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宇宙船を操縦するフリをするだけでも最高な気分だよ |
Q |
SF映画には初挑戦ですが、どうでしたか? |
T |
ジョン・トラボルタ(以下T)SFにはいろんな可能性があるよね。宇宙船があ
るというだけで僕は感動してるんだ。
僕はジェット機のパイロットだけど、宇 宙船は操縦できない。宇宙船を操縦するフリをするだけでも最高な気分だよ。そ
んな事できるなんて、考えた事もなかったからね。僕らは実物大の宇宙船のセッ
トを作ったんだ。飛びはしないけど、本物には見えるんだよ。
あと滅びたドーム シティのSFX(特撮)が良かったな。まるでタイタニックのようだったよ。SFXが
あんなに本物みたいに見えるのには驚いたね。
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Q |
この映画が製作に至るまで数年かかりましたよね。長い道のりでしたか?
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T |
そうだね。でも、すばらしい道のりだったよ。ハリウッドではね、やりたい
事は何としてでもやり通す頑固さが必要なんだ。L・ロン・ハバードの原作を読
んだのは82年だった。その時はヒーロー役が演りたかったんだ。
時が経って『ブ ロークン・アロー』や『フェイス・オフ』で悪役を演じた経験もあって、僕は悪
役の方をやろうと決めたんだ。
大事な事は、決してあきらめない事。必要な資金
を出してくれるプロダクションが見つかるまでは急いではいけないという事だ。
この映画には15年もかかっちゃったけどね。
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Q |
悪役タールを演じ切るのを楽しんでいるように見えましたよ。 |
T |
悪役には善人を演じる時には味わえない芝居のだいご味があるんだよ。だっ
て善人はいつも自分のモラルに縛り付けられているだろ。でも悪役には関係な
い。
特にエイリアンを演じるなんて時は何も制限がないのさ。そこんところがほ
んとに面白いんだよ。
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何を省くかについては悩んだね。何年も原作通
りにできない事に悩んだんだ |
Q |
自分がアクション・フィギュアになっているのを見るのは、どんな感じです
か? |
T |
大好きなんだ。人形じゃなくて、オモチャだからね。喋るんだよ。すごいよ
ね。
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Q |
買われたんですね? |
T |
そうだよ。うちの子供が好きなんだ。
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Q |
あなたの奥さんがエイリアンのメイクとコスチュームを着た姿を見てどう思
いましたか? |
T |
彼女ってゴージャスだって本気で思ったよ。いままでエイリアンに心惹かれ
たなんて事はないのに、エイリアンもセクシーだなって、突然思ったりした。
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Q |
この映画が公開された後、サイエントロジー協会のサブリミナル・メッセー
ジが入ってるという噂が流れましたよね。 |
T |
僕はいつもそういうのってバカバカしい噂だって思ってるよ。だってサブリ
ミナル・メッセージなんて1950年で既に効果がないってわかってるのに。
な んでそんなものをわざわざ今やるなんて事がある?ばかげた話だよ。
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Q |
他にも気になる噂がありましたよね。原作はサイエントロジー協会の設立者
のL・ロン・ハバードの作品だから、映画の中に宣伝的なメッセージが入ってい
るとか。 |
T |
あのね、この本はサイエントロジー協会についての本じゃなくて、SFなんだ
よ。ハバードは有名で人気のあるSF作家なんだ。
彼は哲学よりもSFでずっと有名 だった。特にこの作品はいちばん有名で、2つも賞をとっているんだよ。その原
作に忠実な映画化なんだ。
事実、僕は、観客がサイエントロジーと関連づけて見
るんじゃないかと心配で、原作に従わなきゃというプレッシャーすら感じたよ。
僕はただ楽しめる映画を作ろうとしただけだ。その結果がこの作品なんだ。
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Q |
原作はたいへん長いですよね。これを2時間の映画に凝縮するのは大変でし
たか? |
T |
何を省くかについては悩んだね。何年も原作通
りにできない事に悩んだん だ。そして、とうとう、コリー・メンデルが原作に忠実な脚本を作り上げて、僕
は感動したんだ。これで成功したって思ったよ。
それが僕たちを前方に後押しし た。確かにたくさんのオリジナル・ストーリーを除外しなければならなかったけ
どね。
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成功で自分が得たのは、自分がやりたい映画に出演できるという力だね
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Q |
2度も父親になれたのは、すばらしい事ですよね。 |
T |
すばらしいね。ジェットの時もエラの時も生まれた時は泣いたんだ。あの小
さな頭を見たら、泣かずにはいられないよ。父であるということは、人生を生き
生きとさせてくれるよね。 |
Q |
あなたが情熱を傾けているのは、演技の次に、飛行することですよね。何が
魅力なのですか? |
T |
ある人はゴルフが、ある人はバスケがそうであるように、僕には飛ぶ事が魅
力的なのさ。操縦席にいる時には気分がいいし、自分が何でもできるって感じら
れる。
日常生活から解き放ってくれるんだ。僕は7種類の飛行免許を持ってる。
最近はダラスのフライト・スクールでアメリカン航空707の一等操縦士の資格
を取ったんだよ。
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Q |
それは、一般旅客機の操縦もできるという事ですか? |
T |
そうだね、そうなるかもね……。「こちら、機長のトラボルタです。ご搭乗
ありがとうございます。
ファーストクラスで上映される映画は『パーフェクト・
カップル』、ビジネスクラスの映画は『シビル・アクション』です。
なお、エコ ノミークラスの皆様には『グリース』のリバイバルをお楽しみいただきます」な
んてね。
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Q |
自分の成功については、どう感じていますか? |
T |
成功なんて全く興味がないなんて言うつもりはない。でも、結局は退屈には
なるかもしれない。
カリブ海で船を借りたのを思い出すよ。最初の週は楽しくて
仕方ない。でも2週目からは船からおりたくなるんだ。僕は今までヒット作を作
ろうなんて考えた事はないんだよ。
お金に関して言えば、陳腐だけど、あるから 幸せになるってものじゃない。成功で自分が得たのは、自分がやりたい映画に出
演できるという力だね。
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Q |
将来へのプランはありますか? |
T |
数年はがむしゃらに働くよ。働き過ぎたと思ったら、充電期間を持つつもり
さ。
また消えてカムバックするかもね。僕ほどカムバックが上手い俳優もいない
だろうからね。
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