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この世界は、体を重要視するものだしね
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今はダイエット中? それとも体重を増やしているところ? |
Z |
ゼルウェガー(以下Z) 今は、何もしてないわ。体重のことを考えるのは、も
う終わり。『ブリジット・ジョーンズの日記』の撮影は先週で終わったの。撮影
準備や役づくりを含めると、全部で7ヵ月もかかったわ。やっと家に帰れて、最
高の気分。この役を演じるには、体重を少し増やして、体型を変えなくちゃなら
なかったの。体型というより、体のタイプっていうのかしら。実際の私とは違う
ライフスタイルを送っているような女性のね。だから、ものすごく綿密な、科学
的で計算に基づいた食事プランを実行していたの。体重をグラフに記録して、栄
養士に食事指導してもらって。でも、もう終わり。またジョギングを始めるわ。
もう走っても構わないし、走るのが好きだから。つまり、もとのレニーに戻るっ
てことかな。 |
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女優が体重を増やすと大騒ぎになることについて、変だなと思ったことは?
ヴィンセント・ドノフリオのような男優が、たとえば20キロ太って、また痩せ
ても、誰も何も言いませんよね。 |
Z |
どうしてかな。たぶん……、分からないけど、きっと女優というのはすごく
痩せてなくちゃいけないという思いこみがあるんじゃない? この世界は、体を
重要視するものだしね。でも今回は、役づくりのために太らなくちゃならなかっ
ただけ。単に演じるために必要だったというだけのことよ。本を読んで、ブリジ
ットは私とは違うタイプの女性だと感じたの。いろんな点でね。体重はそのうち
のひとつに過ぎないわ。 |
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ブリジットが抱える問題は、
実際に若いキャリア・ウーマン世代が 直面している問題でもあるの |
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ブリジット・ジョーンズの役に抜擢されたせいで、イギリスのメディアにバ
ッシングを受けましたが、それについてはどう思いましたか? |
Z |
平気だった。理解できるもの。批評を受ける側としては、相手を傷つけよう
という意図を持って書かれたものとか、意図はなくてもそういうふうに感じられ
るものは、たしかに嫌よね。でも、イギリス人が「なんで?」と思う気持ちは、
とくに向こうにいたあいだは良く理解できた。イギリスのマーケットが、アメリ
カよりはるかに小さいということは明らかでしょ。向こうには才能あふれる女優
が本当にたくさんいるけど、きっと役を得る機会は、ハリウッドに比べればすご
く少ないと思うの。それにとくにこの役は、イギリスの若いキャリア・ウーマン
世代を代表するキャラクターで、ブリジットが抱える問題は、実際に彼女たちが
直面している問題でもあるの。私がこの役をやると聞いて、イギリスの人たちは
きっと「へえー」と思ったと思う。連絡を受けたときは私もびっくりしたもの。
でも、すごく嬉しかった。撮影に入ってみて、かなり難しい役だということがわ
かったけど、すばらしい経験になったわ。 |
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ヒュー・グラントが、あなたのことをすばらしいって誉めていましたよ。 |
Z |
ありがとう。うれしいわ。ヒューとは本当に楽しく過ごせたの。才能にあふ
れた、すばらしい俳優よ。ありがとう。 |
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人が自分のことをどう思うかなんて、
こういう世界に入るまで全然考えたことなかった |
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『ベティ・サイズモア』のあなたからは、とってもいい人という印象を受け
るんですが、それは素の自分なんですか? いい人でいるのにも疲れません?
それともそういう印象を与えようとしているんですか? |
Z |
私は、あんまり自分のことをあれこれと考えるほうじゃないの。だから分か
らないわ、本当に。意識的にこうしようと思ってやってないのよ。あれ? 私が
演じている役のことをいい人だって言ったの? |
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そういうところを言っているんですよ。どうも自分のことをよく分かってな
さそうだというか……。 |
Z |
(笑いながら)まったく。 |
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今も、あなたのかわいらしいところが自然に出てましたよね。そういうとこ
ろが『ザ・エージェント』での演技にもあらわれていたと思うんです。でも、観
客の期待を常に裏切らず、いつも感じのいいレニー・ゼルウィガーでいるのは大
変じゃありません? それとも素の自分だから意識する必要はないんですか? |
Z |
分からない、正直いって。さっきも言ったけど、そういうことを考えないほ
うなのよね。観客が、私のことをそういうふうに思ってくれているなら、嬉しい
けど。だってひどいことを言われたっておかしくないでしょ。でも私は普段、そ
ういうことを考えたりはしないの。人が自分のことをどう思うかなんて、こうい
う世界に入るまで全然考えたことなかった。だから本当に、何とも言えない。私
は今とても充実しているし、尊敬できる楽しい友人もたくさんいる。でも、いい
人そうに見える私が本当の自分かなんて、分からないわ。嬉しいけどね。 |
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ベティが陥ってしまう精神状態そのものを理解しようと、いろいろ調べたわ |
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ソープ・オペラのファンですか? |
Z |
いいえ。特にファンじゃないわ。でも、別
に意識して見ないわけじゃなく て、機会がないだけ。7年生の頃は、「アール・マイ・チルドレン」が好きだっ
た。ランチのとき、ときどき友達の何人かとちょっとだけ見てたわ。病気で学校
を休むと、ストーリーがよく分かるようになる。学校に戻るとまた分からなくな
って、また休んで追いついて。でも、それも中学を卒業するまでのことね。 |
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私はソープ・オペラの雑誌でも仕事をしているんですが、ベティのようなフ
ァンを実際に何人も見たことがあるんです。いろいろ調べたりしましたか? 俳
優に話を聞いたりとか? |
Z |
それはグレッグ(・キニア)に聞いたほうがいい質問かもね。グレッグにと
っては……グレッグとの場面で、どういう演技をしたらいいか、そういう人たち
を参考にしたかってこと? あー、分かった。そういうファンを見たこともある
し、本で読んだこともある。ときどきニュースにもなるわよね。マドンナとかデ
ヴィッド・レターマンも、おかげでどんなに生活が乱されるかとか、よく話して
いるし。私もときどき変な手紙をもらうわ。それほどたくさんじゃないけど。い
ろんな役を演じているし、ものすごく有名ってわけでもないものね。とにかく、
そういうファンについては、とくに深くはリサーチしなかったの。むしろ、ベテ
ィが陥ってしまう精神状態そのものを理解しようと、いろいろ調べたわ。一種の
狂信的行為は、毎日ニュースでも目にする。だから、そういう妄想に取り付かれ
て苦しんでいる人たちについて、医学的な研究の記録とかを読んで、自分自身よ
く理解する必要があると思ったの。 |