まほの[子連れ]ハリウッドへの道25
衝撃の結末が…!?(惚れるは易し、恋に落ちるは難しってか?の巻) |
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<私は、カムイを産む前恋多き女であった。恋というより、恋心か。とにもかくにもホレやすい女だったのだ。素敵な人を見る度に、アッやべえこの人私の運命だわ。と、信じ込んであとで泣きをみるタイプ。> ある日、私はルームメイトと一緒に海辺のベニスって所に行って、散歩しておりました。夕日がとってもとってもきれいで、なんで私は女と散歩してんだ…と、お互いに思っていたその時、私は、背に夕日を浴びながら歩く男を発見した! 「おやおや、ジェシカちゃん。ちょっと素敵な人発見よ」 感じでは、かなりかっこよさげ。でも、逆光で顔が見えないんだよね。もっとこっちさこーい!(この時点にて、惚れた度20%)奴がだんだん近付いてくるにつれて、顔とかもよく見えてきた。いやっ。 この人むちゃかっこええ。ちょいと、ハ-レークイン調に言ってみりゃあ私の大好きな金髪のドレッドへアーに、スーッと、とおった鼻。すらりとのびた背に、程よくついた筋肉。ムヒョムヒョ。なんなら飛んでいきたい気分だけど、あいにく私達が歩いてるお散歩コースと向こうが歩いてる浜辺とはあいだに腰くらいまでの壁があって私達の恋路を邪魔している。 それは、まさしくロメオとジュリエット。 すると、ここでミラクルが! ロメオは私のラブラブビームに気づいたのか、こっちへ近付いてくるじゃあありませんか。しかも、笑顔!きゃー。 「ハーイ!」 「ハーイ」 なんだか声も、素敵よ。まあ、ここからは映画の台本でも呼んでる気分になって下さいまし。 ロメオ「君、きれいだね」 ジュリ「あら、まあお上手」 ロメオ「どこからきたの?」 ジュリ「ジャポン。ロメオは?」 ロメオ「俺は東の方から」(この東によって惚れた度は40%に上昇した) 「俺、魚が好きでさ」(惚れた度50%)「魚を追って世界中を旅してんだ」(惚れた度95%どっきどき!か、かっちょえーーー) ジュリ「私も魚好き(たべんの好き)」 ロメオ「ホントに?!」 この時、ロメオの目の色が変わった。フッ。この人私に惚れたね。 ロメオ「君ともっと話がしたいな。そっちへ行って…。まずは二人にハグしていいかい?」 ハグハグハグ-!おほほー。すてき。でも、なんで二人なんじゃ。ちっ。でも、まあいいか。隣のジェシカにちょっと目配せしてみると、 「ど、どーなん?」 ってな顔。ふふん。なんでい。やきもちかい。彼女の冷たい視線は無視して、私は、壁を乗り越えようとしているロメオに手を貸した。 彼がひらりと、目の前に降りた瞬間、私は完璧恋に落ちたアア!!100%…!! のはずだった。 だけど。このひと。なぜ裸足?しかも、すげーキタネー足。しかも、きったねえズボンはいてら。なんか変な色。それにこの人、なんか臭いい!マ、マリワーナのにおいがする。 こ、こいつはもしかしてもしかして……ほーむれす……なのであったさ。 いや正確に言えば、ヒッピー。いまだヒッピー。今さらヒッピー。やつの、不思議な輝きのメはただラリってただけ。ドレッドな髪はただ洗ってただけ。 全てを察知していたジェシカのいうところ、やつの追っかけている魚は、寿司になって食う魚(fish)ではなくて、ヒッピーの皆さんの大好きなバンド<FISH> のことなんだとさ。 おおおおい!きいてねーよ! と思った時には時すでに遅し、私はフライのオヤジさんに引き続きまたも、くちゃい男に抱き締められることになったのであった。しかも、10秒ほど。きつくぎゅっとな。 来週に続く… |