まほの[子連れ]ハリウッドへの道19
私の息子かむたんは、アメリカ人のダディーと日本人である私の子であるからして、当然二重国籍をゲットする事ができます。私の考えでは、なんの面倒もなしにヒョヒョイと取れると思っていたのですが、それがとんだかんちがい。 アメリカ国籍をとるにはこっちで生まれた分、アメリカ大使館に行っていろいろ面倒な手続きをしなくちゃいけなくってですね。先日パパが来たのも、奴がいないと、その手続きがいっこうに始まらん!ので、急いで来日となったわけです。 いやいやそれにしても大変だった-。 まずは、パスポート用の写真撮影から。 ベビーは動きまくるから写真館で撮らなくちゃいかん。なんと一枚二千円!くう-。 まだ首も座ってなくてぐらんぐらんしているカムイを片手でこわごわささえてハイチーズ。「赤ちゃんの証明写真っておかしいー。」 なーんて笑ってたら、日本用のサイズ(アメリカのとはちょっと違うのだ)で撮っていた事に気付いた。ち、ちきしょう。さらに、二千円の損失に冷や汗かきつつ、いざ大使館へ。 大使館に入る時は、厳重なボディーチェックと荷物検査があり、私はまずここで第一の赤ッ恥をかく事になりやした。 というのも、私は世界一だらしのない母親であります。 若い米兵さんが私のバッグをあけると……。街でもらったティッシュが6個ほど、使用済みおむつ、食べかけのバナナ、化粧品、食べかす、ゴミ、ゴミ、レシート、なぜだかしらんが水泳用のゴーグル。も、もう勘弁して下せえ。いっそのこと笑ってくれればこっちも気が楽なのに、お兄ちゃんは真顔! つ、つらいっす。 すっかりへこんだわたしは、全ての手続きをダンナに任せた。これが大きな間違いだった事にも気付かず。 しばらくするとダンナが来て、 「なんか大使館の面接があるらしいよ」 め、面接??なんじゃあそりゃあ。そんな事聞いてなかった私は慌てふためいた。なんか、親適性テストみたいな事をするんだろうか。と、かなりびびっているとアメリカ人の大使館員と、日本人の女の人がやってきた。 「これから簡単な面接を行います。二、三質問に答えて下さい。」 「まず……。この書類にあるお二人が初めて会った場所ですが……。ファンキータウンというのはなんでしょう。」 !!!!!!言葉もでない私を尻目にうちのバカ亭主は得意げに答え出した。 「えー。それはですね。僕のバイト先の服屋で、彼女が店に来た時に、可愛いスカートをはいてて僕が、それどこで買ったの?って聞いたんです。あっでもナンパとかじゃないですよ。ははは」 ……一体何を血迷ったか、このような正式な場所で奴はばかばか正直にファンキータウンなどとアホ臭い服屋の名前を書類に書いていたのある。 「す、すいません。私が、答えます。次からは!」 気の毒そうにカムイを見ている大使館員にいうと…… 館員「エーそれでは、お子さんができたのは、結婚後ですか?」 まほ「はい。結婚して一週間で、身ごもった事を知りました」 館員「それでは、お子さんができたのは結婚前ですね。」 まほ「いえ、結婚した後に!知ったんです。だから結婚後!ギリなのです。」 館員「いえ、そういう問題ではなくて……。要するにお子さんをお作りになったのは……」 私はこの言葉ですっかり動転してしまった。 「オツクリ。あ、そ、それはいわゆる着床日の事ですね。エー。あれは、4月○日確か二人で映画を見に行った夜で……エーーー……ま、前ですか。」 館員「そこまで聞いてません。」 その日私は、生まれて初めて穴があったら入りたいということわざの意味を理解したのでした。 <お知らせ
>
来週に続く… |