それでも「信念」は死ななかった
料理の真髄は味ではなく、おもてなしにこそある。料理人ヴァテールが宴の演出 までこなす姿を見ると、やはり味はもてなす芸の一つなのだ、と確信してしま
う。アーティストの域まで極めた彼は、ただひたすら食をテーマに人々をもてな した。そんな情熱は利用されやすい。権力と金が人間性など押し潰しはじめたル
イ14世の時代。経済が芸術より優先され、愛も誇りも欲望の駆け引きに呑み込ま れ、華美な宮廷美術や衣裳や料理とは裏腹に、人間の尊厳は軽くなった。それで
もヴァテールは信念を貫き、悲劇的な最期を招く。いま、その生き様は、不器用 という言葉で片付けられてしまうだろうか。だとすれば、心のすさみ具合は、ル
イ王朝以上にまずい事態かもしれない。(小田切昌子)
ルイ14世の信頼を取り戻すためコンデ大公が催したのは、500人を越えるヴェル
サイユ宮廷臣全員を城に招く、想像を絶する大響宴。総費用は現在の日本円に換 算して約3兆5千億円という宴の総監督に任命されたのがフランソワ・ヴァテー
ルだった。料理史においてクレーム・シャンティイの考案者、ヴァテール風スー プに名を残し、歴史書に誇り高き芸術家として賞賛されるヴァテール。この響宴
の偉業と彼の突然の死は、ある文化人の手紙によって後世に伝えられた。本作 は、史実に従い壮大なスケールを映像に甦らせ、愛や陰謀を交えたドラマティッ
クな歴史絵巻。そし て、ヴァテールというひとりの誇り高き人物の生き様を、 3日間の中で見事に描ききった。
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17世紀フランス。ルイ14世をもてなす響宴を主催したコンデ大公はすべての仕切 りを料理人ヴァテールに任せた。王の野心、女官たちの愛、駆け引きや裏切り…
…。欲望渦巻く中、ヴァテールにとって運命の3日間が始まる。
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ジェラール・ドパルデューが語る
≪料理人ヴァテール≫ |
豊かなキャラクターに魅了された。彼は万能な指揮者だ。私にとって人生は快楽
であり、すべてが美しい。それを理解していないヴァテールに私は楽天主義を 少々吹き込んだ。
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繊細な彼女は、宮廷の法則に従って生きてきました。コルセットに締め付けられ
ているうちに王の命令に従順になる。ヴァテールを通じ、物事に違う見方がある ことを知るのです。
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彼はずる賢い悪党だが、非凡な人物でもある。生き抜くためにとても賢いのだ。
彼のような人間を信じると、危険な目にあう。自分自身の未来を守ることにだけ 腐心しているのだから。
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