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「ジム・キャリー」インタビュー

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ジム・キャリー

彼を無視したアカデミー会員を 「バカ」呼ばわり 

 1994年、ファレリー兄弟の監督作品『ジム・キャリーはMr.ダマー』で、大 ヒットを飛ばしたジム・キャリー。彼が、再び“コメディ界の最強兄弟”と手を 組んだ。ジム・キャリー扮するチャーリーは、ロードアイランド州の警官で、し かも2重人格。そして、その2つの人格チャーリーとハンクが、同時に恋をする アイリーン役には、レニー・ゼルウィガーが扮している。

『ふたりの男とひとりの女』
日劇プラザ他 全国東宝洋画系にて絶賛上映中!
配給:20世紀フォックス映画

 


(ロビン・リンチ/訳 平野祥子)


  キャラクターになりきるために、役に入り込んだままで、街を散歩したりするん だ
- 『ふたりの男とひとりの女』のチャーリーのように、あなたにも2重人格的 なところがあると思いますか?
C

 ジム・キャリー(以下C): 僕の2重人格的な部分が、役に立ったよ。チャーリー に関して言えば、基本的に僕の男家族(父と兄)を参考に、役を作っていった。 チャーリーは、お人好しで、普通ならムカつくような白々しいお世辞を言われて も、笑って「そうなんだ。僕は、今の生活に満足していて、本当に幸せなんだ」 とやり過すんだ。そして、1人になると急に、言われたことが身にしみてきて、 落ち込んでしまう。でも、僕が、2重人格だというわけじゃないよ。この役のよ うに、極端に性格が 変わるわけじゃないからね。とはいえ、全く違うとは言い切れないけど。少しだ け、何が起きるか話すと……そうだな、チャーリーより、ずっと健康的なヤツが 登場する。ニューヨークにもいるんじゃないかな、ハンクみたいなヤツ。ハンク は、チャーリーのもう1つの人格なんだ。見かけるだろ? ワイルドな乱暴もの で「けんか売ってるのか!」って怒鳴るヤツ。

- 今回、演技をする上で、『マン・オン・ザ・ムーン』の影響はありました か?ま た、ハンクの声は、クリント・イーストウッドを意識しているように思えました が……。
C
(C)2000 TWENTIETH CENTURY FOX

そうだな、ハンクは、いろんなタイプのタフガイをモデルに、作ったんだ。 タフガイの寄せ集めだから、そう思ったんだろう。それから、『マン・オン・ ザ・ムーン』の質問は、おもしろいね。あの役を演じたあと、MTVにも行けた し、ゴールデングローブ賞も受賞したからね。あごひげをはやし、髪はボサボ サ。まるで未開の地からやってきた僕を、一気に目覚めさせてくれた感じだった よ。あの映画に出演したことで、僕は、自由に演じるということを学んだんだ。 実際、キャラクターになりきるために、役に入り込んだままで、街を散歩したり するんだ。本当に楽しいよ。自分から解放され、まるでヴァケーション気分だ。 気持ちいいよ。あの映画の出演は、本当に貴重な経験だった。役へのアプローチ 方法も、少し学べたしね。とはいっても、この映画の撮影中は、ずっとハンクの ままではいるなんてことはしなかったよ。そんなことしたら、2重人格の味をし め、まわりの人に文句ばかり言っていただろう。まあ、今回は、楽しみながら演 じていたね。

  いつか、アカデミー賞が取れる日がくるだろう
- アカデミー会員は、あなたを無視し、アカデミー賞にノミネートさえしませ んで した。それはなぜだと思いますか?
C

彼らは、ただのバカだ。おっと、発言には気をつけなきゃね。
僕はただ、 正直 に……素直に「ジムは、おもしろい男だ」と言ってほしいんだ。こういう冗談を いう と、そのまま取られちゃうんだよね。だから、きちんと説明したい。僕は、生ま れな がらの才能に恵まれていると思う。だから、神に誓って言えるけど、努力が足り な かったんだよ。そのありがたさを感じていなかったんだ。満ちたりた生活を送っているし、すばらしい人々との出会いもある。だって、バカ騒ぎばかりしていた僕 が、 ピーター・ウィア監督やミロス・フォアマン監督のシリアスな作品に出演し、世 間 に認められたんだから。 僕は、本当にラッキーだと思う。アカデミー会員は、今 まで の出演作品に対する偏見があるんだろう。つまり、コメディ作品に出演し、バカ 騒ぎ をしている僕のイメージしか持ってないんだ。例のドラマチックな2作品(『ト ゥ ルーマン・ショー』、『マン・オン・ザ・ムーン』)でも、そのイメージは払拭 でき なかったんだろうね。まだ、時間がかかりそうだ。まあ、いつか、アカデミー賞 が取 れる日がくるだろう。物理学者のスティーヴン・J・ホーキングあたりを演じて ね。そしたら、誰かステージに連れてってくれる人がいるな。僕は、泣き崩れて いるだろうから。時間がかかってもいいさ、その分、僕は努力するだけだから ね。

 
(C)2000 TWENTIETH CENTURY FOX
  恥ずかしかったよ。そんなことめったに思わない僕でもね
- 30年後、授乳中の女性の胸にかぶりつくシーンを見て、どう感じると思いま す か?
C あのシーンは、すごいね。ワイルドだったよ。撮影準備の時、監督に聞いた ん だ。やり過ぎじゃないかってね。実際、本当に恥ずかしかった。恥ずかしいなん て、 めったに思わない僕でもね。映画では、いろいろとヘンな体験もしてきたけど、 あの シーンもその1つだ。どんな気持ちで、演じたかも思い出せないよ。だぶん、早 く終 われと思っていたんじゃないかな。撮影中のことは、覚えてないよ。とにかく、 恥ず かしかった。小さな女のこの前で、やらなくちゃいけないというのが、つらかっ た な。彼女は、気にしてないといってくれたけど……「全然、見てなかったわ」と いう感じにね。でも、その子には、シーンを撮るたび、謝りつづけたよ。実際、 編集で挿入できるショットは、あとでスタジオで撮影することになり、ホッとし た。スタジオでは、「みんな、ちょっと出て行ってくれ。店の外の通行人なん て、僕にはどうでもいい」とみんなを追い出したよ。誰か1人でもいたら、絶対 にやらないってね。それくらい、本当に恥ずかしかったんだ。
- 今回は、暴れまわったと聞きましたが……。
C チャーリーとハンクは、今まで1番、肉体的にキツい役だったと思う。でも、 スタントマンは使いたくなかった。もちろん、命に関わるような危険がない限り だけど ね。青あざを作ったり、殴られたり、足を引っ張られる程度なら、スタントに任 せる より、自分でこなしたかったんだ。バスター・キートンのようにね。身体を張る の は、コメディの伝統だ。観客だって、役者の演技が見たいんだ。痛めつけられる シー ンも同じさ。こういうシーンだけ、役者に似た“誰か”と入れ替わるなんて、そ れで は見てくれないよ。特に、アクションの訓練を受けたスタントマンでは、絶対、 僕 じゃないってバレるだろうしね。そしたら、笑いが取れないだろ。
  僕は、スリルを求めているんだ
- ケガはしました?
C
(C)2000 TWENTIETH CENTURY FOX
毎日、ケガだらけさ。そして、家に帰る時は、こんな感じだ。「あれ、首か ら血 が出てる! たいへんだ、真っ赤だ。気がつかなかったよ」ってね。また、起き たら青あざだらけの時もあった。僕を訴えようする男たちの1人に、めちゃくち ゃ殴られた時ね。もちろん、本気で殴られたわけじゃないよ。コメディでよくあ るだろ、フェンスを飛び越え、宙を舞い、丘から転げ落ちるシーンだ。しかも、 その丘が、予想よりもずっと急だったんだ。それに、投げ飛ばされ、背中から落 ちるなんていう予定もなかった。僕が、リハーサルの時、足首を捻挫してしまっ たので、スタントマンのパット・バンタムが、俺の出番だとウズウズしていた。 スタッフもスタントマンを使うつもりだった。でも、その時、思ったんだ。「彼 は、僕と全然違う」ってね。だから僕は、2人のスタントマンに丘の下で、テー ブルサイズのマットを持って待機してもらった。飛んでくる僕をキャッチしても らうためにね。たとえ、どこに落ちようと、走ってキャッチしてもらえる。僕 は、2人を信じた。だから、たとえ捻挫していても、大丈夫だと思ったんだ。僕 は、背中が映るように、身体をひねってジャンプ。あとは、彼らがしっかりキャ ッチしてくれた。あの2人が、キャッチしてくれなかったら、死んでいたかもし れないな……わからないけど。僕は、スリルを求めているんだ。Xゲーム(アメ リカ版「筋肉番付」)のようにね。
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