Q |
ブルース・ウィリスの起用は監督が希望されたということですが、監督から見た彼の魅力とは? |
T |
まずひとつは、ブルース・ウィリスというのは男らしいけれども、すごく面
白い部分がある俳優さんだと思う。
スクリーンの上では、彼が意地悪であればあるほど、面
白く見えてくる部分があるはずです。今回の映画はタイトルは『キッド』ですが、全体的に子供向けにならずに、またあまりソフトになり過ぎないような仕上がりになっています。
それは、やはりブルースが演じるキャラクター=ラスのどこかダークな切れ味みたいなものがあるからだと思いますね。
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Q |
ブルース・ウィリスの起用は監督が希望されたということですが、監督から見た彼の魅力とは?
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T |
まずひとつは、ブルース・ウィリスというのは男らしいけれども、すごく面
白い部分がある俳優さんだと思う。
スクリーンの上では、彼が意地悪であればあるほど、面
白く見えてくる部分があるはずです。今回の映画はタイトルは『キッド』ですが、全体的に子供向けにならずに、またあまりソフトになり過ぎないような仕上がりになっています。
それは、やはりブルースが演じるキャラクター=ラスのどこかダークな切れ味みたいなものがあるからだと思いますね。
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Q |
脚本が気に入ってこの作品を監督されたそうですが、どのポイントに最もひかれたのですか? |
T |
いちばん初めにこの話を聞いたときに、「今、もしこの時点で小さい頃の自分に出会ったらどうするだろう? どういう気持ちになって、どういう話をしてあげて、どういうふうに感じるだろう?」と、いろいろなことを考えさせられる構造だなと思いました。
そしてとても正直で、かつ面白い部分もあったから、シリアスな話もありながらコメディの感情を入れることができれば、きっとすばらしい作品ができるのではないかと考えたのです。
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Q |
最初から脚本があったのではなく、アイディアだけを聞いたのですか? |
T |
そうです。初めはこういうアイディアがありますという話から、一緒にパートナーのような感じで脚本家のオードリー・ウェルズと話をしながら詰めていきました。
自分が脚本家という立場でないというのは重々承知していますが、今回この脚本を書くに当たっては、最初の段階からオードリーとプロデューサーのクリスティーナ・スタインバーグと一緒にいろいろなことを話し合って、その後オードリーが20枚ぐらいのシノプシスのようなものを書いてくれたのです。
それを読んで、また手直しをしていくという形をとりました。
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Q |
子役のスペンサーくんを選ぶにあたっては、どういう規準があったのですか? |
T |
ブルースのお母さんから、ブルースが8歳ぐらいの頃の写
真を借りました。ですが、あくまでも最初の段階からいい俳優、いい子役を探したいということを念頭に置いていたので、そっくりさんを探そうという意識はありませんでした。
考えてみたら、自分たちも8歳の頃の自分と今の自分はあまり似てないんじゃないかと思っている人が多いと思うし、32年も経つと人間は変わっていくと思いますしね。
スクリーンテストの時に、ブルースとスペンサーくんは実際に初めて顔を合わせたわけですが、そのときにブルースがスペンサーくんの方を見て笑ってしまって、セリフが出てこないという一幕もありました。
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Q |
監督自身はどんな子供でしたか? |
T |
今とあまり変わってないんじゃないかな(笑)。
いつも落ち着きがなく走り回ったり、べらべらしゃべったりという感じだったけど、面
白い子でもあったと思います。普通といえば普通かもしれないけど、ちょっと小生意気な子供だったと思いますね。
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Q |
ブルース・ウィリスは『シックス・センス』で子役と共演しましたが、引き続きの子役との共演に対しては最初から乗り気だったのですか? |
T |
実際には俳優というのは、自分自身が役を選ぶ段階では自分が演じなければいけない役柄のことを、私たちが考える以上にもっと考えているのだと思います。
それに『シックス・センス』からこの作品の撮影に入る前に、彼は確か3作ぐらいの映画を撮っているはず。
今回の映画は『シックス・センス』とは雰囲気もスタイルも違うので、実際に私たちが思っているほど、彼自身は子役との共演ということに対しては気になっていなかったのではないかと思います。
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Q |
監督にとって映画におけるコメディの要素とは、どんな意味を持つのですか? |
T |
脚本があがってきた段階で、それがいい作品であればコメディだろうがなんだろうが、やりましょうという気になります。だけど、コメディというのは自分にとってはやりやすい、得意とする分野なのかなとは思いますね。
観客も笑って楽しい映画を観たいという気持ちを持っていると思うし、自分が映画を作っている際に、なにかしら伝えたいメッセージがある場合、コメディでそれを伝えるというのもいいやり方なのかなと思う。
ただ、どうしても私は最初にコメディ映画で当たっているので、送られてくる脚本はどうしてもコメディが多くなってしまいます。シリアスな作品が送られてくる率は少ないですね。
今、例えば『タクシー・ドライバー』などの脚本をもう一回やってみないかという話があったら、喜んでやらせて頂きたいと思っていますよ(笑)。
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Q |
今後は、どんなジャンルの映画にチャレンジしてみたいですか? |
T |
次回作はアクション・アドベンチャー映画を撮る予定です。やはり今までの作品と比べると、ちょっと作り方が違うのかなと思います。ですが、コメディとドラマというのは基本的には作り方は同じだと思う。
普通の人の行動を、そのまま映画に取り入れていくという方法は同じだろうし、多分みんなが「実際にこんなことってあるよな」と信じられるような作品を作るという意味でも、大した違いはないと思います。撮影のペースは違うかもしれませんが。
基本的にいい脚本があれば、それに沿っていい作品というのは作れるものだと思っています。
新作については、まだ脚本が最終段階に入っていないので、キャスティングの方も全く決まっていません。かなり大きな予算の映画になる予定です。
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