森田まほ
映画が好き!現場で働きたい!その思いがこうじて単身アメリカ、ハリウッドへ渡り、現場でインターンとして日夜現場を飛び回る日々であったが、ある日アメリカ人の青年と結婚。その後予定外の妊娠をするが、無事出産。現在はグリーンカードを取得すべく待機中。 |
最近読者の方にいただくメールの中に、「マホは一体どこで、英語を勉強したんだ? 実はハーフなのか?」なんていう質問がございました。
うちの息子は、ハーフですが、私は父ちゃんも母ちゃんも日本人。生粋の日本人であります。英語も、中学高校と、中の下?ぐらいだったかしらね。あまり成績については触れたくないんだけれども。
だから私の高校の担任の先生とかは、私が、アメリカ人のだんながいるやら、雑誌で翻訳をしているやらの話をすると、かなり驚き仰天の様子。いやあ、実は自分でもこれにはびっくりしております。というのも、渡米前の私は、英語なんてちゃんちゃらできず、アメリカに向かう飛行機の中で友達にもらった『マメマメ英会話』みたいのを開いていたくらい最低なもんだったわけです。
もちろん、そんな状態でアメリカ人と正常に会話することなんて到底無理なかんじ。とりあえず、理解できるのは「ハイ、ハウアーユー」くらい。そっから先は適当に笑ったり、こくりこくりと首を振っていた程度。
それが、たったの1ヶ月で急成長! もうかなり理解できるようにいきなりなった。別に、英語の学校に入ったわけでもなくよ。ただひたすら、英語24時間の現場にいたおかげですな。でも、私が初めに勉強させていただいていた現場っていうのが、マフィアもんのドラマで、出演者はみーんなイタリア系な英語を話してるわけ。しかも、撮影はニュージャージーだったんで、スタッフは皆ニュージャージー訛り。その結果、英語が出来るようにはなったものの、私のアクセントはもろマフィア。
ロスに帰ってから、友達と話したら、「なんかキミ英語は上達したけど話し方が、『スカーフェイス』のアル・パチーノみたいだ」と指摘されちまった。な、なんと。
そして、それから私の英語はどんどん進化を遂げていった。ルームメイトと暮らしはじめたころには、彼女のニュージーランド訛りがうつり、ヒップホップレーベルの事務所で働きはじめたら、私の英語はばりばりブラック系。毎日毎日、YO!
YO! ヨウヨウ言っていた。うちのだんなに、出会ったころはすっかりブラック英語にはまっていたときで電話をするたびに、
「ワッツアップ、マー(MY)ニガー(←ニガーなんて差別用語でつかっちゃいけないんだけど、仲良しのブラック同士ではよく言うのさ)」
といって、大爆笑されていた。だんなの場合、黒人と白人のハーフだったので、これには相当オオウケで、むしろこの一言で奴を落としたと言っても過言ではないでしょう。そのかわり、だんなは
「ワッツアップ、マーイエロウ」なんて言っていた。どっかの皇族がきいたらひっくり返るかも知れんが、ふつうに下品な私ら夫婦には屁で挨拶するようなもんだったのさ。
まだ、このままだったらYOU☆THE ROCKみたいでかっこよかったのにあろうことか私の周りに極端にゲイの友達が増えてから私の英語も最終進化を遂げてしまった。四六時中ゲイの男の子達といた私は、自分の英語にまた新しい変化が起きていることに気付いたのだ。なんか私、「スーパーキュート!!!」ばっか言ってる…。
きゃー!!ラッパーみたいにたくましかった私の英語はどこへ?? 旦那も、「なんかお前最近、オカマみたいだ」と心配気味。そう、私の英語はついにここまで来てしまったのです。
マフィア→ニュージーランド→ブラック英語→おかま
一体どこに、女のくせにオカマっぽい英語を喋ってる日本人がいるってんだ。あなたは、アメリカでピーコみたいな日本語を話しているアメリカ女を見たことがありますかい?
この衝撃的事実に気付いた私は、すべての自信をなくした。自分は完ぺきな英語を話していると思っていたのに…。くうう。最近、きれいな英語を話している人を見るとほとほとうらやましい。イギリスに留学した友達なんて、かっこいいイングリッシュをぺらぺーら。有り金はたいてでもNOVAはいりてえや。
恐ろしいことに、先日ロスにいるゲイの大親友から電話があり来月あたりに日本に移住してくるということを聞いた。これで、母親の私だけでなく、カムイのまだ真っ白な言語野(右脳にあるらしい)にもきっとおかま英語がインプットされることでしょう。
次週に続く
お知らせ:月刊フリックスでまほちゃんが、「好き勝手クロスレビュー」の連載を始めました。ハリウッドのカリスマビデオ店員マイケルのちょっと辛口レビューも要注目!
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