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ジョン・ウー(以下J)日本に来ることが出来て大変嬉しいです。少し時間に遅れて(渋滞だった)申し訳ない。
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T
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トム・クルーズ(以下T)日本のランチ・アワーで道がこんなに混雑するとは思わなかったよ。ぼくはいつも時間には正確なんだけど、今日は時間通
りに来ることが出来なくって大変申し訳なかった。待っていてくれて、ありがとう。
日本に来るのを一番楽しみにしてたんだ。『M:I-2』と共に戻って来れたことをとても嬉しく、誇りに思うよ。 |
Q |
プロデューサーとしてジョン・ウーを監督に選んだのはなぜか? |
T
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ぼくはジョン・ウーの作品が好きで彼の映画を全て研究したんだ。ビデオでくり返し、くり返し観たんだ。ジョン・ウーとの仕事はぼくの夢だった。この映画は『ミッション・インポッシィブル』とは言わないであえて『M:I-2』と呼ぶことにしている。ジョン・ウーの『M:I-2』さ。 |
Q |
『M:I-3』の予定は? |
T |
『M:I-2』を撮り終わったばかりなのに…。まだ、考えられないよ。ぼく自身、自分が出演しないでプロデュースするだけの映画の企画が2、3本あるし、ジョン・ウーもやはり2、3本仕事があるんだ。それが終わってからでないとね。 |
Q |
スタント・マンを使わないで特に難しいシーンはなかったか?
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T |
みんな難しかったよ。自分が誇れると思ってる点は、あれだけの危険なスタント・シーンでも怪我がなかったことだね。山登りのシーンは楽しかったな。あそこはCGを一切使ってないんだ。ジョン・ウーは僕にやってほしくなかったみたいだけど。 |
J |
山登りのシーンをトムは楽しいって言ってるけど、あんなに見ていて恐くてドキドキする場面
はなかったよ。とにかくトムは最初からスタントは全て自分がやると言っていた。岩から岩へ飛んで滑り落ちるシーンがあるけど、あそこは本当に恐かった。この場面
を撮った時、トムのお母さんが来ていたんだ。彼女は「監督、大丈夫ですよ」と言って落ち着いているように見えたが、それでも2人で手を握りあってドキドキしながら見ていたんだ。それなのに、トムは7回位
あのシーンをやり直すんだ。生きた心地がしなかったよ。 この映画は色々な危険なシーンがある。バイクやカーチェイス、トムの目の玉
の直前で、ナイフの先端が止まるシーン、そういったところも含めて特撮は使っていないんだ。本当に毎日がパニックの連続だったよ。 |
Q |
お互いに初対面の時から、仕事をしてみて印象はかわったか? |
T |
変わらないよ。僕は前からジョン・ウーが素晴らしい監督であることは知っていたし、それは仕事をしても変わらないよ。素晴らしい監督でもあるし、人間としても尊敬できる。そして僕にすごく気をつかってくれるんだ。さっき、いつもパニックだったなんて言っていたけど、彼は常に冷静だったよ。彼が色々な工夫をしてシーンを作りあげていっている様子は見ていて楽しかった。たとえば、カメラのフォーカスを移動しただけで、そのタイミングだけで初めて目をあわす相手に対してのドラマを作ってしまったり、その手腕はすごいと思うよ。
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J |
トムと仕事が出来てほんとうに良かった。プロデューサーとしてのトムはとてもクリエイティブだ。あと、私がやろうとしていることにすぐオーケーしてくれ、監督にによけいな気をもませない。それからヘルプはしてくれるけどいわゆるコントロールしたり、支配しようとしたりしない。それから、ハード・ワーカーだ。彼から朝の4時くらいに電話がかかって来る。今日の仕事のことや明日の予定のことを話出すんだ。本当に仕事のことしか考えてないね。 |
Q |
撮影現場に子供を連れていった時のエピソードは? |
T |
確かに子供は連れていったよ。彼は監督がとても好きなんだ。それで監督のそばにいたんだけど、子供がその場所で唯一座れる場所がモニターをはさんだ監督のそばだったんだ。それで、子供をそこにおいて長い撮影を終えて戻ってくると監督は現場の指揮をしながら子供を寝かせていたんだ。そんな素晴らしい場面
を印象深く覚えているよ。 |
Q |
この役の為に体力作りはしたか? |
T |
僕は普段から身体を鍛えているし、体操をして身体を柔軟にすることは昔から心掛けていた。だから特に特別
にやったことはないけど、ただいつ呼ばれるかわからなかったから身体はいつもあたためていたよ。
身体がエネルギーを欲しがっていたからチョコレート・アイスクリームを食べたりもしたよ。
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Q |
鳩の意味は? |
J |
純粋さ、愛、平和、無垢な心、聖なる力。私はクリスチャンで教会でポスターを描いていた。そこに鳩が出てくるんだ。あと昔、ヒッピーをやっていたんだけどヒッピーの象徴はラヴ&ピースで鳩が出てくる。
トムのキャラクターやイーサン・ハントの象徴がこのハトだと思ったんだ。 |
Q |
イーサンはチームのリーダーだがリーダーシップをどう考えるか? |
T |
ぼくの生き方全てにもかかる問題だね。ぼくはリーダーというものは人を信頼することだと思う。そうすれば相手も同じく信頼してくれる。僕は自分の回りを信頼できる人ばかりで固めてるんだ。それから、相手をコントロールしようと思ったりはしない。意見がぶつかったら話し合いで、ものごとを進めるんだ。だから僕は、チームの中でいきなり怒鳴ったり、怒ったりすることはないよ。だけど、そうする為に常に自分には厳しくしているんだ。
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