らはお互いを欲すれば欲するほど、フラストレーションがたまっていきます。ナディールはサフィエをサルタンの寵妃にするために、何でもやります。一見とても矛盾していますが、それがナディールのサフィエに対する愛のいちばんの証なのです。この映画では、彼らのプラトニックな、精神的な愛の旅路をみることができるでしょう。 |
Q |
一人の女性としてハーレムという制度をどう思いますか? |
A |
そういう世界は、男性にとって理想的な世界です。そういう意味においても、私自身はそのような制度やそこで生きる女性の存在を、受け入れることはできません。 |
Q |
今後の女優業について。 |
A |
とにかくいろいろな役をやってみたいと思っています。今回は内的な重い演技が要求されましたが、次回作は軽いタッチの若いカップルの話を予定しています。
私自身は暗い話も明るい話もどちらも好きですが、とにかく監督との出会いを大切にしていきたいですね。ベルナルド・ベルトルッチやマーティン・スコセッシなどと、一緒に仕事をしてみたいと思っています。 |
Q |
美しさの秘訣とは? |
A |
“美しさ”には、いろいろなものがあります。私はみなさんにアドバイスできるようなことは、何もしていません。ただ、人と接する時には自分に自信を持つように心がけています。 |
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『ラスト・ハーレム』
1999年度作品
配給:コム・ストック
2000年5月より |
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