Q |
この映画の見どころは?
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A |
初めて製作総指揮として、脚本を練り上げて行く段階から関わった映画なので、僕にとっても非常に思い出に残る作品。また、レネ・ゼルウィガーという女優さんと仕事ができたことはすばらしい体験だったね。しかしなんといっても一番の見どころは、僕がサンフランシスコの町を1000人の花嫁に追いかけられて走って行くシーンだよ。 |
Q |
映画とはいえ、1000人の花嫁に追いかけられるというシチュエーションはどうでしたか? |
A
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とっても大好きだよ。男性にとってはステキな夢、と同時にまた悪夢とも言える(笑)。僕は、結構いい気分になれたけどね。 |
Q |
1000人もの花嫁はどこから調達したのですか? |
A |
このポスターに映ってるこの人は、僕のアシスタントのお母さんなんだよ(笑)。集めるのは、ラジオや新聞で広告を出したんだ。朝の4時半に集まってもらって、メイクをしたり自分のサイズに合うドレスを選んでもらったりというのを流れ作業のようにやった。撮影はとっても寒い時期だったけど、彼女達に支給されたのはブランケット1枚だけ。だから、彼女達はきっと寒くて常に走っていたかったんだと思う(笑)。道を花嫁達がダーっと走って行くところは、もう街の人たちは何事かといった感じで眺めていたよ。その表情を見るのが僕は楽しかった。それから捻挫とか、ケガも多かったね。ちょうどアシスタントのお母さんが来た日なんだけど、皆がカメラに映りたがって前に出るもんだから、このお母さんは可哀想に大分踏み潰されたみたいだったよ(笑)。 |
Q |
ご自分の奥さんにはどういうプロポーズをしたのですか?
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A
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彼女とは長い付き合いだったので、結婚はそろそろかなと思っていた。僕は、彼女の期待を高めないように不意を打つということを心がけたんだ。その日はとても忙しくて、僕はニューヨークへ指輪を取りに行った後にワシントンDCに戻ってきて、まず彼女の父親に許可を得た。その後、彼女を仕事場まで迎えに行って、家に帰ってドアを開けてすぐにひざまづいてプロポーズしたんだ。できれば映画の中のようにステキな場所に連れて行きたかったけど、あまりにも彼女の方の気持ちが高ぶってしまいそうだったので、なるべく不意打ちを狙ったんだ。 |
Q |
もし映画の主人公ジミーのように結婚を迷っている友達がいたら、どのようにアドバイスしますか? |
A |
実はそういう友達が今、一緒に日本に来てるんだよ! 残念ながら彼は追いかけられる方ではなく、追いかけてる方なんだけど(笑)。僕自身に関して言うと、結婚は本当にステキで、本当に楽しいもの。つい最近、子供も生まれて本当に充実しているよ。もっと若い頃は、35歳ぐらいまでは結婚しないってずっと言い張ってたんだ。だけど「この子だ」っていう女性に出会ったので、計画を変えたんだ。 |
Q |
この企画を引き受けた理由は? |
A |
この映画の話を最初に聞いた時は、僕はまだ結婚したばかりだったので、独身から既婚者になるという心構えとか心理というのが、自分の中にまだ新鮮に残っていた。だから、主人公の男が結婚を決めるまでの心の葛藤に共感できたんだ。 |
Q |
コメディ作品は初めての出演になりますね。 |
A |
ロバート・アルトマン監督の「クッキー・フォーチュン」にも出ているけど、あれも一応コメディだよね。この「プロポーズ」もそうだけど、コメディといっても僕はコメディアンを演じているわけではないんだ。普通
の男が普通でない状況に巻き込まれていくという状況の、ロマンチック・コメディだと僕は解釈している。 |
Q |
元彼女役でブルック・シールズやマライア・キャリーが出演していますね。 |
A |
二人をキャスティングできて、本当に幸運だと思っている。特にブルック・シールズは、彼女意外には考えられないというぐらいあの役にピッタリだと思うよ。アングロサクソンで東海岸にいかにも居そうな人物を、彼女はとっても好演している。
マライアの方は皆さんもご存知の通りの大スター。だから、セットにもリムジンで乗り付けて、ボディガートとか大勢の人々を引き連れて来るんだよ。でも話してみると、普通
のロングアイランド出身の女の子といった感じ。それに、僕とは彼女が学生時代を一緒に過ごしたという共通
の友人もいたんだ。今回彼女にとっては初めての映画出演だったわけだけど、自分をちょっと茶化したようなオペラシンガーの役というのは、彼女自身がとても楽しんで演じられたんじゃないかな。 |
Q |
初めてのプロデューサーとしての仕事で、大変だったことは? |
A |
仕事のほとんどは、撮影開始の一年半から2年ぐらい前の間にやったんだ。そのほとんどは、監督を選んだり、キャスティングに関わったり、特に重要だったのはレネ・ゼルウィガーの出演を取り付けることだった。彼女にお花を贈ったり、いろんなことをしたよ。実際に撮影が始まってからは、他のプロデューサー達に任せて僕は演技に専念した。 |
Q |
プロデューサーとして台本にはどのような関わり方をしたのですか? |
A |
舞台の設定が始めはニューヨークだったが、それをサンフランシスコに変えたりと、脚本の変更はいろいろとした。ただ、僕は基本的にはライターではないので自分で書いたり、あるいは書き直したりといった作業はしなかった。何人かのライターが書いたものを、僕がどの部分が気に入ってどの部分を気に入らなくてカットしたか、そういうことはやりました。 |
Q |
今後もプロデューサーとして仕事をする予定はありますか? |
A |
つい最近、CBSのためにゴルフに関するドラマを制作したんだけど、それがいい視聴率を記録して評判になった。劇場映画は、現在のところ10~20本ぐらいの企画を抱えている。自分にとっては俳優の仕事が一番なので、演じることを大事に考えている。ただ、演技の幅を広げるためにも、製作に関わるというのはいい経験だと思っているので、これからもプロデューサーの仕事には積極的にチャレンジしていくつもりだ。 |
Q |
目標としている俳優と今後挑戦してみたい役は? |
A |
ジェームズ・スチュアート、ハリソン・フォード、トム・クルーズ、トム・ハンクス、メリル・ストリープ……本当に才能豊かな、尊敬している俳優さん達はたくさんいる。将来的には、できるだけいろんな役に挑戦していきたいと思っている。僕は、この業界ではまだまだ新人だと思っている。この10年ほどのキャリアの中で15本ぐらいの映画に出演しているけれど、役者というのはこの先どんな脚本と、どんな作品と出会っていけるかが重要なんだと思う。最初に脚本を読んだ時に「ちょっと自分の役じゃないな」と思っても、できるだけ役の幅を広げるという意味でそういう役ににも挑戦してみたい。ただ、どうしても観客がこの役では僕を受け入れてくれないんじゃないか、という場合もあると思うので慎重に選びたいと思っているよ。 |