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これまでにお二人でたくさんキャンペーンをやってらしたと思いますが、どうでしたか? |
吉川 |
二人で写ってる写真見ると、なんか怖いなって(笑)。とりあえず監督が一番で僕が2番っていう。 |
襟川 |
フィリピン・ロケではすっかり現地に溶け込んで、何もトラブルがなかったんですよね。 |
三池 |
溶け込んでって、そりゃ見た目の問題なんじゃないの?(笑)
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襟川 |
危険なことってなかったんですか? |
三池 |
日本に比べればいろいろね。吉川さんはキレるし。
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吉川 |
今日はTVも入ってるんだから、そういう話はさ。 |
三池 |
遠藤憲一は酒飲んで暴れるし。山崎努さんは酔っ払うとおんなじ話を何回もしちゃうし。 |
吉川 |
話がループしちゃうんだよね。 |
襟川 |
それ黙って聞いてたの? |
吉川 |
父親と同じ歳なんで、うんうんって聞いちゃった。
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襟川 |
吉川さんは久しぶりの映画主演ですが、三池さんはずっとラブコールを送っていたとか? |
三池 |
直接話したのは今回の映画に出て…… |
吉川 |
出してやろうか?っていう。 |
三池 |
出ていただけないでしょうか?って。電柱の陰からからこう、とりあえず小さい声で言ってみたの(笑)。
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吉川 |
星飛馬の姉貴じゃないんだから。 |
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襟川 |
そんなオファーを受けて吉川さんは? |
吉川 |
三池映画はほとんど観ていて、オレは大好きだったんですよ。だから、これってタイミング的になんかあるんじゃないかなと思ってやろうかなと。 |
襟川 |
で、髪の毛を黒く染めて。 |
吉川 |
そうそう、この映画ではね。 |
襟川 |
三池さんもそれ、映画用に染めたんですか? |
三池 |
ええ、苦労が多いんで(笑)。映画監督ってお金儲かんなくて食うや食わずでやっていると、すっかりこんなんなっちゃうんですよ。 |
襟川 |
色が抜けてくるんですか(笑)。なんでそんなにたくさん映画を撮り続けるんですか? |
三池 |
断る理由がないっていうか、これはいやとかどうじゃないとかできないとかないんですよ。とりあえず誰かがいいと思って話がくるわけだから、断る理由が今のところは見つからないんですよね。 |
襟川 |
吉川さんはいろいろと男っぽく自分の意見を言うじゃないですか? ここは違うんじゃないですか?とか現場でも言ってたんですか? |
吉川 |
いや、言いませんよ。全然。 |
襟川 |
現場では全くスムーズだったんですか? |
吉川 |
芝居に関しては、ほとんど三池さんが何かおっしゃる時はその通りにやりましたよ。 |
三池 |
(笑)。まあ、真剣にはやってましたよね。吉川さんは自分の生き方とかスタイルにはこだわる人なんだけど、今回の役は普通の人間の役でしょ? 生まれてこの方、普通の人間やったことはないから、普通の人間ってどうやって立ってればいいんだとか、どうやって箸使うんだとか、その辺から一つ一つ教えて行かなきゃならなかったんですよ。 |
襟川 |
それは大変でしたねぇ。じゃあ、エリート商社マンをどっかで観察したりとか? |
吉川 |
いや、もう素の自分のまんまで。ただ、今回はずっとおどおどしてなきゃいけない役だったんで、おれ人生この方おどどしたことってないから、それは監督に聞きました。 |
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襟川 |
どんな風に指示したんですか? |
三池 |
おれみたいにしててもらえばいいんですよって(笑)。カメラの横でいつもおどおどしてるから。俳優さんたちの顔色伺いながら「そろそろ本番いいですかねぇ?」とか、一応「用意」って言って、みなさんの顔を見てから「あ、本当に良さそうだな」と思ったらハイハイって撮るの。 |
吉川 |
大バカ野郎だな(笑)。 |
三池 |
カットをかけたら「結構でございました」って。 |
襟川 |
ほんとですか? 出てる方々は本当の囚人さんが多かったから、監督も誰かに間違えられたりしませんでした?(笑) |
吉川 |
現地の人でおれの専用ドライバーがいたんだけど、その人、監督のこと囚人と間違えてましたよ。 |
襟川 |
でも監督にとっては日常茶飯事みたいな感じですよね。 |
三池 |
なんでそうなんだよ! 刑務所がってこと? |
襟川 |
いやいや、ロケ地に行ったらすんなりそこに馴染んじゃうっていうか。 |
三池 |
カメレオンみたいな人ですよ。すごくたくましいし、素晴らしいですよ。 |
襟川 |
俳優さんたちも、みなさん変わった顔…感じでしょう? |
三池 |
変わった顔! 遠藤さんとか? |
襟川 |
個性的っていう意味ですよ。そういう部分は狙いなんですよね。 |
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三池 |
そうですね。ただ、人間ってみんなよーく見ると変な顔してるっていうか……。 |
襟川 |
それにしても映画ではあれが実際の刑務所だったとは思いませんでした。セットかなと。 |
三池 |
他のところでは断られたんだけど、あそこだけはOKだった。囚人のエキストラも、足りないと50人単位で連れてきてくれたんですよ。 |
襟川 |
撮影の時に本物の現金を撒いたっていうのは本当ですか? 三池:ええ、かなりの枚数でしたね。みんなで持ってる金出し合って(笑)。「このシーン撮らないとおれたちは日本に帰れないぞ」って。「映画ですからカットって言ったら返してくださいね」って言うと、みんなこくんって頷いたんだけどね……。 |
襟川 |
吉川さんの三池さんの第一印象は? |
三池 |
怖いなって…… |
襟川 |
怖い? |
吉川 |
見た目は怖いでしょう。 |
襟川 |
っていうか、あんまり寝ないよね。 |
吉川 |
うん、そういうどこまでも走ってる感じがいいよね。絶対に長生きはしないだろうなって。今のうちに一緒に仕事しとかないと、どっかでポコッていっちゃうんじゃないかっていうせつな的な、危ない感じっていうのがあたしゃ好きよ。 |
襟川 |
三池さんの吉川さんの第一印象は? |
三池 |
これまでによくイメージキャストで説明するときに、「吉川晃司みたいな男」って言ってたんですよ。意地張って自分の言いたこと言って、たまにキレるっていうキャラクターを表現するために、吉川さんの名前を使うと相手にすごくよく通じるんですよね。 |
吉川 |
大きなお世話だ。 |
三池 |
で、今回は刑務所が舞台なんで場慣れしてる人がいいかなって…… |
襟川 |
今言われたような性格ですか? |
吉川 |
ぼくの場合はカーッとなったって表に出るからわかりやすいけど、三池さんの場合は後ろの方でプチッとキレちゃって誰もわかんないから、どっちが怖いっていったらこの人の方でしょ。 |
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襟川 |
みんな納得してますよ(笑)。吉川さんは今後はまたアルバムを出したりするんですか? |
吉川 |
コツコツとね。 |
襟川 |
映画はしばらくないの? |
吉川 |
次も三池さんの作品に出る話があるんです。 |
三池 |
撮影は来年で、公開は2003年。 |
襟川 |
そんなに先? 超大作? |
三池 |
中大作。 |
襟川 |
製作費十うん億? 海外ロケはどこで? |
三池 |
えーっと、京都。時代劇だから。 |
吉川 |
おれ時代劇大好きなんですよ。 |
襟川 |
新作も期待してます! |