ジョン・トラヴォルタ独占インタビュー

2001年10月5日

ジョン・トラヴォルタ独占インタビュー

ジョン・トラヴォルタはおそらくショウビズ界で最も働く男に挙げられるだろう。ハリウッドで2千万ドル以上稼ぐ主役俳優の中ではダントツの仕事量だ。

そんな彼の猛烈な出演ペースをキープしたのは、昨今の出演作よりもやや娯楽系の作品である。彼の最新作、ホットなオーストラリア俳優ヒュー・ジャックマン、セクシーなハル・ベリー、そして『トラフィック』のドン・チードルが共演するスパイ・スリラー『ソードフィッシュ』では、なぜスリル感と脚本、そして膨大な特殊効果を上手くミックスできたのか？

　以下独占インタビューでのジョン・トラヴォルタは実に切れ味鋭くて、なぜ彼が成功し、目が離せない存在なのかわかるだろう。

ソードフィッシュ
11月上旬 (丸の内ルーブル他全国松竹・東急系)
上映時間： 1時間39分
配給：ワーナー・ブラザース映画

『マトリックス』のプロデューサー、ジョエル・シルバーと、『60セカンズ』の監督ドミニク・セナが手を組んだ犯罪サスペンス。麻薬取締局の莫大な裏金を狙う天才的犯罪者と、捜査官の壮絶な戦いを描く。随所に散りばめられた錯覚の罠の数々、スピーディーにねじれる先の読めないストーリー展開はスリル満点。

僕はコンピュータ・オンチでね
-	『ソードフィッシュ』で演じた役は『ブロークン・アロー』の時のようにすごい悪人でしたね。この２人の違いは？
T	この２人を区別するとしたら、『ブロークン・アロー』で演じた役には自分のすることは正しいんだという愚かさがあるということかな。あの男は殺人が楽しかったんだと思う。本当の戦争屋だ。今度の男は20年も25年も特殊諜報機関に入っているからテロの汚いところもよく知っているし、闘うにしても目には目を、歯には歯をというやり方で、結構まともな人間なんだ。犠牲も払うしね。この男なら状況によっては自分自身も犠牲にするだろうね。ここが２人の微妙な違いかな。
-	この作品同様、実生活でもコンピュータは苦手なのですか？
T	そうなんだ。僕はコンピュータ・オンチでね。ホント遅れてる。コックピットでの操作ならお手のものだけど、ログ・オンしてあれこれやるのは出来ない。そういう意味では上手く自分に合った役だったよ。
太ったスパイなんてダメだってね
-	ヒュー・ジャックマンはコンピュータが得意ですね。
T	映画に出てきたようなオンラインのものではないけど、彼は自分のコンピュータ・ゲームを持ってるんだ。ストーリーのあるアニメーションのゲームをね。僕が役作りで参考にしたのは、その分野での政府機関のエキスパートである諜報員だったんだけど、よく表現できてたんじゃないかな。ヒューも少なからず参考にしたコンピュータのエキスパートがいたよ。
-	今すごく格好いいけれど、ワーク・アウト中ですか？
T	そう。始めてまる１年になる。プロデューサーのジョエル・シルバーの注文さ。太ったスパイなんてダメだってね。そりゃそうだと思ったよ。情報通の敏腕スパイを演じるには重すぎるからね。そういうのも良かっただろうけど、ちょっとしっくりこないよね。それでOK、体重を減らすと言ったんだ。それからもう1年経つ。減量をクリアした半年後に撮影して、その後更に痩せたんだ。
ダイエットは無理だと思ったから食べる量を全部半分にしたんだ
-	ダイエットで一番大変なのは食事の取り方だと思うんですが。
T	ダイエットね。自分には無理だと思ったから食べる量を全部半分にしたんだ。チーズバーガーが食べたいなら半分にする。ケーキも3分の1だけ食べる。これなら楽しくもないクラッカーを食べるのなんかとは満足感が全然違うよ。
夏はずっと家族と一緒にオフを取る予定だ。
T	今夏はずっと家族と一緒にオフを取る予定だ。でも妻のケリー（・プレストン）と共演する予定だった“Standing Room Only”は、すごくいい脚本だから是非やりたいんだ。この話は映画会社好みのものより少し難解だけど説得力がある。撮影を再開するにはいいチャンスだ。でも、撮りたいのは山々だけど出来るかはわからない。ガス・ヴァン・サントが監督の予定だったんだけど、今はみんな別々のことをしているからね。物事はなかなか自分の思い通りにはいかない。他の人の思ったことは殆ど終わるのにね。本当に素晴らしい脚本だったな。

（ティム・ジェニングス／訳　日下桂子）

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